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村上春樹の小説 翻訳(出版)権が超高額で落札

日本を代表する小説家の一人である村上春樹。
彼の新作である「街とその不確かな壁」の中国語版が出版されることになり、「読客文化」という出版社が超高額で手に入れた、というニュースがあった。
金額は明らかにされていないものの、「騎士団長殺し」の翻訳(出版)権が2.4億円(日本円)と噂されている様なので、おそらくはそれ以上となる金額が予想される。

ちなみに、現在中国で働いているのでもちろん資料の中国語を日本語に、という作業をしたことがある。
「いやいや、Chat GPTとか、翻訳ツールあるんだからそんなの簡単でしょ」
という印象があるのかもしれないが、実際にはかなり難しい。
上記の様なツールを利用し理解することと、翻訳作業というのは全く異なる作業なのである。

確かに、概ねの意味を自身で理解する場合には各種ツールを使用すれば全く問題はない。ただし、外国語はもちろん使われている単語や文法、表現、比喩は全く違うものなので、実際に翻訳を経験したことのある方なら分かると思うがしっかりとした日本的な表現や言い回しに変換しようとするとかなり大変な作業なのだ。

この作業、初めはなかなか興味深く面白いのだが、何時間かやっていると本当に耐えられなくなる。。。。というかものすごい頭を悩ます、根気が必要な作業なのである。本当に翻訳家ってすごい仕事だな、ということを感じた。

また翻訳する人によっても文章は当たり前に変わる。
それは翻訳者の知識や理解、ボキャブラリーが多分に影響する作業であることを示している。その為、特に専門書などはその領域を理解していなければ当然できるわけもなく、上辺のみの理解では全く足りないのである。

筆者も「街とその不確かな壁」は読んだが、日本人でも難解な表現や比喩が多く使用されている。まさに「村上春樹ワールド」といった印象であり、筆者も全て理解できたとも思えないw

村上春樹の「街とその不確かな壁」の翻訳は、そもそも小説家レベルの文章力はもとより、村上春樹よりも更に村上春樹の思考を理解していないとできない仕事なのでは・・・なんて思ってしまう。直訳なんてした時には正に意味不明な文章となるであろう。
翻訳を始める際にどの様に内容の理解を深めていくのだろうか。そのステップは非常に興味深い。

「街とその不確かな壁」の翻訳は、翻訳家としては人生の中でもかなりのビックビジネスだろう。一体どの程度の時間をかけて翻訳するのかも全然イメージできない。

これは是非、中国語版を読んでみてあの難解な表現をどの様に翻訳するかに注目したいと思う!


ライター:Taro Nozawa
お問い合わせ:nozawa@kembo-net.com
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