見出し画像

結果レポート: 中高生向けメンタルヘルスプログラム: ココロのBBQ

  • ココロのBBQって何?

  • メンタルヘルスプログラムって?

  • なんでこのプログラムを作ったの?

  • どうやってこのプログラムを作ったの?

これらのことを知るには以前に書いた下記の記事をお読みください。

簡単な説明

今回ミアキスが作成したプログラムは参加者の自己認識力 (self-awareness) と自己管理力 (self-managemt) を高めると同時に、BBQを行い同世代&異世代交流を通して地域への愛着を高めることを目的としたメンタルヘルスプログラムです。メンタルヘルスとは心の健康のことを言います。

ストレスとココロの関係をバケツと水に例えた「ストレスバケツ」を知ることや、ストレスの解消法 (セルフケア)について学び、意識を一つのことに集中させるマインドフルネスな呼吸法を実践しました。

ワークショップの様子
BBQの様子
マシュマロを焼く様子

結果一覧

  • 今回のプログラムでは「感情の認識」「自制心」「地域愛着形成」「自己効力感」の4項目を測定しました。

  • アンケートではプログラム前の参加者の値と、プログラム後の参加者の値に微量な減少と向上が見られました。

  • インタビューではほぼ全ての項目においてポジティブなフィードバックが得られました。

  • **今回のレポートは簡易的なレポートであるため、使用アンケートの質問項目性別、年齢などの要素の記載は省略します。

  • **使用アンケートは全てUSAID PYD Took Kit を引用し活用しました。


アンケート結果

プログラム前 (平均値)


感情の認識: 25
自制心: 10
地域愛着形成: 9
自己効力感: 28 

プログラム後

感情の認識: 23
自制心: 11
地域愛着形成: 10
自己効力感: 26


インタビュー結果


プログラムに参加してみてどうだったか?

  • 普段話せない人と話せて、自分のことを改めて知る機会になった

  • ミアキスでは見たことがあるけど話したことのない人と話せてよかった

  • 知っている友達がいてくれて安心した

  • BBQをキャンプなどで行わず、単体のイベントとして行ってくれてよかった

プログラムで何か学んだことは気づいたことはあるか?

  • ストレス解消法 (セルフケア) が音楽を聴くことだと気づいた

  • 普段何気なく聴いている音楽がストレス解消法だと気づいたら、気持ちが少し楽になった

  • 普段行っているストレス解消法を見直すきっかけになった

  • セルフケアのチェックリストを行ってみて、身体のセルフケア (特に睡眠) がしっかりとできていないことに気づいたので、今後身体のセルフケアを意識して行っていきたい

  • 自分が経験する日々のストレスについて触れたり、考えるきっかけになった


アンケート分析と説明


アンケートの数値の移り変わりには2点のことが理由に挙げられると思います。

1: 参加者自身が行った能力の過大評価

プログラムの参加者は、プログラム開始時点では「知らないこと」を知らない可能性があり、プロジェクト開始時点で自分の知識を過大評価し、その結果プログラムの影響を過小評価する可能性があります。

 USAID PYD Took Kit, p.37

つまりプログラム参加前にそれぞれが感情を認識する能力や、自己効力感を過大評価した可能性があり、実際にプログラムに参加してみると自分の想像していた能力と現実がかけ離れていることがスコアの低下に結びついた可能性があります。

2: プログラムの実施期間

今回は、日本の学生や若者の多忙さに配慮をして、計2時間弱のワークショップを2日間に分けて行ったプログラムです。つまり、効果的な結果を得られるには時間とワークショップの内容が足りなかった可能性があり、それがスコアの移り変わりにほとんど影響を及ぼさなかった場合が考えられます。


インタビューの分析と説明


又、これを踏まえてインタビューの結果については1点のことが挙げられると思います。

1: インタビューの理解のしやすさ

… ユース、特に非常に年齢の低い若者は、あなたが尋ねる質問を理解するのに十分成熟していないかもしれませんし、答えるのが気まずい、または不快に感じるかもしれません。

 USAID PYD Took Kit, P.38

英語版でしか存在していなかったアンケートをぎこちない日本語に和訳したものとは違い、インタビューは会話形式で行ったため、質問の内容が難しくないことや回答をしやすいことが理由でポジティブな結果は見れたかもれません。


まとめ & これからの課題

アンケートの数値の移り変わりを見ると結果が薄かったように思えますが、インタビューを通してみると、参加者それぞれがストレスを認識する能力や、それらのストレスを解消する方法を新たに見つめ直すなど、プログラムの目的通りにスキルの獲得をしてくれたようです。

また、BBQも大変好評で、恥ずかしがり屋な子が活発に交流をしていたり、普段交流がない子同士で話している姿を見ると、BBQのラフでリラックスした雰囲気はとても社交的な場で、同世代間と異世代間交流を促してくれました。

今回初めて行ったPYDプログラムですが、時間が高校時代に比べて比較的にあるミアキス卒業生が多く参加してくれました。部活、勉強、学校行事などで多忙な日々を過ごす中高生には長期的なプログラムの参加を勧めることは難しいですが、多少なりの時間がある大学生や社会人になったミアキス卒業生との接点を繋ぐ機会として、長期的なプログラムを提供する可能性を見れました。

  • 日本の若者の多忙さを踏まえたプログラムの期間の考慮

  • 長期休暇や祝日を利用したプログラム期間の設定

  • 多様なニーズと関心興味に応えられるようなプログラムの種類の増加

  • 今回の実施を踏まえたプログラムの内容改正

これらのことを課題として、これからも韮崎のユースにスキルや健やかな人間関係を提供できるように頑張っていきます! 以上、山梨県韮崎市初のPYDプログラム: ココロのBBQでした!

ポスター

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?