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「成長」と「成果」と「天狗」

結果を受け入れず、人間的な成長とか美学やビジョンなど、あやふやなものを相手にしている起業家は、いつまでも成長しない。
事業の成長のみが起業家の成長だと割り切り、成長機会を求め続けていくのが起業家として正しい選択なんだ。
(『僕は君の「熱」に投資しよう』より)

ベンチャーキャピタリストである、佐俣アンリさんの著書『僕は君の「熱」に投資しよう』を読みました。

きょうはその感想、第3回です。

第1回:クリリンはなぜ「地球人最強」になれたのか?
第2回:どうせ大変なことをしなければならないのだから

「成長」と「成果」の2種類があるとき、基本的には「成長したから成果が出る」という順序で語られることが多いと思いのではないでしょうか。

ただ、その順序には、すごくひねくれた見方をすると、「成長してから成果が出るまでには多少のタイムラグがあるよね(=本当は成長してるんだけど成果が出ない時期もあるよね)」という意味も含まれています。

ただ、筆者の佐俣さんは、その順序を否定します。

世間では、どうか人間的な成長が事業を成長させると考えられているところがある。
つまり、メディアなどに登場する社員思いの社長や「ソーシャルグッド」を標榜する起業家のような、優れた人格の持ち主が事業を成長させることができるという考えだ。
そういう存在自体を否定することはしないが、順序としてはまず事業の成長が実現されてこそ、人間的な成長がある。
成長する事業が優れた人格をつくる。
その逆はない。

一見、すごく厳しい言葉に聞こえますが、そこには明確な理屈もありました。

一言でいうと、「成果を出さないと、次のステージに行けない(=次の成長機会に行けない)よね」って主張です。

事業の成長が止まれば、起業家としての成長はそのフェーズに留まらざるをえないのだ。

きょうの話としては、「成長云々は後から勝手に付いてくるものだから、ぼくたちは成果を出すことに全力でコミットしよう」ってことなのですが、最後にちょっとだけ脱線。

これはぼく、というかぼく以外の多くの人だと信じたいのですが、成果が出ると、調子に乗ります。

鼻が伸びます。

そのことを相談、というとちょっと重たい感じになっちゃいますけど、会社のとある上司に話してみたら「おれはいかに早くもっと大きな鼻を折れるかを考えてる」って言われて、その考え方があったかと思いました。

「いかに鼻を伸ばさずに謙虚でい続けるか」を考えるのではなく、鼻が伸びることは大前提にして、「いかに大きな鼻をいかに早く折るか」へと、思考の方向性を変える。

だから、もう早くいまの課題は解決しちゃって、早く鼻を伸ばしちゃって、次のより大きな課題にぶつかって、折れて、そして成果を出してもっと大きな鼻になるの脱皮形式。

こっちの方が、もしかしたら自分に合っているかもしれないなと、その上司のかたの考え方を聞いたときに思いました。

ということで、最後ちょっと脱線したんですけど、まずは「成果→成長」という圧倒的な真理を意識する。

その上で成果が出て伸びた鼻に関しては、一旦伸びること自体は許容して、その鼻が折れるくらいの機会を手に入れること。

そしてそこでも成果を出して、どんどん鼻を巨大化させていく循環もありだなと思うようになりました。

とにもかくにも、成果だ!!!

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