見出し画像

会社員だった経験が、個人での仕事に活きている。【おくちはるさんと対談②】

褻mono店主が気になる方々にお話を伺う「店主対談」。
第3弾はフリーランスでイラスト・デザイン制作を行う
「おくちはる」さんがゲストです。

おくちはるさんプロフィール

京都市立芸術大学卒業後、食品メーカーデザイン部に就職。2017年にフリーランスとして活動を開始。個人での創作活動のほか、依頼を受けてのイラスト・デザイン制作を行っており、幅広い媒体で活躍されています。デジタルから水彩絵の具などを使ったアナログな方法を織り交ぜ描かれるイラストは、どれも心がほっこりとするような温かみに満ちています。

①絵で喜んでもらえるって嬉しい!が原体験。
②会社員だった経験が、個人での仕事に活きている。←イマココ!
③これからも、仕事と創作をいいバランスで。

---------------------------

褻monoとの出会いと、お仕事のハナシ

褻mono店主(以下、褻mono):今、手元に褻monoとちはるさんのお仕事の遍歴をまとめたものを用意しているんですけど。 
2019年の6月にバナーイラストの初回をお願いさせて頂いたみたいです。

「お店の顔となるイラストを制作し、定期的に更新したい」と依頼をさせて頂き、
完成したけものイラスト第1弾。
「ゆっくり、いっぷく。」

 おくちはるさん:わぁ…そんな前でしたっけ? 

褻mono:そうなんですよ!私も驚いたんですけど、もう3年ぐらい経っているという。

おくちはるさん:えー! 

褻mono:おかげさまで、本当に…(笑) 。

おくちはるさん:本当にその節はありがとうございました(笑)。今もなんですけど。
あの頃はまだinstagramやホームページからお仕事を受け始めたばかりだったので、褻monoさんからご依頼を頂いた時、嬉しさと緊張がすごかったのを覚えてます。

褻mono:あ!そうだったんですね、まだ始められたばっかり…

おくちはるさん:まだ知り合いづてにお仕事をもらって始め出したぐらいの頃だったので。全く知らない方からお声がけ頂くことがまだまだ初めての段階で…。

褻mono:じゃあ相当運がよかったんですね、私…! 

おくちはるさん:いやぁ、こちらこそです。本当にありがとうございます…!

褻mono:そっか、それは知らなかったな。
あのー、本人がいる前で非常に答えづらいと思うんですけど…褻monoとのお仕事はどうですか?ちはるさん的にやりづらさはないですか? 

おくちはるさん:いえいえ!いつもありがたいと思ってます。私としても楽しませて頂いている部分もありますし。 

褻mono:あぁ、それは嬉しい…! 

おくちはるさん:あとは褻monoさんのスタンス自体に素敵だなと思うところが多くて。同年代の作家さんを応援したいとか、手づくりのうつわ達に愛情を持っているその姿勢だったりとか、あと鈴木さん(褻mono店主)のお人柄、ぜんぶが私とてもファンなので。イラストで関わらせて頂けること、すごくありがたいなっていつも思ってます。 

褻mono:恐縮です…!ありがとうございます…!
私の方はと言うと、褻monoを始める時にショップサイトの一番目立つ部分をイラストにしたいという構想があって、イラストレーターさんを探していたんですけど。中々思い描いているタッチの方に巡り合えない中で、ちはるさんのイラストを拝見して「あ、この人だ!」って。 

おくちはるさん:光栄です…!

ちはるさんが描かれていたお茶碗とたまごかけごはんのイラストを拝見し、
「この方ならうつわを素敵に描いて頂けそう…!」と思ったのでした。
動物が描かれていたイラストが多かった(しかもどれも可愛い)のも、
「褻mono=けもの」で動物を登場させたいと思っていた私にとってすごく大きな点でした。

褻mono:ホームページを拝見したら、おそらく同い年だということもわかって、こんなことあるんだって(笑)。もうお願いするしかないなと。 

おくちはるさん:それもすごいですよね(笑)。
イラストってその方の大切なお店や商品のイメージに大きくかかわるもので、それを沢山のイラストレーターさんの中から声をかけて頂くわけですから、「この人に依頼してよかった」と少しでも感じてもらいたい!といつも思っていて。なのでそう仰って頂けるのが本当に嬉しいです。 

褻mono:うちのお店としても本当にありがたい話です。 

おくちはるさん:イラストをご提出する中で、褻monoさんとしてこうだったらいいのになと思うこととか、お客様からの声とかってあったりするんでしょうか…? 

