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台風被害から復旧を遂げた河川敷で、レースが生まれた話。

地域のスポーツ文化発展のために欠かせない多摩川河川敷。
2019年の記録的台風から約2年、復旧を遂げた河川敷を舞台に TAMAGAWA FKT by リバーサイドマイクロレースという面白いレースが開かれています。

まずはこちらの動画をご覧ください。

TAMAGAWA FKT by リバーサイドマイクロレース

今回の企画は、
主催:株式会社ニューバランスジャパン、公益財団法人世田谷区スポーツ振興財団。
協力:オトナのタイムトライアル(OTT)、Strava
により実現されました。

そしてこの記事を書いている自分は、プロジェクトの企画・進行をリードしているプロダクションの中で参加させていただきました。

素晴らしい取り組みなので、記事にプロジェクトまとめとして残したいと思い書くことにしました。


2019年10月

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2019年10月に日本列島に上陸した台風19号は、記録的な降雨量で多くの河川の氾濫・決壊をもたらし、甚大な被害をもたらしました。

ここ多摩川河川敷も堤防ぎりぎりまで増水し、野球場やサッカー場なども濁流にのまれ、また、マラソンコースにも泥土が堆積し、舗装が剥離するなど大きな被害が出てしまったそうです。

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河川が増水した濁流は衛生面でのリスクがあるため、水が引いたのちも、泥にまみれたままグラウンドとして供用開始するには適しません。

あれから約2年、たくさんの人たちが協力し合って、地道な片付けや復旧作業を続けた結果、再びかつての河川敷を取り戻しつつあります。

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なんとか復旧して地域の人が戻ってきた河川敷。(2021年5月)

コロナ禍によりランニング大会に生じた影響

そして更に2020年をきっかけに大きく変わってしまった社会。

今までの日常だった大会やレースが、コロナ禍によって変更を余儀なくされた。コースは周回になり、観客を入れることでむしろケアをしっかりしなくてはいけない、運営も正直採算ギリギリのレースもあるそうです。

そうした中、今までにない考えた方でこの新しい、マイクロレースという形の取り組みも出てきています。


OTT西本さん

今回のレース作りに全面的に協力をしてくださった、西本さん。

西本武司さんは、「EKIDEN News」主宰、一般社団法人OTT代表理事などの他、「オトナのタイムトライアル」など新しいレースを企画されています。

自分も話をお伺いする機会があり、そこで大変興味深いことをたくさん話してくださいました。

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西本 武司Takeshi Nishimoto
「EKIDEN News」主宰
『あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!2021』監修。吉本興業、ほぼ日刊イトイ新聞を経て、一般社団法人OTT代表理事。「オトナのタイムトライアル」など新しいレースを企画する。走ること、見ることと多角的にマラソンレースを楽しむ。


マイクロレースという新しいレースが生まれた背景

すごく面白いお話だった。

今までの、そこに大会があってエントリーフィーを払って参加する。という形から、自分たちでコース作って、走ってタイムを記録して。ランナーであり主催者の立場どっちだって良い、4-5人とか一緒に走ろう。と。

自分たちで作ればいいじゃないか。

「やりたい人がやればいい!誰もがディレクター、誰もが主催者に慣れる。
自分たちで作って、自慢しよう!主催者として素敵なコースを用意したので皆んな来て自由に走ってよ!SNSで発信して早朝がいいよ!夕暮れもいいよ!」みたいにさ。

何の変哲もない川辺にコースが登場して突如魅力的に場所に変わる。

そして、GPSアプリと連動すれば
自由に来て、自由に走って計測できて、ちゃんとそれが可視化されてバーチャル順位が現れる。


記録会もエンタメに。

めちゃくちゃ面白いお話でした。

他にも、

多摩川はランニングカルチャーが熱い。
オリンピックを目指すような競技者も、じいちゃんばあちゃんも皆んな集まって走りにくる場所、信号無くて風を感じられて自然もある。

世界を目指す人日本を代表するランナーも集結するところなんだ。

多摩川という場所が、日本のスポーツの発展においても非常に大事な場所であるということも、改めて知るきっかけになりました。

西本さんご本人にインタビューさせていただいた内容は、公式ページにまとまっております。みんなで意見交換して構成・デザインからつくらせていただいたのでぜひチェックしてみてください。

(プロジェクトのクレジットは最下部)


TAMAGAWA FKT レース会場を多摩川に設ける!

