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海外進出:入口から出口までの全体像 ~知ってほしい3つのフェーズ(2)~

海外進出における3つのフェーズについて説明しています。
3つのフェーズとは、「計画」、「設立」、「運営」のことです。この3フェーズを順番に実施していくことが、海外事業の全体像の把握につながります。

入口:計画フェーズ
道中:設立フェーズ
出口:運営フェーズ

前回は、最初のフェーズ、つまり入口となる「計画フェーズ」でした。
目的を明確化し、情報収集を行い、仮説で良いので事業計画書を作成しましょう、という内容でお話しさせて頂きました。

道中:設立フェーズ

本日は、次のフェーズ「設立フェーズ」について説明します。
計画フェーズに基づいて、現地での販売拠点を作ったり、会社や工場を設立するなど、実際に現地で事業を実施する段階です。

①事業提携先との交渉
計画フェーズで実施した情報収集や現地調査を通じて出会った現地パートナーと、事業提携に向けた交渉に入ります。もちろん、企業の目的によって交渉内容は変わってきます。
例えば、現地での販売を目的とする企業の場合、現地代理店と販売条件の交渉だったり、直販するならば現地の卸・小売企業との販売交渉だったりします。現地での生産を目的とする企業の場合、委託先の現地工場との交渉だったり、自社生産ならば工業団地との交渉だったります。
特に現地生産の場合は、ここが生みの苦しみです。
生産拠点は商売の要ですから、自社単独での交渉は難しいかもしれません。そういった場合はコンサルタントや現地の団体、商社などと組んで、じっくりと話し合い、何度も交渉を重ねることが重要になってきます。

②現地拠点・生産拠点の設立
①の交渉の末、現地の販売拠点や生産拠点を作っていきます。
会社を登記したり、事務所を借りるオフィスを探したり、すぐに必要な備品を用意したり。JETROオフィスがある国では、拠点づくり活動をサポートしてくれる場合もあるので、現地での情報収集の時に聞いてみるのも良いと思います。

③組織作り・人員の確保
現地で事業活動をしてもらう現地スタッフや幹部候補を探す必要があります。日本から幹部クラスの社員が現地に送り込まれ、彼らが中心になって立ち上げを行う場合が多いですが、最近は、最初から現地の幹部候補人員を採用し、最初から現知事人材で事業を立ち上げていくケースも増えています。現地在住の日本人を見つけて、幹部候補として採用することもあります。

④資金調達・出資
現地拠点で活動する上での資金をどのように確保するか、経営者が常に抱えている課題です。内部留保などの自己資金を活用する企業もいますが、そういった資金余力のある中小企業はそこまで多くありません。
何らかの形で融資や出資を受けて、事業を回していくことが多いかと思います。この資金をどのように確保するかが、大きなハードルの1つになるため、よく検討する必要があります。

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設立フェーズになると、直面する課題が急に増えます。だからこそ、計画フェーズで、どれだけ内容を練れているかが重要になると思っています。
ハードルを1つ1つ超えていくことで、自社には不向きと思っていた海外進出事業の実現が近づいてきます。

次回は、次のフェーズ「設立」についてお話しします。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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