慶應義塾大学出版会 Keio University Press

学術書・教科書を中心とした本を出版しています。本の立ち読みや、書店フェア、臨場感のある…

慶應義塾大学出版会 Keio University Press

学術書・教科書を中心とした本を出版しています。本の立ち読みや、書店フェア、臨場感のあるイベントレポート、こぼれ話などを発信していきます。草の根活動としてゆるく、でも、言葉は熱く語ります。https://www.keio-up.co.jp

マガジン

  • 全14回連載:『結婚の哲学史』

    結婚に賛成か反対か、性急に結論を下す前に、愛・ 性・家族の可能なさまざまなかたちを考える必要があるのではないかーー。九州産業大学で哲学を教える藤田先生による結婚と哲学に関する論考を特別公開します。

  • 雑誌『教育と医学』

    雑誌『教育と医学』の【試し読み】などをお読みいただけます。『教育と医学』の創刊は1953年、昨年(2019年)夏にリニューアルを行い、それまでの月刊に代わり、隔月刊での刊行となっています(奇数月1日発行)。

  • 書評に出た本

    書評が掲載されたり、受賞したりした本の中から、話題の本を月ごとに紹介しています。

  • 三田文學note

    『三田文學』編集部によるマガジンです。 『三田文學』(発行:三田文学会 発売:慶應義塾大学出版会)という文学の雑誌を作っています。 発行は季刊、つまり一つの季節に一冊、年4回、1・4・7・10月の12日頃から新刊が発売されています。  最新号についてのご紹介、雑誌作成の裏側で生まれたこぼれ話、イベントに関してのレポートなどをお届けしていく予定です。

  • 試し読み

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最近の記事

連載第13回:『結婚の哲学史』第3章 第2節 (つづき)

結婚に賛成か反対か、性急に結論を下す前に、愛・ 性・家族の可能なさまざまなかたちを考える必要があるのではないか。昨今、結婚をめぐってさまざまな問題が生じ、多様な議論が展開されている現状について、哲学は何を語りうるのか―― 九州産業大学で哲学を教える藤田先生による論考。前回に引き続きキェルケゴールの思想の特徴である「質的弁証法」に端を発し、第3項への道筋を辿ります。 ↓これまでの連載はこちらからご覧ください *** 2.逆説弁証法の二つの特徴 キェルケゴールの思想は

    • 雑誌『教育と医学』(2024年5・6月号)「特集にあたって」「編集後記」公開

       雑誌『教育と医学』の最新号、2024年5・6月号が、4月26日に発売されました。今号の特集は、特集「教師のキャリアを考える」です。  近年、小・中学校における教員不足が指摘されていますが、一方で小・中・高校で1割以上の教員が民間企業等での勤務を経験しているなど、教員の多様化も進んでいます。特集では、「職業としての教師」「教師のキャリア」という視点から、教職の現在と未来、そして持続可能な学校教育のあり方などについて、検討を行います。(責任編集:鈴木篤・増田健太郎[九州大学大学

      • 【書評に出た本】2024年3月

        3月に書評掲載されたをご紹介します。 ■金成玟【著】『日韓ポピュラー音楽史――歌謡曲からK-POPの時代まで』坂本九からBTSまで、日本と韓国の音楽がおりなす戦後大衆史をたどる 私たちは「日韓」を超えられるのか?「POPの夢」が、いまひらく――! BTS、TWICE、BLACKPINK、NewJeans――今や世界的人気を誇るK-POPアーティストたち。彼らの活躍の裏には日韓がおりなした数十年にわたる歴史があった。抑圧と解放に翻弄されながら、大衆の欲望は、ポピュラー音楽の

        • 連載第12回:『結婚の哲学史』第3章 第2節 逆説弁証法とは何か

          結婚に賛成か反対か、性急に結論を下す前に、愛・ 性・家族の可能なさまざまなかたちを考える必要があるのではないか。昨今、結婚をめぐってさまざまな問題が生じ、多様な議論が展開されている現状について、哲学は何を語りうるのか―― 九州産業大学で哲学を教える藤田先生による論考。前回に引き続きキェルケゴールの思想を紐解き、第3節への道筋を示します。 ↓これまでの連載はこちらからご覧ください *** 1.キェルケゴールとヘーゲルの関係  第1節では、キェルケゴールの生きた時代と生

        連載第13回:『結婚の哲学史』第3章 第2節 (つづき)

