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地銀が保険を売る理由「顧客志向か収益拡大か」

地銀が保険商品を積極的に販売する背景はいったいなんでしょうか。私は、明確な収益追求の動機があると考えます。

経済がグローバル化し、金融市場が多様化する中で、地銀は従来の預金獲得や融資業務だけではなく、より幅広い金融サービスの提供によって収益の柱を多角化しなければいけません。

そのため、保険商品の販売は地銀にとって魅力的な収益源となっています。

しかし、このような地銀の戦略が必ずしも顧客の利益に適っているとは限りません。


保険販売の問題点


銀行員による保険販売にはいくつかの問題点があります。例えば、顧客サービスの質の低下、コンプライアンスリスクの増加、および市場の混乱を引き起こす可能性があります。以下に詳細を示します。

1. 顧客サービスの質の低下

  • 個々のニーズへの不適合: 銀行員は、顧客の個別のニーズやリスク許容度を十分に理解せずに保険商品を推奨してしまう可能性が高まります。顧客にとって最適でない商品を購入させるリスクが生じます。

  • 知識不足: 一般に、銀行員は保険商品に関して専門的な訓練を受けているわけではなく、その複雑さを完全に理解していない場合があります。これは、誤った情報の提供や不適切な提案につながる可能性があります。

2. コンプライアンスと倫理的リスク

  • 販売圧力: 販売ノルマやインセンティブは、銀行員に過度のプレッシャーをかけることがあります。そのため顧客の利益よりも自己利益を優先させる行動を起こしてしまいます。

  • 透明性の欠如: 費用や手数料、リスクなどの重要な情報の不十分な開示によって、銀行と顧客との間に問題を生じさせる可能性があります。

3. 市場の混乱

  • 不公平な競争: 銀行が金融商品と保険商品の両方の販売は、保険専門の代理店やブローカーと比較して、不公平な競争を生じさせる可能性があります。

  • 市場の透明性の低下: 多様な運用商品の販売は、消費者が各商品の特性や適切な選択肢の理解を難しくする可能性があります。

保険販売のリスク

保険商品の販売は銀行にとって新たなリスクをもたらします。

保険はその性質上、リスク管理が非常に重要な商品です。

専門知識を十分に持たずに保険の販売活動を行うのは、顧客に不適切な提案をしてしまうリスクを高め、最終的には金融機関としての信頼性を損なうことにつながります。

結論:顧客志向ではない

結論として、地銀による保険商品の販売は、確かに収益の柱を多角化し、経済的安定性を高める上での一つの手段ではあります。

ただし、銀行の本来の役割や顧客の最善の利益と必ずしも一致しない可能性が高いといえます。

銀行が保険を販売する際には、収益追求のみならず、顧客のニーズに応えること、そして金融機関としての倫理的責任が重要ではないでしょうか。

銀行は保険商品の販売に際しては、顧客の利益を最優先に考え、保険の専門知識を高め、適切な提案の姿勢を見せて欲しいものです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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