中小企業が技術の希少性を磨いて、売らない自由を発揮できたのなら
日銀のマイナス金利解除の報道が流れている。
やっと金利がある時代に戻ったように感じているが、実質ゼロ金利の状態。
まだまだ円の強さは発揮されることなく、しばらくはそのままであるように感じる。
もし利上げが進むことが合ったら、資金繰りで借りているものが多い中小企業はかなり苦しくなってしまう可能性がある。
さらに賃上げにも対応するということについても、色々と取りざたされている。
大企業の下請けとなっている中小企業ついては、恩恵が回ってくることなくさらに価格を下げるように要求されるところもあるかもしれない。
そこから脱出するために必要なことは何か。
それは技術の希少性を磨いて、製品を安く売らないこと。
世の中の多くの製品は、多くの部品で成り立っている。
車やスマホ・パソコン、産業用機械や船や飛行機。
パソコンの中身を空けてみると、ぎっしりと部品が詰まっている。
車一つ作るために、何万もの部品が必要。
トラックやさらに大きな航空機に関しては、さらに言うまでもない。
このような製品のコアとなる部品、それがもしなかったらどうなるのか。
ひとつがないだけで、一つがうまく機能しないだけで、その製品は機能不全に陥る。
車でのエンジンや半導体、タイヤなどがキーとなるパーツになる。
それらが存在しなかったり、安定供給されなくなった瞬間にどうなるのか。
スマホは少し大きめの文鎮になる。
車は完成することなく、多くの空間を占拠する鉄の塊になる。
飛行機は空を飛ばない棺桶になる。
このように、カギとなる部品、特にその中でもまねされないような部品の技術をもっていることは、完成品の生殺与奪を自由にコントロール出来る。
ほんのちょっとした部品かもしれないが、誰も真似できない重要な製品を握っていたらどうなのか。
ほんの小さな部品一つが、製品の全てを握る状態。
ある意味完成品メーカーを牛耳ることが出来てしまうのかもしれない。
部品が全体をコントロールする。
半導体については、もしかしたらその位置付けというものがある。
ただエヌビディアやTSMC、日本でも東京エレクトロンやアドバンテストなどの大企業、競合メーカーが存在することによって、1社で独占ということはありえない。
ただ半導体の中でも、より高度な技術を持ったメーカーが名もない中小企業だったら、どうだろうか。
そしてその技術がどこにも奪われる可能性が0である場合はどうなのか。
もしかしたらその名もないメーカーが全てを握ることになるかもしれない。
技術で抜きんでいること、希少性のある技術を持っていることは、とても強いこと。
誰にもまねされない究極の技術を持つこと。
理想は特許で公開することなく、マネすることがそもそも不可能なもの。
それによってコントロールされる側からコントロールする側に回る。
価格交渉で足元を見られることなく、安く売らない自由を発揮できる状態。
そして強く交渉することが出来るようになる。
さらに株も外に出さないことで大企業に買収されることなく、どのようなコントロール下にも置かれない状態。
もしかしたら様々な邪魔が入る可能性があるが、それにも負けない圧倒的なソフトパワーを持つこと。
その状態を目指して、多くの中小企業の方々が日々多くの努力を積み重ねているに違いない。
下町ロケットで出てくる佃製作所のような、珠玉の技術力をもつ中小企業は認識されていないだけで沢山ある。
そのような企業が交渉力をフルに発揮して、大企業とも真の意味で対等になるような状態であれば、日本経済そのものももう一段階上を目指せるに違いないと信じている。
ありがとうございました。
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