味噌の素人の発見


味噌は米味噌、麦味噌、豆味噌があること、赤だし味噌汁があること位しか知らなかった。最近それを再認識するエピソード(下注参照)があったので、味噌の素人として発見したことを主に書く。尚、味噌は和食の主役の一つで詳しい方も多く「釈迦に説法」である処もあるだろう。


 

味噌は材料による分類の他にも色や味(甘辛)、地域などによる分類もあるが、冒頭に書いたよう材料による分類が最も一般的。

○米味噌・・大豆+米=米麹を使う

○麦味噌・・大豆+麦=麦麹を使う(麦は大麦が普通)

○豆味噌・・大豆のみで作る(八丁味噌が代表?)

発見したのは以下の3つ。

 

1.麹歩合があること。但し日本酒とは異なる

豆麹は大豆のみで作るため麹歩合という言い方はしないようで、米味噌、麦味噌で使うようだ。ここでは米味噌を対象として記述する。

麹歩合=米麹造りに使用する米の重量÷大豆の重量×10

である。

米:大豆=1:1なら麹歩合は10、米:大豆=2:1なら麹歩合は20となる。5(0.5×10)~20(2×10)が大凡の目処。

一方、日本酒は麹歩合=麹に使用する白米(麹米)重量÷全白米重量(%)


であり、15%~20%が普通である。従って味噌の麹歩合は日本酒の10倍程度となる。


この麹が甘辛を決める要因となる。通常、麹歩合が低いと辛くなり高いと甘くなる。普通の辛い味噌の麹歩合は5程度(米:大豆=1:2)であるのに対し、京都で有名な白味噌は麹歩合が20(米:大豆=2:1)なので色が白く甘くなるそうだ。

 

2.江戸・東京は元々甘い味噌だった

「江戸甘味噌」という言葉があり、江戸時代の江戸は勿論、明治になってからも東京の味噌は甘味噌が主流であった(但し、白味噌のような白さはなかったと思われる)。つまり、麹歩合が高い=米の量が多いということ。甘味噌は長期保存に向かないので江戸市中、東京市中で造っていた模様。これが辛口になった要因は主に二つである。


(1)関東大震災で味噌蔵或いは味噌業界が打撃を受けた際、辛口の信州味噌が進出した

(2)第二次大戦中、貴重な米を味噌造りに使うことを抑制された(米の使用割合が減った)

 

3.結局赤味噌は色で判断するしかない

 

さて、私は九州出身なので麦味噌の味噌汁で育った。今でも九州でそれを食べると落ち着く。顔馴染みの理学療法士の方(整形外科所属)が「大学の合宿研修が大分県であった際に麦味噌に嵌まり愛用している」という話を聞いて嬉しくなった。念の為にいうと、麦味噌=甘いと思われている向きもあるようだが、これは正しくない。麦麹歩合、塩の割合により異なる。

 

 

注:エピソードとは

銀座の長野県アンテナショップに居たら、流暢な英語を話す中国系の方(多分香港の方。日本語はNG)から「自分は赤味噌のスープが大好き。この店に赤味噌は売ってあるか?」と聞かれた。その時は何故か八丁味噌をイメージして「赤味噌は愛知が有名である。この店は長野の店なので、ないかも知れない」と伝えお店の顔見知りのスタッフにつないだ。その方も赤味噌とは何か定かではなく、同じようなことを話していた。客が帰って、二人で「赤味噌って何でしょうね」で終わり、その時は特に調べなかった。尚、スタッフの方はワインソムリエで本来の販売スタッフではない。

 

以下は参考情報

https://www.hikarimiso.co.jp/enjoy-miso/encyclopedia/type.html

https://www.marukome.co.jp/miso/


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