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34.南インドの旅:ゴア、60年代のヒッピー達の夢、ラブ&ピースはどう実現したのか

 インド独立後も永らくポルトガルの植民地だったゴアは、インドであって、インドではない町と言われてきた。1960年代、ヒッピー達が住み着き、ラブ&ピースを夢見たビーチは、2020年、その夢が実現したのだろうか。どのように実現したのだろうか。今回は、そのゴアに行ってみよう。

 ゴアの中心の町、夜のパナジに立つ。パナジ教会の十字架の見下ろす港には、満艦飾のライトに彩られたカジノ船が、これでもか、これでもかと浮かんでいる。夜のパナジは、一発当ててやろうと思っている、でも当たらなくても楽しい時間を過ごせればハッピーと思っている裕福なインド人でいっぱいだ。

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 夜のバガビーチに行ってみよう。日付けはとっくに変わっているのに、海岸は華やかなテントに埋め尽くされ、シーシャの甘い香りに包まれ、ビートの効いた音楽が夜空を支配している。60年代のヒッピー達がこの光景を見たら、どう思うだろうか。

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 日曜日の午前中にオールドゴアを訪れると、インド最大のカセドラルで行われている日曜日の礼拝を聞くことができる。ミサが終わると、隣にあるボム・ジェズ教会に観光客がなだれ込んでくる。フランシスコ・ザビエルのミイラを一目みようと並んで待っていたのだ。ザビエルが突然のざわめきに飛び起きなければいいが。

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 聖フランシスコ教会の隣には、考古学博物館があって、ヴァスコ・ダ・ガマをはじめとする、ゴアを支配したポルトガルの総督や聖職者の肖像画が展示されている。インド人達は、この総督達の肖像画を、どういう気持ちで見るのだろうか。ポルトガル支配の残滓を求めてきたヒッピー達は、ラブ&ピースと東インド会社の支配に、どう折り合いをつけようと思っていたのだろうか。

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 昼のアンジュナビーチは、元気なインド人達のアクティビティーにあふれている。バナナボートがひっくり返る時の嬌声に、パラセールを引くモーターボートのエンジン音が重なる。軒を連ねるショップは、他のインドの町とは一線を画しているが、聖なる牛さんは、他のインドの町と同じように気持ちよさそうに昼寝をしている。

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 バガビーチの「ブリット」では、極上の海の幸を楽しむことができる。タイガープラウンのグリルは、新鮮さという最高の調味料で調理してあり、インドでは味わったことのないおいしさだ。やはりここはインドであって、インドではないのだろうか。

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 さてさて、ヒッピー達の現在を知りたいなら、やはりレイブだろう。アンジュナビーチの近くに、有名なレイブ会場、ヒルトップ・ゴアがある。ゴアトランスが響き渡り、ひとり、ひとり、ダンスの輪に加わっていく。さああなたも夢の中に入っていこう。

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 やがて60年代と同じ夕日がアラビア海に沈んでいく。彼らの夢、ラブ&ピースは、どう実現したのだろうか。

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 僕は実は、しっかりと実現していると思う。みんなもぜひゴアに来て、実感してみて欲しい。


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