褻mono:そうですね…。お店として「もうちょっとこうしてほしい」みたいな不満は一切なくて。
ただ依頼する側としていつも迷ってしまうところは、ちはるさんが初稿で出してきたものが、イラスト的に一番いいかたちだと思うんですよね。
そこからお店側の都合として「もう少しこうしてください」とどこまで口出しするか、というラインがいつも悩んじゃう部分なんです。 

おくちはるさん:なんと…!いつも修正のご指示があっても「うつわのサイズがこうで~」とか「うつわの質感がこうで~」ぐらいであまり大きなところを仰って頂くことがないなと思っていたんですけど。そういうご意図だったんですね。

褻mono:無駄な指示でダメにしたくないというところはあります。うつわの大きさとかも、ちはるさんは全体のバランスを見て調節してくれているのがわかるので。それをこっちの勝手で言っちゃうと、イラストのバランスに不都合が生じちゃうのかなって気持ちがあって。
などと言いつつ修正を多めにして頂くこともあるので、そんな時は本当に申し訳ないなと…。 

バナーイラスト最新作の「緑生い茂り、食美味しけり」。
カラー制作の際に「もう少しうつわの柄を際立たせてほしい」という注文をさせて頂き
完成しました。いつもリクエストに的確に応えてくれるちはるさんの凄さ…!

おくちはるさん:いや、もう全然です。褻monoさんはうつわの作家さんの作品もお預かりされた上で私にお声がけ頂いているので。なので質感とか色感とかバシバシ言って頂いて。私の方で合うように調整しますので、ご遠慮なくお願いします。

褻mono:ありがとうございます(笑)。
先程ちはるさんも仰ってくださいましたが、ちはるさんが面白いと思ってもらえる仕事をやっぱりこちらからもお願いしたいし、バナーイラストに関して言うと作家さんにも喜んでもらいたい気持ちがあって。
イラストができると作家さんからも「わぁ、かわいい」って言って頂けることが多くて。

おくちはるさん:わぁ、嬉しい…! 

褻mono:段ボールのシールや同梱用パンフレットなんかも、お買い上げ頂いたうつわと一緒にSNSにあげてくださるお客様もいたりして。
お店に対していいイメージを持って頂ける役割という部分ですごく助かってます、本当に。 

おくちはるさん:いつも褻monoさんの中で世界観がしっかりした状態で制作のご依頼を頂くので、発想のきっかけとしてすごくやりやすくて。「こういうのをきっと表現されたいんだろうな」とイラストの構成やキャラクターの表情を育てられる感じがしています。

褻mono:いやぁ、いつも思っている以上のものが返ってくるので(笑)。

おくちはるさん:嬉しいです(笑) 。

会社員だった経験が、個人での仕事に活きている

褻mono:以前、褻monoのnoteでちはるさんとのお仕事についての記事を書かせて頂いたんですけど。 

おくちはるさん:はい、めちゃくちゃ恐縮でした(笑)。

※そのときの記事はこちら
   ↓  ↓  ↓

褻mono:そこでも少し触れたことなんですけど。一番最初にちはるさんにお仕事をお願いした時に、ちはるさんが早い段階で返事をくださって、いつまでのスケジュールで、ラフを出して、カラーを出して、というスケジュールをレスポンスよく、かつ丁寧に送ってくれたのが私としては割と衝撃的だったんですよね。 

おくちはるさん:そうなんですね…!

褻mono:「個人でイラストレーターとして活動されている方とお仕事をする場合って、どんな進め方になるんだろう」と私もドキドキしながらお願いする中で、道筋をしっかり提示して頂けたので「あ、この人信頼できる人だ」と思えたことが、今後もお願いさせて頂きたいなと思ったきっかけなんです。 

おくちはるさん:ありがとうございます…!
たぶんそれは会社で私が依頼をする側だった経験が大きいと思います。会社側としてどういう進め方をするとか、デザインやイラストに何を求めてどんな風に依頼するかとか、たくさん学ばせてもらったんです。
なので逆に依頼を頂く側になった今でも、依頼する側だった自分が頭の中にいて。当時の自分が助かるにはどういうお返事をしたらいいだろうと考えると…そんな感じだったんです。

