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ラストソング (映画029)

「ラストソング」

「ラストソング」は1994年に公開された杉田成道監督作品、本木雅弘、吉岡秀隆、安田成美らが出演したロックにまつわる青春映画です。時代背景はCDではなくてレコードの時代、おそらく1980年代、物語の冒頭での安田成美が演じる倫子のプロローグが印象的です。また、尾崎豊と親交のあった吉岡秀隆と尾崎豊の死が重要な事柄になっている作品、ただ、物語は無関係、でも、先の事柄がどうしても頭に浮かび感動を呼び寄せる見事なキャスティングと演出でもありました。ロック・バンドやミュージシャンの成功の裏には仲間を切ることや挫折があることは知っていましたが、最終的には本木雅弘が演じる修吉も切られるという展開は皮肉でもありますが残酷でもありました。タイトルでもある劇中歌は吉岡秀隆が演じる一矢の立場から修吉に向けられた曲ですが、尾崎豊に向けられた歌詞のようにも聴こえます。また、歌声も尾崎豊に瓜二つ、作詞作曲は吉岡秀隆本人、ギターは未経験、役の為に覚え、結果、曲まで作ったというのは感心させられますが、事柄の全てがドラマチック、そして、倫子のプロローグは「まだ、アナログ・レコードに針が落ちていた頃、青春も音楽も、あの塩化ビニールのドーナツ盤のように傷つきやすかった頃の物語だ」でありました。

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