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体制批判というロシア庶民のお家芸

『緑の天幕』(リュドミラ・ウリツカヤ)を読んでます。全部で720ページ。今、560ページ。分厚い。辞書のように分厚い。

ソ連というのは国家というの名の収容所だったのでは、と思いました。反体制運動に関わる一般人の物語です。降りかかる災難がかなりシュール。密告とか亡命とか収容所とか。

当時、直接体勢批判ができないのでそれを文学という形にしてたんですね。詩で体制批判。深いです。それを取り締まる当局もそうとうな読解力ですよね。

この小説を読んで思ったのは、体制批判という伝統芸能が、今のロシアにもきっと脈々と受け継がれているんだろうなということ。当局の監視をすり抜けて、わかる人にだけわかるように発信してるんですよ、きっと。

命懸けの体制批判、独自のネットワーク。今だったらSNSでつながってるのかなと思いました。

ソ連時代も今も、庶民への監視体制は相変わらずなんでしょう。でも、ソ連時代と同じく、今のロシアにも屈しない庶民はきっといるはず。というかいますね。インスタの「ストーリー」機能による発信は24時間で自動消滅するので、うまく利用している人たちがいて、その一端を垣間見ることがあります。

がんばれロシア人と思いました。


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