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不登校は問題なのか(17)

周りの子どもは行っているのに…

子どもが学校に行けなくなったときに、ここ数回は、お母様が不安になることをテーマに書かせていただいています。

子どもが不登校になったときに、お母様がすごく不安になることは、すごくよくわかります。

どうしてなのかということも、お分かりいただいていると思います。

この中で、「周りと比べる」ということを少し考えてみて欲しいのです。

子どもが学校に行けなくなったときに、「他の子どもはみんな行ってるのに、どうして我が子は行けないのか…」と思うことがあると思います。

多くのお母様はそう思われると思うのです。

これは、不登校やひきこもりの若者が多い国ではあることだと思いますが、特に日本はここは大きな問題だと、私は感じています。

金子みすゞさんの「みんなちがって、みんないい」という有名な言葉があります。

でも、欧米なら、これは当たり前のことなのです。

同じことがおかしいし、自分の意見や考え、思いはないのか?となるのです。

台湾系のカナダ人の方や、イギリスの方とお話していて、日本人はどうしてレストランで同じものばかりを頼むのか?と聞かれたことがあります。

イギリスの方が頼んだ時に、一緒にいた日本の方2人が「私も同じもので」と言うのを聞いて、「本当にそれを食べたいのか?」と疑問に思ったとおっしゃって、カナダの方も、それをすごく不思議に思うけどなぜかとお聞きになられました。

海外の方とご一緒したときに、こういうことを聞かれた方もいらっしゃるかもしれません。

「同じでなくて良い」ということは、今の学校現場でも、とても大切なことなので、「個別最適な学び」ということが学習指導要領にも明確に書かれています。

ところが、学校現場では、例えば小学校で「私はこう思います」と発表したときに、もしそれが間違っていた場合に発表した子ども以外全員で「それはちがいます!」と言わせる先生がいらっしゃると、先日もネットで話題になっていました。

学校現場は、間違えたり、人と違うことをして、学び成長するところだと私は思っています。

その場で、間違えたことを全員で指摘されることは、もう耐えがたい苦痛だと思うのです。

こうやって、子ども達が、周りの人と同じこと、同じ正解をするように、周りの人の顔色を見て過ごさないといけない学校なら、行きたくないと思って当たり前です。

そんなにも、辛い場所に行きたくないはずです。

でも、子ども達がそうしているということは、学校の先生の指導の問題ももちろんありますが、子ども達がそういう価値観になっているからです。

それは、ご家族がそういう価値観でいるからに他なりません。

これは、一つの例でしかありません。

過熱する中学受験も似たようなところがあると感じています。

「子ども」が「周りと同じである」という価値観が、「大人」の安心感につながっている。

これが、不登校の引き金になっていて、それは違うんだと子ども達が体を張って、主張していることが「不登校」という一つの現象だと考えています。

だからこそ、「不登校は問題なのか?」と問うています。

今、不登校の子ども達が30万人近い数にまで増えています。

子どもからしたら、不登校になることは当たり前なので問題ではありません。

子どもが体を張って訴えている「不登校という現象」は、大人の問題なのだと私は子ども達と接してきて、強く思うのです。

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