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「銀行員の髪型・髪色」時代に合わない規則を再考する

日本の銀行は、堅実なイメージで知られています。

そのイメージを築くため、銀行員に対してプロフェッショナルな外見を維持するように求めてきました。

多くの銀行では、髪型や髪色に関する厳格な規定が設けられています。これらの規定は、銀行員がどのように見えるかだけでなく、銀行のブランドイメージを守るためにも重要な役割を果たしているでしょう。

しかし、時代と共に働き方が変化し、職場での多様性の尊重が高まってきています。

特に若い世代は、自己表現の自由を重んじる傾向にあり、保守的な銀行の職場との間では違和感が生まれているのではないでしょうか。

古くからの慣習や規定が、いまの職場に適しているのか、という問いが私にには浮かんでいます。

今回は、日本の銀行員に課される髪型と髪色の規定、それが現代の労働環境に適応しているかについて掘り下げていきます。


男性銀行員の髪型

日本の銀行における男性銀行員の髪型は、一般的には短くて整えられたスタイルが推奨されています。また、ヒゲも禁止です。

このスタイルは、清潔感を象徴し、顧客に対して信頼感を与える要素とされています。

あまりにも斬新で個性的な髪型は避けられる傾向にあり、シンプルで保守的なスタイルを半強制的に指示されます。

しかし、最近では少し柔軟性が増してきている印象があります。

先日オンラインでディスカッションした、ある銀行の国際業務担当の方は、やや長めのヘアスタイルで軽いパーマを取り入れていました。

国際的なビジネスの場においては、多様性と柔軟性が求められています。そのため、現代風でありながらもプロフェッショナルな印象を保ちつつ、少し個性を表現する余地が生まれつつあるのかもしれません。

外国のクライアントとの交渉が多い銀行員には、相手の文化や価値観に敬意を表すために、髪型にも柔軟性が求められているのではないかと推測します。

一方で、地方銀行や保守的な顧客を多く持つ銀行の場合、従来型の清潔感を維持する髪型を選択せざるを得ないのが現状ではないでしょうか。

ちなみに、私は銀行員時代には強めのパーマを当てていましたが、顧客から何か小言を言われた経験はありませんので、銀行の勝手なバイアスではないかと思っています。

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清潔感ありますが、日本の銀行だとNGでしょう

女性銀行員の髪色

日本の銀行においては、女性銀行員の髪色に関する規定が存在します。

従来、銀行では自然な黒髪が基本とされ、明るい髪色や派手な染色はプロフェッショナルでないと見なされがちでした。

日本において黒髪は、顧客に対して真面目で誠実な印象を与え、組織全体の統一感を保つための意図があると思います。

しかし、若い女性銀行員の中には、自身の個性を表現するためにナチュラルな茶髪や微妙なハイライトを加える人も増えている印象です。

このような変化は、職場内の多様性と表現の自由を重視する動きとして、部分的には保守的な銀行でも受け入れられ始めていると思います。

企業文化の中で個性を尊重し、自己表現の一環として髪色を選ぶのは、現代社会においては一般的であり、徐々に認められるのは自然の流れでしょう。

顧客と直接対面する機会が少ない銀行本部の職種などで多く見られる傾向だと思います。

銀行本部の一部では、創造性やイノベーティブな思考が求められることもあり、その一環として外見の自由度も広がっているのかもしれません。

それでもなお、地方銀行やメガバンクでも地方の支店は、伝統的な規範が強く残り、髪色に関する規定は厳しいままの印象です。

やはり保守的な地域では、変化に対する抵抗が大きいため、女性の髪型に関する規定の緩和には時間がかかると予想します。

個人的には中高年向けの白髪染めも一種のカラーであり、茶髪や金髪に染めるのと何が違うのかと思っています。

アクセサリーやネイル

日本の銀行では、アクセサリーやネイルに関する規定は依然として厳しく、堅実なイメージを維持するために、目立つ装飾はほとんど許されていません

銀行員に求められるのは、極めて控えめな装いであり、結婚指輪などのリング類など、非常にシンプルなアクセサリーしか許されていないのが現状です。

ネイルに関しても、クリアか極めてナチュラルな色が基本で、派手な色やアートは、銀行からプロフェッショナルではないと見なされがちです。

この厳格な規定は、銀行が顧客に対して真面目で信頼できるイメージを維持するために重要なのかもしれません。

特に銀行では、保守的なイメージが顧客の信頼感を高めると考えられています。

そのため、多くの銀行では、従業員が個性を表現するための余地は非常に限られており、行員全体が厳しいドレスコードに従うことを求められています

まとめ:イメージ維持か、時代遅れか

日本の銀行業界では、髪型や髪色、アクセサリー、ネイルの規定は、長らく厳格なものを採用しています。

身だしなみの規定は、堅実なイメージを維持するため、そして顧客からの信頼を得るために重要視されてきました。

しかし、顧客が銀行員の外見だけで信頼感を決定するかというと、その答えは一概には言えないのではないでしょうか

顧客の中には、伝統的で整った外見を重視する人もいれば、銀行員の専門知識や接客態度など、外見よりも他の要素を重要視する人もいるはずです。

特に最近は、外見よりもサービスの質や対応の速さ、専門性などのスキルを評価する傾向にあるように思います。

外見は堅実なイメージでも、実務能力が低いなら顧客からの信頼は得られないでしょう。

社会全体の価値観の変化、多様性や個性の表現は、日本の銀行業界においても規範を見直すきっかけを提供しているのではないでしょうか。

多様な背景を持つ顧客や、国際的な業務の拡大を考慮すると、銀行員が自己表現の自由を持つのは、組織の革新的なイメージや魅力を高める要因になるかもしれません。

現実には、多くの銀行が依然として伝統的なドレスコードを守っていますが、社会の動向や他業界での変化が銀行にも影響を与え始めているのは確かでしょう。

例えば、テクノロジー業界から銀行業に挑戦しているネットバンク系の従業員は伝統的なドレスコードに従う必要はありません。なぜなら顧客との対面がほぼ発生せず、ネットの世界で取引が完結する金融機関だからです。

今後、銀行業界がどのように進化していくかは未知数ですが、社会の変化に敏感な企業ほど、従業員の多様性と個性の表現を許容する方向に進むことが予想されます。

このバランスを取りつつ、伝統と革新の間でどのようなポジショニングを取るのか、各銀行にとって今後の大きな課題となるでしょう。

特に地方銀行は将来的には存続の危機にあります。髪型や装飾品の規制といった、つまらない理由で若い世代が入社を遠慮してしまうのは避けたいところです。

将来的には、外見で人を判断する社会ではなくなっていくと私は考えますので、銀行員も大いにファッションやヘアスタイルを楽しんで頂きたいと思っています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
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