        マガジン

        • 全14回連載:『結婚の哲学史』
          13本
        • 雑誌『教育と医学』
          24本
        • 書評に出た本
          48本
        • 三田文學note
          27本
        • 試し読み
          71本
        • 売れた本
          11本

        記事

          【試し読み】『ブリュメール18日──革命家たちの恐怖と欲望』

           1799年、ナポレオンが総裁政府から実権を奪ったクーデタ、「ブリュメール18日」。これによってフランス革命は終わりを告げたとされています。4月に刊行した『ブリューメル18日 ──革命家たちの恐怖と欲望』では、権力欲に取り憑かれたナポレオンの断行として描かれていたこれまでの歴史観から、むしろフランス革命の成果を守るために、改憲派の革命家たちがナポレオンを権力の座に引き上げた事件として理解し、革命家たちの視点に立って考察。今回はそのイントロダクションとして、本文中より「はじめに

          【試し読み】『ブリュメール18日──革命家たちの恐怖と欲望』

          連載第11回:『結婚の哲学史』第3章 第1節後半 アンデルセン、レギーネの本心

           結婚に賛成か反対か、性急に結論を下す前に、愛・ 性・家族の可能なさまざまなかたちを考える必要があるのではないか。昨今、結婚をめぐってさまざまな問題が生じ、多様な議論が展開されている現状について、哲学は何を語りうるのか―― 九州産業大学で哲学を教える藤田先生による論考。前回に引き続きキェルケゴールです。彼の生きた時代と、その恋人の実像に迫ります。 ↓これまでの連載はこちらからご覧ください ***  前回はキェルケゴールへの導入として、「キェルケゴールとシューマン」とい

          連載第11回:『結婚の哲学史』第3章 第1節後半 アンデルセン、レギーネの本心

          『三田文學』発売日変更のお知らせ

          こんにちは!編集部員Aです。 1・4・7・10月という季刊発行の『三田文學』は、今までは12日頃から発売しておりましたが、昨今の発送事情により、今回の2024年春季号(157号)からは発売日が20日頃に後ろ倒しになっております。 2024年春季号(157号)は4月19日(金)からの発売です。ちょうど1週間後ですね。 以下、ラインナップ紹介です。発売日には、見どころポイントも添えて改めてお知らせします。今しばらくお待ちくださいませ! ↓ 最新号の購入はこちらから ↓ バ

          『三田文學』発売日変更のお知らせ

          『三田文學』2024年春季号(157号)のご紹介

          こんにちは! 編集部員Aです。本日4月19日より『三田文學』2024年春季号(157号)が発売されます。 今号は第30回三田文學新人賞の発表号です。今年は小説部門と評論部門からそれぞれ佳作が出ました!今年も受賞者へのインタビューを行い、動画を公開予定です。どうぞお楽しみに! ちなみに小説部門の石澤遥さんはなんと、前号(156号)で発表のあった第40回織田作之助青春賞の受賞者でもあります。連続受賞、おめでとうございます! また、小説ではヒップホップグループの「HOME MA

          『三田文學』2024年春季号(157号)のご紹介

          連載第10回:『結婚の哲学史』第3章 キェルケゴール 第1節 キェルケゴールの時代と生涯

           結婚に賛成か反対か、性急に結論を下す前に、愛・ 性・家族の可能なさまざまなかたちを考える必要があるのではないか。昨今、結婚をめぐってさまざまな問題が生じ、多様な議論が展開されている現状について、哲学は何を語りうるのか―― 九州産業大学で哲学を教える藤田先生による論考。今回から第3章、キェルケゴールの生涯とその思想を探ります。 ↓これまでの連載はこちらからご覧ください *** 1.クライスレリアーナ――キェルケゴールとシューマン  「キェルケゴールと音楽」と言えば、

          連載第10回:『結婚の哲学史』第3章 キェルケゴール 第1節 キェルケゴールの時代と生涯

          【試し読み】「美」によって「自由」を追究した思想家――『フリードリヒ・シラー 自由の美学』

           フリードリヒ・シラー(1759〜1805)は、ドイツ古典主義文学の黄金時代を築き上げた国民的詩人。鈴木優『フリードリヒ・シラー 自由の美学』によれば、彼が残した多くの詩や戯曲は、現在に至るまで「ドイツの国語教育に必ず登場する模範的文学」であるという。シラーは世界的な作家でもあり、ベートーベン交響曲第9番の歌詞『歓喜の歌』や、日本ではシラーの詩をもとに太宰治が創作した『走れメロス』などを通じて、多くの人がシラーの作品に触れている。  本書は、文学者であると同時に哲学的医師でも