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物語のある、小さなレース。
川沿いは子供達やお年寄り、地元のランナーをはじめ大学陸上部やプロランナーまで、いろんな人が集まる場所。そこには豊かなランニングカルチャーがあります。 

2019年の台風19号による記録的な大雨から約2年、様々な人たちの努力と復旧作業によってようやくまたランナーが多摩川に戻ってきました。

その多摩川で、これからを作るような新しい取り組みができないか。
New Balanceはブランドともゆかりの深い場所「川」沿いに小さなレースを作ることから初めてみようと考えました。 

TAMAGAWA FKT
東京・多摩川を舞台に、デジタルを活用した小さくて新しいレースが始まります。 

-公式ページより引用

※FKTとは?

FKTとは「Fastest Known Time」の略で、「知られている限り最も速いタイム」のこと。つまり、この川沿いのコースで最速走破記録を狙って走るチャレンジが、TAMAGAWA FKTです。

2021年5月某所、緊急事態宣言とも向き合いながら予定を調整して始まったレース作り。

場所はマップで言うとここになります。

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そして、TAMAGAWA FKT のレースの走行距離は約1マイル(約1.6km)、その計測タイムが、バーチャル上で順位にて表示されます。

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レース概要マップ

そして、設営日。

西本さんウォーキングメジャーのもと距離を細かく計測し、一定距離ごとに印をつけていきました。

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レース中の案内サインを設置する場所もチェックします。

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フィニッシュ地点には大きなシートを。
無事に設営も終了し、GPSアプリSTRAVA 上にて TAMAGAWA FKT チャレンジが正式公開になりました。

STARAVAについてはこちらを。


TAMAGAWA FKTのお披露目。 試走会。


早速、神野大地選手が練習の合間にチャレンジしてくれました。

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まずはストレッチ・ウォーミングアップから距離走。

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そして、本番。チャレンジスタート。

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地面との接着の瞬間や、ストライドの動きや足の蹴り出しを間近で見られて感動の連続でした。


そして、サブ3以上のランナーたちの集まりによるランニングチーム、ガール9track と 健ちゃん練の皆さんも撮影にご協力のもと、レースに参戦。

(9trackのインスタグラムページ)

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約1.6km、どれだけ気持ちダッシュし続けられるか。
明るく楽しむ気持ちでレース本番を待ちます。


全力で。

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すごいタイムでました!


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ランニングクルー、健ちゃん練の皆さん。

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まずはみんなで、コースチェック。


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そして2組に分かれ、タイムアタックスタート!

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スピード維持したままのレースが続きます。

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最後は余力を出し切って全力ダッシュ!


自分自身のタイムを、ぜひたくさんのランナーの方達にチャレンジして計測してほしいです。
ぜひチェックしてみてください。


最後に

公式ページにこんなメッセージがあります。

皆さんがそれぞれの思いを背負って挑戦し参加するこのレースを通じて、多摩川沿いにランナーのいる景色がまた戻ってくる幸せ。
また、決して「あたりまえ」ではなかった走れることへの感謝。

そんな思いを、この Riverside Micro Raceに掲げています。
-公式ページより引用


本当にそう通りだと思いました。

時代は本当に大きく変わったとも思います。
これからの世の中において、新しい変化も求められる中で、出来ること出来ないこと考えつつも、でもまず行動してみる。

行動の大事さ、何か変えるアクション。

意義のある取り組みに、こうして携わることができたのは大きな経験でした。

ありがとうございました。


追記
※5月31日現在、既に140名以上の方たちにチャレンジいただいてるようです!近くにお住まいの皆さんはぜひふらっと行って図ってみてください!

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Creative Director / Executive Producer : Yuito Ueda 
Director(Communication) : Marina Kitagawa 
Designer(Main Visual, Logo) : Yu Miyazaki 
Director(Web) / Producer(Movie) : Kentaro Kawamatsu  
Web Designer / Coding : Takuya Asakura 
Production Manager : Satoru Kawanabe 
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Race Direction>
Race Supervisor : Takeshi Nishimoto(OTT)  
Support : Eri Mishima(Strava)
Course Signage : Block inc. 
Organizing : 
New Balance Japan, Setagaya Sports Promotion Foundation
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Web/Movie/Social>
Photographer : Kanta Nakamura 
Movie Director : Kazuhiro Joy Kimura 
Movie Cameraman : Ren Gomi
Cast : Daichi Kamino, Kenchan Ren, 9track 
Thanks : 
Hagi Running, TKD Project, Crazy Karo, Saki Run, Takuro Mori, 
Chiaki Sano, Tamujo, eyeron, Running Science Lab, and All Runners
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Production : hashitruhito productions


photo: https://www.instagram.com/kent.0925/
edited: 05.31.21




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