本書では「ファンベースとはファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方」という言葉からスタートする。

「価値を支える支持母体」として考える。時代の流れや変化に対してファンからもらえる意見で価値を変化させるきっかけになるのもファンがいるからだという。
ファンとは「今を満足している人たちではなく、将来に対して期待をしてくれる人達」のことだ。
すごく当たり前だけど、すごく重要な考え方。自分たちの承認に対して期待していない人は何も言ってこない。
一緒に将来を考える従業員や社員、パートナーももちろん必要だが内側の人間ばかりの意見では偏見が出てしまう。そこで必要なのが実際にお金を払っている消費者の意見。

そしてファンベースが必然な3つの理由が書かれている。

①ファンは売上の大半を占めている
②ファンを大切にすることが重要になってきている
③ファンが新たなファンをつくってくれる

この3つの理由については本書に詳しく書いてあるので確認していただけるといいと思う。その中で私が感じたり実践の中でたしかにって思うことを書き出そうと思う。
まず過去の成功に依存している人が多いという事実。「日本社会の変化」「超成熟市場による変化」「情報環境の変化」これだけ大きなことが変化していて過去の成功がそのまま成功になる方が珍しいと思わないだろうか。

【過去の成功≒現在の成功≒これからの成功】

そして簡単にいうとファンはファンを増やす。人間の心理である自分が好きなモノやコトを友人と共有したくなるあれ！これだけ理解してくれれば9割理解したと言ってもいいと思う。そしてそのファンの比率は顧客の中の2割。更にファンの中のコアファンは更に2割。これはビジネスをやっている人なら一度は耳にしたことがある「パレートの法則」である。

次にそのファンがなぜファンになってくれているのかを考えようと続く。本書の言葉を使わせて頂くと「ファンの言葉にフォーカスする」ということだ。
ここまでお伝えすればファンを大切にしなければ行けない理由がわかると思うし、私自身も改めてファンの大切さを改めて感じた。

ファンに限らずお客さんを大切にすることを前提として考えてた上でお互いに対等な立場でなければならないと思う。お客さんを騙すようなことって通用しないし、その場しのぎをしてもインターネットやSNSでわかってしまう時代なのだから、お互いにもっとシンプルになることを心から望んでいる。だって「透明性の時代」なのだから。
これって思っている以上に重要なことだと思う。

次にコアファンをアップグレードする方法と続くわけだがその前提として「コアファン=身内」という考えの重要性を示している。これについては私も同感で商品やサービスとお金の物々交換で成り立っているだけなので上下はない。
「お金を多く使ってくれている人への土下座である」この言葉こそが今までの日本にあったお客様第一主義の考え方ではないだろうか。逆に「特別扱いや接待を要求する人たちはクレーマーの類いである可能性が高い」本書に書かれているこの言葉こそが本質なのかもしれないと感じた。

ファンを作るためには自分や会社の「価値観を全面に出さなければ相手にわかってもらえない」自分の考えや生活スタイル、好きなものなんかを全面に出すこともこれからの経営者の必要なスキルになってくる。
確かにその通りでどういう思いで会社をつくりどういう思いで行動しているのかが見えなければファンにはなってくれない。得体もしれないものに相手は信用してくれるだろうか。
この行動こそがファンを増やす原点としての考えである。
そしてファンが喜ぶ行動も本書に書かれており、私が一番苦手とする部分。
先程も書かせて頂いた「ファン=身内」この感覚。身内だからこそ、忙しいときには手伝ってもらう。ファンということを前提としてのお願いや自分の弱い部分を出すということが更にファンになる要因の一つである。

更に一歩進んだ内容が書いてあり、応援してほしければ人間らしさを出すことが重要。「人が応援するのはモノでもコトでもなく、ヒトである」この言葉、とても当たり前のことが書かれているが現実的に行動できている人はほとんどいないと思う。どれだけ等身大の自分を発信できるかということが重要だと思う。

最後の章に入ると「ファンベースは喜びに満ちている」という言葉から始まるようにファンベースという考えや提供はすべての人を笑顔にすると言っても過言ではないくらい素敵な考えでありながら、すごく理にかなっていてなおかつ冷静に考えれば当たり前な考えとなっている。

本書を読んで頂ければ、この意味がわかると思う。発売されたのは数年前だがこの時代だからこそ必要な考えではないだろうかと改めて感じさせてもらった1冊だと思う。

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でわでわ！まつでした。またね。