          【試し読み】「美」によって「自由」を追究した思想家――『フリードリヒ・シラー 自由の美学』

          連載第9回:『結婚の哲学史』第2章フーリエ第3節 全婚と均衡遺言――『愛の新世界』を読む

           結婚に賛成か反対か、性急に結論を下す前に、愛・ 性・家族の可能なさまざまなかたちを考える必要があるのではないか。昨今、結婚をめぐってさまざまな問題が生じ、多様な議論が展開されている現状について、哲学は何を語りうるのか―― 九州産業大学で哲学を教える藤田先生による論考。3回にわたって考察したフーリエも今回で最終回となります。 ↓これまでの連載はこちらからご覧ください *** 先駆的フェミニスト  Trésor de la langue françaiseやLe Ro

          連載第9回:『結婚の哲学史』第2章フーリエ第3節 全婚と均衡遺言――『愛の新世界』を読む

          2024年3月に売れた本ベスト10!

          2024年3月に売れた本をご紹介します。 (2024年2月26日~3月25日までの売上データをもとにしています。) 第10位■佐藤清隆[著]『円の実力――為替変動と日本企業の通貨戦略』 「為替」の壁を乗り越えられるか 2022年からの歴史的な円安進行によって、円の実質実効為替レートは1970年代前半と同等の水準にまで低下したといわれる。 果たして円はどれほどパワーを失っているのか。かつて最強の貿易立国と謳われた栄光は取り戻せるか。大幅な為替変動に直面する日本企業にとって、

          【書評に出た本】2024年2月

          2月に書評掲載されたをご紹介します。 ■田中秀明【著】 『「新しい国民皆保険」構想 制度改革・人的投資による経済再生戦略』制度疲労を起こしている古い「昭和モデル」をリセットする! 本書の特長は、この大きく4つに分類できる。年金・医療・家族・雇用など、社会保障の主要分野に加え、人的投資としての教育(社会的投資)、そして負担面の保険料・税制をも視野に入れて問題を分析。より具体的な改革案を随所に提示し、時代の実情に即した制度の再構築に向けて、今後の保険制度・税制改革・人的投資戦

          【試し読み】『民主主義は甦るのか?』

          歴史は繰り返すのか――。 ポピュリズムは民主主義をどのように崩壊させていくのか。 また衰退した民主主義はどうすれば再生できるのか。 現代の難問を解く上で、歴史からのヒントを与える『民主主義は甦るのか?』 このnoteでは細谷雄一氏による「序章」の一部を特別に公開します。 ぜひご一読ください。 *** 序章 衰退する民主主義――歴史から考える民主主義とポピュリズム 細谷雄一 はじめに――オーウェルの「ファシズムと民主主義」  1942年2月、ジョージ・オーウェルは、

          【試し読み】『民主主義は甦るのか?』

          連載第8回:『結婚の哲学史』第2章フーリエ第2節フーリエ思想の基本的構図

           結婚に賛成か反対か、性急に結論を下す前に、愛・ 性・家族の可能なさまざまなかたちを考える必要があるのではないか。昨今、結婚をめぐってさまざまな問題が生じ、多様な議論が展開されている現状について、哲学は何を語りうるのか―― 九州産業大学で哲学を教える藤田先生による論考。今回は前回の補足から、フーリエ思想の基本構造を探ります。 ↓これまでの連載はこちらからご覧ください ***  前回の流れが分かりにくかったかもしれないので、ここでまとめ直しておこう。  シャルル・フーリ

          連載第8回:『結婚の哲学史』第2章フーリエ第2節フーリエ思想の基本的構図

          人と犬、ひかれ合うのはなぜ?🐶  【試し読み】『犬と会話する方法』

           私たちにとって最も身近な動物、犬。犬と意思疎通がうまくいかない時、言葉が通じないから、そういうものだから仕方ないと諦める人も多いだろう。ところが、犬は私たちのことをかなり観察し、理解している。ただ、コミュニケーションの方法が間違っているために、互いの気持ちがすれ違うのだ。では、どうすればよいのか。  これを教えてくれるのが、動物行動学者兼ドッグトレーナーというユニークなキャリアをもつパトリシア・B・マコーネルによる、3月新刊の『犬と会話する方法――動物行動学が教える人と犬の

          人と犬、ひかれ合うのはなぜ?🐶  【試し読み】『犬と会話する方法』