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シェアロースターと「労働」を買う時代

初投稿の通り私の趣味は珈琲である。2016年のポートランド来訪以降浅煎りで酸っぱくてフルーティーな珈琲が好き。なかなか良い豆に出会えず、日本ではまだまだ深入りのブレンドが多い。そこで珈琲豆を焙煎することにした。

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最初は、自家焙煎と言うことで「KALDIロースター」と言う手動タイプの焙煎機を購入しようと検討していた。値段も手ごろで購入寸前に至ったが、温度管理(加熱温度管理や加熱上昇率)が出来ずに断念した。と言うのも深入りであれば温度管理はあまり細かく(一概に言えないが)やらなくても良いが私の好みである浅入りは、数秒単位の焙煎(特に1ハゼ後のDTR)が必要と判ったからだ。

と行き詰まったのだが、シェアロースターと言うBtoC(本来はBtoB)のシェアサービスを活用することにした。そこの焙煎機がドイツ製のProbat5・5kg釜である。

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シェアコミュニティーはコロナ禍で随分下火(特にカーシェア)になってはいるが経済合理性からシェア文化は今後も増していく。と言うか都市が成熟すると個人で所有する感覚から、自分の都市(1マイル経済圏)で所有している感覚になる。シェアロースターについて、もちろんポートランドではメジャーなサービスだが、日本では数えるくらいしかない。まだ日本の都市成熟度は低いと言える。

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さて、シェアロースターでの焙煎では、プロの焙煎士とプロのレシピを元に焙煎を行える。そのため何が駄目で何が良かったのか明確になるのも良い。何よりその焙煎士の好みと私の好みがほぼ一緒なので目指す方向性も同じだったことも良かった。

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焙煎についてかれこれ9回(9バッチ)焙煎してきているが、最近感じるのが、豆の麻卸布から豆を図り、焙煎機に投入し、温度管理、ハゼ確認と香りチェック、豆を冷まして、保管用の豆容器に投入、最後にレシピの確認。この一連の流れは正に「労働」そのものであること。

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シェアロースターなので1時間当たりで「私が」お金を払うのだが、まるで「労働」を「お金」で買っている感覚に陥る。本来は「労働」の対価が「お金」に変わるのが経済である。

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「労働」を買い、結果として専門技能を得る。丁稚奉公と言う言葉があるが「労働」の対価はいらないが、専門技能を会得。将来への投資とみる。丁稚奉公ではなんだかそれでも雇い主側に主語があるようで嫌である。それよりかは「労働」を買うことは、主語が「自分(お客さま)」でわがままでいれる。そしてきっと「効率」も良い。つまり「時間」を買っているのだろう。

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