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「そもそもアートに興味ないから何万回も触れたくないんだけど!」と思う理由はなんだろう(後編)

アートが「よくわからん」理由を究極に単純化してみた(前編)では、アートに関心がないビジネスパーソンも「アートに数万回触れれば、食事・ファッション・スポーツetcレベルに身近になる(ひいては市場が出来上がる)のでは?!」という当たり前のことをだらだら述べた。

ただ一握りのアートファンを除き、

「いや、そもそも興味ないから何回も触れたくないんですけど!」

と思ったビジネスパーソンが殆どだろう・・・。これも”にわとりたまご論争”に陥るのだが、「興味がないから触れないのか」「触れていないから興味がわかないのか」。
(僕はこれに関しては後者だと考えている。とにかく触れ続ければ”絶対に”興味がわく!ラグビーW杯も1試合目はよくわからんかったが、日本代表の最終戦はかなり楽しかった人も多いんじゃ?)

では、なぜ「そもそも触れたいと思わない」のだろうか?

いつも通り結論に飛躍すると・・・笑

「アートは人間のDNAレベル(=本能)に刷り込まれていないので、現代人が触れる必要性を感じていない」

からではないだろうか?

<他の趣味ジャンル(DNAに刷り込まれてる)>
◆食事→食べなきゃ死ぬ
◆スポーツ→狩らなきゃ死ぬ
◆旅→(農耕・狩猟民族共に)移動しなきゃ死ぬ
◆建築・インテリア→家・巣がなきゃry
◆洋服→防寒・防御せな
◆本・映画→伝えなきゃ

というようにだいたいが人類の当初の本能に紐づいて派生しているように思える。最後の本というのは、「何かを文字に残して後世に伝える」ということが読書の起源と仮定した。推測を重ねる形で恐縮だが、文字が生まれたのも「伝えなくては困るものを伝える必要があった(食事方法・〇〇の在りか・〇〇をしたら死んでしまうetc」から文字が生まれ、その文字の集積である本が生まれたのではないだろうか📕

一方、アートはおそらく「〇〇しないと死ぬ」には直結しないジャンルだろう。

もちろん「文字が読めない人に写実的に伝える」という役割を絵画が担ったことは間違いない。ただ、これは上述した「人類にとってDNAに刷り込まれるフェーズより一段階後&同役割を担ったのは人類史上かなり短期間」ではないか。

人類最初の芸術とされている「ラスコーの壁画」↓

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約2万年前に描かれたこの壁画の正確な意味は現代人にはわかりようがない。ただこれを「本能レベルで書かないと死ぬ」から書いていたとは想像しづらくないだろうか?もちろん宗教的な意味合いがあった可能性はゼロではないし、「宗教がないと死ぬ」ということは群れ社会においてあり得る論理だ(宗教でコミュニティのバランスをとることで、群れを平和的に統治できるという意味)。

だがこれは「宗教がないと死ぬ」ことの理由付けであって「アートがないと死ぬ」ことにはならない。

ではこの絵画は何なのだろうか??
僕は「描いてみたら楽しかったからただ描いた!」と信じている。

純粋に楽しかったのだ!そして見る方も純粋に面白かったから模倣して書く人が増えた!そうして大量の壁画が生まれた・・・!

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勘がよい方は僕が主張したいことをお気づきかもしれない笑

そう、実は「アートはDNAレベルで刷り込まれているはず」なのだ。

どれだけの歴史を繰り返すと人類のDNAに刷り込まれるのかわからない。ただ2万年前からこの「純粋に楽しいアート」が発生している以上、人類には必ずアートの重要性が刷り込まれている。
そしてアートは”命に関わるからという理由以外でDNAに刷り込まれている極めて珍しい存在”なのである。

改めて冒頭の結論に少し言葉を足してこのnoteを終わりとしたい。

・(いまの”現代アート”の、”文脈”などを踏まえた楽しみ方は)「人間のDNAレベル(=本能)で刷り込まれていないので、現代人がアートに触れる必要性を感じさせない。
・但し”ただ好きなものを描く・ただ好きなように眺める”ということはDNAレベルで刷り込まれているはず。

前編で記載した通り「とにかく見方も、いいものor本物も̪̪シカトして、数さえ見れば勝手にDNAがアートを思い出させてくれる」ことを一度試して頂きたい!(もちろんそこから興味を持って、文脈・知識も身につけたい人はつければまた違った楽しみ方をできる)

よく「アートは好きなように描いて・好きなように見ればいいんだよ」という意見を聞く。たぶんそれは1つの真理なんだけど、それだけだとアート初心者には意味不明(そもそもどう見ればいいかすらわからねえ!って頭で考えてしまう)だから「ただ見続ければよい理由の一つ」をあんまり他の人が言わなそうな方面でまとめてみました。笑

twitterでもnoteでも異論・反論大募集します笑!

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※本記事は「アートよくわからん・触れるのもめんどい」というビジネスパーソンをイメージして書いています。運営及び「現代の」作家さんたちが「現在の」マーケットで戦うためにはもちろんこの内容じゃ生活していけないと思いますが、既存マーケットを広げる・ファン層を拡大するという意味において上記ペルソナは重要な存在と考えて記事を書いたものです。

※"視覚に頼らないアート”ももちろん僕は好きだし、「しっかり考えて文脈も意識したい」人を否定する意図は全くありません!100%尊重します。
たぶん、アートは何個もあるんだけどおおもとを束ねる言葉が1つしかないのが難しいとこなんだなあ~。

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