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労働の対価とは何か?

福祉業界に転職して、給料面は激減しています。

ですが、特に不満もなく、むしろ以前よりも働く喜びを感じることが多くあります。

それは労働の対価が賃金ではないからです。

賃金以外の報酬を得られるかどうかが、働きがいややりがいに繋がると思うのですが、個人的に若いうちはお金だけを求める働き方でもいいと思っています。

キャリアコンサルタントとして誰かのキャリアを考えるとき、一般的には、この働きがいを見つけるために自己理解や職業理解を深めるという手段を講じるのですが、私は段階的・階層的なモノが影響するのではないかと考えています。

以前から記事にしている話ですが、20代で経済的に成功をおさめたとして、その人の人生が幸せかと考えたとき、現段階でお金に困っていないというだけで、必ずしも幸せだとは言えないと思います。

お金を手にするために、他の何かを犠牲にしてきたのかもしれませんし、若くして成功を収めた人が必ずしも晩年まで成功しているとは限らないからです。

ということで、お金以外の労働の対価とされる働きがいややりがいというのは、いったい何なのでしょうか?

今回は、このテーマで書いていこうと思います。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

ブタ・金色・貯金箱・投資・ファイナンス

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「労働の対価が賃金ではない」と書いておいてなんですが、お金は大切です。

しかし、過分にもらってしまうと心苦しくなってしまうので、私としては少し物足りないくらいが成長の糧となるように感じています。

満たされてしまえば、きっと立ち止まってしまう。

賃金が自分の予想よりも少ないのは、もしかしたら、賃金以外で得ているモノがあるのではないか?と、私は多くの人に問いかけたいです。

福祉業界の中でも障がい者の就労という領域で働いていると、「なぜ、すでに障害というハンデを背負っている人が働かなければならないのか?」という問いと向かい合うことがあります。

これが正解ではありませんが、一つの意見として、「働くことで、自分が誰かの役に立っているのだという誇りが持てる」ということが言えると思います。

人は社会性の生き物です。

社会とは、それを形成する存在としての自分と、集団の中でも一つの個体として識別できる存在としての自分の二つがなければ、上手に付き合うことはできないと考えています。

社会を形成しなければ孤立し、個性を見出せなければ存在意義を見失うからです。

社会を形成していると自覚できる行為は、働くこととボランティア以外で得ることのできないものかもしれません。

これが、広義の社会貢献という働き方であり、給料以外の「承認」という報酬だと私は思います。

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職場環境が自分自身の能力よりも高い人に囲まれていれば、自己成長の場を提供してもらっているのでしょうし、もう力の低い方に囲まれていれば、自己満足の場かマネジメント能力の強化の場と言えるかもしれません。

嫌な上司の下で働くことは、禅寺で自分を見つめるよりも悟りを啓くかもしれませんし、憧れてしまうような上司の下ならば手本となる師を得ているのかもしれません。

考え方ひとつかもしれませんが、労働の対価は、気づいていないだけで、当たり前に享受していると私は考えています。

ここまで書いてきたような考えなら、「自分に合った職業とは?」や「好きでもないところで働きなくない」といった見えない幸せを追い続けることよりも生産的だと思うのです。

「青い鳥症候群」という言葉がありますが、誰もが自分の想い描いた職業人生を生きることが出来るとしたら、それは幸せだと思いますか?

私は思いません。

なぜなら、環境要因や時代の潮流によって、考えもしなかった人生を歩むことも人に幸せをもたらすからです。

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キャリア理論には、「キャリア・カオス理論」や「計画的偶発性理論」というものがあり、自分の想い通りにならないことが、ときにその人の人生を苦しめることもありますが、反対に予想もしない幸福を運んでくることもあるのです。

そう考えるのであれば、労働の対価とは、労働という行為によって引き起こされるあらゆる「事象」だと言えるのではないでしょうか?

さて、最後に「対価」の意味を確認してみましょう。

対価
ものや労力を提供する替わりに受け取るもの。
(wiktionaryより)

辞書によっては「財産上の利益」という文言があるものもありますが、労働においては「利益」というよりも「報酬」や「ギフト」といった意味で捉えた方が現実的だと思います。

人はどんな行動であっても、何らかの報酬を得ています。

それをどのように捉え、どのように活用するのかが肝要なのではないでしょうか?

たとえ労働の対価が上司からの叱責だったとしても、それを損失と捉えるか利益と考えるかで、未来は大きく変わるはずです。

あなたが受け取っている、お金以外の対価にはどんなものがあるのか、考えてみてはいかがでしょうか?

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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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