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『三田文學』2023年夏季号(154号)のご紹介

こんにちは!編集部員Aです。昨日7月12日より、『三田文學』2023年夏季号(154号)が発売されました。


①     今号のラインナップ紹介

今号のラインナップをご紹介いたします。

◆巻頭詩
トランジット @HEL 四元康祐
◆小説
エチュード 二〇二四 中島京子
夜を抱く 佐藤洋二郎
メル写真館のかい 滝口葵已
新世界 髙木智視
◆詩
トッカータ 渡る指 北原千代
◆インタビュー
四方田犬彦 [聞き手]関根謙
 越境する言語とアイデンティティ——四方田犬彦『戒厳』から
■ウクライナからの声
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以降に書かれた詩
[訳]原田義也
オクサナ・オスモロフスカ 3月15日
ナタールカ・フルサ 3月17日-18日・3月22日-23日
オレクサンドル・イルワネツ 3月9日・3月5日
■新連載
◆詩/リレーエッセー 詩から明日へ
詩が読めるということは 暁方ミセイ
◆演劇随想/舞台の輝き
「めずらし」と「あたらし」の、復権を 坂手洋二
■連載
◆動かぬ時の扉[第六回]第一部・完 辻仁成
琉球弧歌巡礼りゅうきゅうこうたじゅんれい[第八回]『仲風なかふーぶし』『あし仲風なかふー』 宮沢和史
◆浅草の笑い[第九回]
浅草芸人盛衰記 関東大震災と浅草 岡進平
大上こうじの浅草21世紀と浅草 もしも大谷翔平が浅草の芸人だったら? 大上こうじ
◆文芸時評 文学の境界線ボーダーライン[第九回]
〈多層〉で〈曖昧〉な境界を受け入れること 仲俣暁生

◆短歌/随筆 歌評たけくらべ[第七回]
若山牧水『海の声』 水原紫苑×川野里子
◆俳句/随筆 融和と慰謝の俳句[第六回]
対話・その3 髙柳克弘
◆映画評 電影的温故知新[第二十回]
『空気人形』、あるいは死の欲動について 佐藤元状
◆東京日記[第六回]
アートとメトロ クリストフ・ペータース [訳]粂川麻里生
■書評
チェ・ウニョン『ショウコの微笑』『わたしに無害なひと』『明るい夜』 河内恵子
上田早夕里『上海灯蛾』 巽孝之
小池昌代『くたかけ』 石橋直樹

■新同人雑誌評 加藤有佳織/佐々木義登
■会員投稿欄・ろばの耳
添野博/西沢貴子/野本健太郎/ルスターホルツ友里
■イベントレポート
ハヤカワ高校生読書会始動 川﨑綾子/古川晴彦
■『三田文學』創刊100巻820号記念賛助金寄付者御芳名

②     見どころポイント


今号は小説作品が充実しております。なんと合計で130ページ越え。
中島京子さんの「エチュード 二〇二四」は老境に直面する困惑を超えて踏み出す新たな一歩への温かい励ましです。佐藤洋二郎さんの「夜を抱く」は心の軌跡を辿る半生記。パリから届けられた辻仁成さんの連載「動かぬ時の扉」は好評のうちに第一部の最終回を迎えました。滝口葵已さん、髙木智視さんは過去の三田文學新人賞受賞者。両氏の力作にも注目です。

また、今号では演劇随想と詩のリレーエッセーの2つの新連載が始まりました。演劇では坂手洋二さん、詩では暁方ミセイさんが登場です。今後もご期待ください。

映画誌・比較文学研究家、詩人の四方田犬彦さんへのインタビュー「越境する言語とアイデンティティ――四方田犬彦『戒厳』から」は、関根謙編集長が聞き手となり、国境を越える言語と文化の意味を問いながら、私たちのアイデンティティの真実に迫りました。

『戒厳』(講談社、2022年)のあらすじ
主人公・瀬能は大学を卒業したばかりだが、戒厳令が発動された1979年、ソウルの大学へ日本語教師として赴任することになる。時代の変化の最中、さまざまな経験を経て彼は他者と自己を見つめていく。

主人公と同様、26歳の頃、一年間韓国に滞在し、教師をした経験を持つ氏に、本作を中心に、言語とアイデンティティのかかわりなどについて語っていただきました。たっぷり16ページ分収録しております。

韓国から帰国したばかりの頃に四方田氏が執筆し、長らく封印されていた小説『夏の速度』(作品社、2020年)と数十年後執筆された本作との「兄弟」的な関係や、誰もが本来、ただ一つのことばだけではなく、外国語や方言も含む多言語のなかでゆらぎながら生きているということなど、話題は多岐にわたります。頭だけで考えるのではなく、実際に行動し、体験することを大切にされている氏の生の言葉を、ぜひ本誌で感じていただきたいです。

どうぞお近くの書店、あるいは下記リンクより、お手に取ってみてください!


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