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不登校と中学受験(34)

有名国私立中学校で不登校になる子どものお母様2


有名国私立中学校で合格・進学後に動けなくなり、不登校になっている子ども達が、一体何に困り、悩み、苦しんだかということがお母様にわからないはずはないと、前回、お話しさせていただきました。


ところが、実際は、わからないのです。

特に、有名国私立中学を不登校になった子どものお母様方がわからないでいるのです。

お子さんが何に困り悩み苦しんだかがわからないお母様は、公立中学で不登校になるお母様に比べて、よりはっきり多いと私は思っています。


これはあくまで私の感覚であり、統計をとったことも、データ分析したこともありません。

ただ、有名国私立中学で不登校になっているお子さんのお母様で、お子さんが何に悩んでいたのかが少しは感じ取れた、わかったお母様の方が圧倒的に少ないと思っているからなのです。


これは、お子さんをよく見ていない、お子さんの話をあまり聞いていないことが多いからなのです。

そのことは、前回もお話ししました。

前回、お母様がわからなかったのはなぜか、とお聞きしておいたのは、見ていない、聞いていないからではありません。


見ていない、聞いていないことはないのです。

お子さんの言葉は必ず聞いているのですし、お子さんの顔色は見ているのです。


ところが、見ても聞いてもわかってはいらっしゃらないのです。

これは、なぜか?と前回の最後にお聞きしたのです。



お母様がわからなかった、気づかなかったのはなぜだと思われますか。



ある意味、わからないから、お子さんを中学受験で合格させるまで導けたことも間違いないのです。

わかってしまったら、これはできないのです。


この有名国私立中学で不登校になる子どものお母様方には、はっきりと共通点があると私は思っています。


それは何かというと、お母様の思いが強く、それに執着もされていると言ってもいいくらいである、ということなのです。

そういうと、「いやいや、そんなことは絶対にありません」とこれまでも何度も言われました。


お読みいただいて、自分はそんなことはない!と思われたお母様は、ぜひお考えください。


今、難関有名国私立中学にお子さんが通っているとします。

その時、突然、意を決したように思い詰めた表情で、お子さんから「学校を辞めたい」と言われたらどうしますか?


学校を辞めて、男の子なら「YouTuberのゆたぽんと同じように全国を回ってみたい」、女の子なら「美容師になるための学校に行くために公立中学校に戻る」などと言われたら、どうされますか?


しかも、もう中学校には勝手に辞めると言ってきていて、中学校の担任からもいきなり電話もかかってきたとしたら、どうされますか?


驚くと共に、ものすごく動揺しませんか?

ちょっと待って、何がどうなっているの?どうしてそんなことを言い出すの?と思いませんか?

何勝手にそんなことしているの!と怒り出すお母様もいらっしゃると思います。

実際に、そんなことが起これば、怒りが湧いてくると思いませんか?

そう思った時点で、かなり思い込みが強く、こうあって欲しいが強いのです。

また、今の学校への執着もかなりあると思うのです。

なぜなら、それがベストだ、良いことなのだ、というお母様の思いが強いからです。



それが良い、悪いと言っているのではありません。

そこには、お母様の思いしかない!、と言っているのです。


なぜ、お子さんがそう言い出したのか、お子さんなりの理由があったとしても、それを聞けないのです。

せいぜい、中学校卒業するまでは我慢したら?とその場を回避することが精一杯だと思います。



これは、実際に、何度も何度もあったことなのです。

実話であり、子ども達が私とお母様の目の前で訴えてきたことなのです。


ある男の子はYoutubarになりたいと言って、中2の春から引きこもってしまいました。

私と出会ったのは、ひきこもってから3年経ってからです。



女の子は実際に美容師になりたいと言って中学校をやめました。

美容師になるんだと、お母様とトコトンもめて、お父様が手を上げるまでになってしまいました。

お父様が手をあげてしまった結果、よけいに頑として中学校に行かなかったのです。

ご両親とは、一切、口も聞かないし、家を出ていけとまで言われて、本当に家出をしたこともあるのです。

中学受験直前は1日に8時間も9時間も勉強して、同級生がうらやむ学力で勝ち取った合格を、たった半年で捨てたのです。



この二人はYoutubarにもならず、美容師にもなりませんでした。

どちらも有名国立大学へ進学していきましたが、かなりの紆余曲折はあったのです。



私は、中学受験においては、お母様が自分の思いがどれほど強いか、ということをいつも意識をしておいて欲しいのです。

執着を捨て、こだわりを捨て、お子さんに本当に必要なことは何か、お子さんの今の状態はどうなのか、ということに意識を向けていて欲しいのです。


お子さんが言っている言葉ではなく、その奥にはどんな思いがあるのか、聞きながら表情を見て、見ながら言葉の調子、話し方などをよく聞いてあげて欲しいのです。

そのことだけで、子ども達は辛い状況を乗り越えようとしていくのです。

有名国私立中学に合格できるだけのメンタルの強さは持っているのです。

Youtuberになりたいと言った男の子も、美容師になりたいと言った女の子も「お母さんは私の思いなんて、何もわかってくれない。子どもの気持ちなんてどうでもいいでしょ!」と強い口調でお母様に訴えていました。

お母様は聞いているつもりでも、子どもは聞いてもらえない、わかってもらえないと思っていることが多々あるのです。


お母様が、お子さんの、「言葉」ではなく「思い」を聞いてあげていただくだけで、子ども達はがんばれるのです。


そのことを、忘れないであげて欲しいと思います。

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