褻mono:あぁ、なるほど…!私も元は広告会社で勤務していたので、そういう社会の中でもメールの返信がきめ細やかじゃない方もいらっしゃるというか…。

おくちはるさん:なるほど…。 

褻mono:そんなイメージもある中で、初めての依頼の後にちはるさんのプロフィールで、食品メーカーに勤めていたことを拝見して、そこの経験が活きてらっしゃるのかなって勝手に思ってたんです。 なので今のお話を聞いてさらに納得できました。

おくちはるさん:もう仰る通りです。依頼する側だった経験が本当にありがたく活きていますね、自分の中で。

褻mono:イラストの良し悪しはもちろんだと思うんですけど、うちのお店みたいに「どんな方なんだろう」とか「どんな風にお願いしたらいいんだろう」って思っている方にとっては、すごく助かることだと思うんですよね。そういう細かい部分というか。 

おくちはるさん:確かにわからないですよね。個人でやってらっしゃる作家さんってそれぞれにきっとやり方があるので余計依頼する側は不安に思われるかも…。 

褻mono:なのでそこはとても助かったなぁという部分でした。 

おくちはるさん:これからもわかりやすいご返信を心がけること、大事にします(笑)。

おくちはるさんのイラストが生み出されるまで

褻mono:実はこれだけお仕事を依頼していて、ちはるさんがどんな風にイラストを制作しているのかって意外と知らないんですけど。
水彩絵の具や色鉛筆で描いたものを、パソコンで取り込むという方法なんですよね?

 おくちはるさん:そうです。元々ペン画もしていて、それは今唯一褻monoさんのときだけ使ってるって形なんですけど。 

褻mono:あ、そうなんですね。 

おくちはるさん:つけペンで線を描いて、それとは別でカラーを水彩で塗って、パソコンの画面上で合体させて調整して、みたいにして制作しています。

褻mono:私いつも、水彩の絵の具のタッチというか、ぼやけたりする感じがすごくいいなと思っているんですけど。 

水彩独特の滲み感のある風合い、ちはるさんのイラストの魅力のひとつです。

おくちはるさん:わぁ、よかったです! 

褻mono:絵の具を使わない場合もあったりするんですか?ご依頼の内容によってはパソコン上のみで描く場合もある? 

おくちはるさん:ありますあります。「こういうテイストで描いてほしい」みたいなご依頼を頂く時は、それに合わせてパソコンソフトだけで描いたりとか、パソコン上のみで仕上げることはよくあります。 

褻mono:なんかそれも…両刀使いできる人ってそんなにいますか…?

おくちはるさん:え、どうなんだろう…!?
今だとiPadとか、デジタルでのイラスト技術が沢山技術が発展していて、私には使えない技術を使ってらっしゃるイラストレーターさんが沢山いらっしゃるんですけど。
アナログは減ってきてるのかなぁ。他の会社の方から「水彩の方珍しいですね」と言われたことはありますが…。 

褻mono:そういった部分にもちはるさんの凄さを勝手に感じてしまいます…!
初めてちはるさんのイラストを拝見したときに、子供の頃に水彩絵の具を使って絵を描いていた懐かしい感じとか、温かみを感じる素敵なイラストだなって思ったんです。 

おくちはるさん:わぁ!嬉しいです、ありがとうございます。
水彩のにじみ感って、iPadやパソコンソフトではうまく出せなくて私には。なのでこれからもアナログな水彩も使っていきたいと思っています。

褻mono:水彩の場合は普通の紙に描いて、パソコンに取り込むんですか? 

おくちはるさん:そうですそうです、えっと…(スケッチブックを取り出す)こういうスケッチブックに描いて、汚くて恐縮ですけど水彩パレットがこんな感じで…(水彩パレットを取り出す) 

褻mono:えー!すごい! 

おくちはるさん:それで、筆を使って描いて、スキャナーで取り込んでっていう風にやってます。 

褻mono:すごいですね…!

おくちはるさん:めちゃくちゃ汚いパレットを…(笑) 。

褻mono:いやいやいや。貴重なところを見せて頂きました(笑)。

ちはるさんが使用している、スケッチブック・水彩パレット・つけペン。
ちはるさんは恐縮されていたけど、仕事道具って感じがしてカッコいい…!
と店主は思うのでした。

---------------------------

パート②はここまで!
パート③では、ちはるさんの今後の展望などについてお聞きします!
↓ ↓ ↓


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?