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決算書から視る、事業のデザイン

今回は事業のデザインについて考えてみます。企業がどのように収益化しているのか。現金や資産の流れを視覚情報として捉えます。




1. ビジネスパーソンとしての視野

デザインリーダーやデザイン経営についての話をよく記事で見かけます。しかし、私の視点はそのような高尚なものではありません。

1人のビジネスパーソンとしてあらゆる物事を「知りたい」「理解したい」という気持ちがあります。ただその一環としてこのテーマに触れているにすぎません。

現在マネーフォワードMEというアプリにて、自身の家計簿を可視化しています。毎月の収支・投資額・資産・現金を把握します。それらを把握していなければ、現在どの程度の支出が許容可能なのかが分かりません。

企業の場合も同様で、それら全体像の把握が前提になければ、デザイン投資等に関する対話が成立しないでしょう。


2. 事業の強みを「視る」

『決算書の読み方』より

もう一つの視点は「事業の強み」を理解することです。私が入社した2ヶ月後に183億円資金調達のプレスリリースを出しました。こちらの記事で分析されていますが、B/Sから強みの一部が把握できます。

弊社決算書はお見せ出来ませんが、財務の方にご協力頂き各種項目の割合を把握しています。弊社独自の競争優位性を確認できます。

項目を可視化し事業を相対的に視覚情報として「視る」ことを目指します。デザイナーという職能上、オブジェクトとして情報を知覚することを好み、且つそのように促す傾向があります。グラフで視る、ということです。

数字から情報を見る。「この項目数字がなぜ大きいのか or 小さいのか」という疑問を持つ。問いをきっかけに、企業の現状が見えてきます。


3. 利益増収とコスト削減

デザインの仕事においてROIをどのように見積もるのか?

次に、プロフィットツリーで利益に焦点を当てます。利益増収とコスト削減。やるべきことはこの2つです。

利益増収

●顧客を増やす(リード獲得、紹介等)
デジマ/フィールド各種施策、LP改善でCVR向上
●顧客価値の向上(稼働率、リピート率等)
LTV最大化施策、体験の循環と仕組み作り

コスト削減

●固定費の削減(家賃、光熱費等)
●変動費の削減(マーケティング費、サーバ代等)
マーケティング・デザイン制作費のコスト削減


デザイナーの「価値」とは何でしょうか。この問いと日々向き合っています。コスト削減は可能です。内製にて高品質デザインを生み出すことは数百万のコスト削減に繋がることもある。しかし、それをアピールすることが我々の価値なのでしょうか。

私は「利益増収」に向き合いたいと考えています。 マーケターやエディター等、複数の職種の方々と協業するため、デザイン単体の価値を数字で示すことは難易度が高い。しかし考え続けます。

そのためには他部署との連携が必要不可欠です。そして、各プロジェクトで掲げる数値目標とデザインのパフォーマンス指標を統合的に追いかけることを「前提とした」行動変容を続けていきたいと思います。


まとめ

自社の決算書を見ること。そして、他社の決算書も確認・比較しながら異なる形態のビジネスモデルを見ていきたいです。

ツーサイドプラットフォームである場合、プラットフォームに存在するワーカーと企業の増幅が必要です。その上で、稼働率を上げる。アプリをDLして頂く、導入して頂く。そして「使って頂くこと」が何より重要です。

そのための施策を他部署と共に伴走しながら遂行し、クリエイティブの力で良い「印象」と「信頼」を築き備えていきます。

「適切に伝える」ということは、人と人との信頼関係を築く上で最も重要です。一歩でも間違えば修復不可能に。良い信頼を築き備えるには、丁寧且つ長い時間が必要です。人と同じです。企業にもその「時間のつくり方」が求められていると私は考えています。




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