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学校は何のためにあるのか?(1)

学校は何のためにあるのか?

「不登校」という現象を考えるときに、学校とは何なのか、学校は何のためにあるのかを、しっかりと考えておかなければなりません。

そこで、不登校を考えるためにも、もう一度、学校について、考えてみたいと思います。


さて、考えるときに、学校だけでのことではありません。

幼稚園・子ども園も同じです。

あまりに小さいお子さんの場合は違いますが、保育所も入るかもしれません。

そこも含めて小学校、中学校までは、何のためにあるのでしょう?

私は、園や学校は、子ども達が将来、働いていけるために必要なことを身につける場だと考えています。

私の周りで、いつもご指導いただいたり、一緒に活動させていただく先生方は、基本的には私と同じ考えです。


「今は無理しなくていいよ、できなくてもいいよ。」という言葉を、就学前の幼児さんや小学校の低学年の先生方からお聞きします。


ちょっと待って欲しいのです。


今、そのことを教えなくて、できるようにしなくて、いつできるようにするというのでしょうか?


ご相談に来られたお母様からお聞きしたのですが、こんなことおかしいですよね?とお聞きしたのですが、

「Aくんはどう言っていいかわからなかったんだよね。いいよ、いいよ。Bちゃんは、叩かれて辛かっただろうけど、Aくんはうまく言えなかっただけだから許してあげてね。」

と先生がおっしゃっているそうなのです。


これは、明らかにおかしいのです。

人を叩いて良いはずはないのです。

たとえ、それが、うまく表現できなかったとしてもです。

このAくんは、今後、叩いても許されると思うし、いつまでも、表現できなければ叩くことでしか伝えられません。

これは、見つけた時に、その場で教えていかないといけないのです。

これはBちゃんにとっても、「叩かれて辛い思いをするくらいなら、私も叩いてもいいやん!」という思いにさせることになるのです。

これは、どれだけ家で違うと教えても、子ども達の社会である園や学校で行われてしまうと、子ども達は、社会ではそれでいいという理解になるのです。


このことがどれだけ、子ども達の将来を暗いものにするか、少しはお考えいただきたいのです。

人を叩いて許されるはずもなく、中学生になれば、下手をすれば、叩けば倍にして返されることだってあり得るのです。

そうすれば、また、やり返すことになり、今のご時世であれば、命を落とすこともあり得るのです。

当然、周りの子ども達はAくんとは距離を置くことになり、もっと友達と喋りたいのに、うまく表現できないので、また、叩くということになれば、完全に孤立することにもなるのです。


そんなことは、園や学校で教えていれば、当たり前の如くわかるだろうと思うのですが、先生方は「いいよ、いいよ」でその場を済ませてしまうのです。

私は、思春期になってから子ども達と出会うことが多いので、誰からも教えてもらえず、わかってもらえず、どうしようもない状態で学校に行けなくなって、出会うのです。


いつもその時に、何でこの状態のままここまで来てしまってるのだろうと、本当に気の毒になるのです。

もちろん、ご家族がもっとしっかりと教えてこないといけないことは、当然あります。

ご家族の責任は大きいのです。

ところが、家の中では、子どもも安心していることもあるのと、家の中の会話というのは、実は、それほどお互いに困ることもなく、特別な言葉のやりとりもありません。

考えてみてください。

いつも、あまり変わらない会話をしていると思いませんか?

その意思疎通ができていれば、実は家の中では、あまり問題が起こらないのです。

だから、ご家族には見えないことが意外とあるのです。


しかし、です。

子ども達の社会である園や学校では、将来のために、今、教えないといけないことは、どうやっても教えないといけないのです。

ダメなものは、何を言ってもダメなのです。

この、「ダメなことを、ダメだ!」としっかりと教えないことが、子ども達の将来を暗いものにすることを、園や学校の先生方にはご理解いただきたいと思うのです。


それには、園や学校は子ども達が将来、働いていけるために必要なことを身につける場所なのだということを、もう一度、確認して子ども達と接して欲しいと願わずにはいられないのです。

それと、ご家族が学校や園の先生方と、同じ価値観を共有できないと難しいのです。

どれだけ、先生方が「ダメなものはダメ」と教えようとしても、そのことに対して、ご家族からクレームが入ることが、今の学校は本当に多いのです。

だからこそ、ご家族の責任は非常に大きいと言わらざるを得ないのです。

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