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少年時代 (映画055)

「少年時代」

「少年時代」は1990年に公開された篠田正浩監督作品です。終戦間際、疎開先での少年たちの権力争いと友情の物語、特に権力争いは緊張感がありました。リーダーの経済的に恵まれない少年は病気で休んでいたお金持ちの少年の策略から権力を失いますが、先ず、教室の机で四方八方を塞いで身動きをとらせない状態にしてからの暴力には唖然、お金持ちの少年は手を加えず子分的な立ち位置の少年らにやらせるあたりは殴られる少年に屈辱も与えるそれでした。自分が病弱ということ、そのハンデさえ武器にしてしまうお金持ちの少年は並外れな頭の良さを表していてインパクトがあります。密かにリーダーの座を狙っている体格の良い少年はそのお金持ちの少年に反感を買い、やはり、子分的な立ち位置の少年らに身動きをとらせない状態で泣きながら殴られていて残酷、これもまた、お金持ちの少年の策略と指示の元、行われたものです。合わせて子分的な立ち位置の少年たちは嬉しそうに殴り、一方、他の同じような立場の少年たちでもおびえる様子も描写されていて怖かったです。友情の物語で井上陽水の主題歌も印象的、反戦のメッセージもありますが戦争の恐ろしさとは異なった怖さとトラウマを与えた映画でした。

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