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短時間でもOKなエクササイズの健康効果

以前、書いたブログ記事のアメリカ心理学会が提唱する「よくある間違った8つのストレス解消法」と「科学的に正しい8つのストレス解消法」でもエクササイズがいいって紹介したので深掘り。今回は短時間のエクササイズってどうなの?って記事です。

運動ガイドライン

世界保健機関は運動ガイドライン[1]で、「ウォーキングなどの中高強度の運動を週に150分以上行うこと」が推奨されており、これくらいやっとけば健康的に生活できるみたいですが、まとまった時間が取れないって方も多いなと思っていたところ、米国保健福祉省(HHS)が出したガイドライン[2]に、

  • 短時間のどんな運動でも、「1日の運動時間」にカウントしてOK!

って感じのことが書いてまして、これはいいなと取り上げてみました。

カウントしてOKってどういうこと?

日常のちょっとした運動(電車の乗り換えが間に合わなく猛ダッシュ)なども運動時間にカウントしていいよってことです。
通勤時のエレベーターを階段に変えたりコンビニまで自転車で行ったり、掃除機をかけたりなど、日常のどんな短時間の運動でも、エクササイズと言えるそう。考え方としては、NEATと同じですね。NEATを知らない人のために後半にNEATについてご紹介します。

トータルで考えよう。

先ほどご紹介した通り、「1日の運動時間」にカウントして良いということは、一回の運動を足し算していけば良いということになります。

  • 1日の運動時間=1回目の運動+2回目の運動+…

といった公式で考えられると思います。より具体的にすると、

  • 家から駅まで徒歩5分

  • 会社の最寄り駅から会社まで徒歩3分

  • 自宅からコンビニまで自転車で3分

  • 1日の運動時間(22分)=5+3+3×2(往復)

といった感じです。これならまとまった時間が取れない方でも、1日20〜30分以上の運動ってのも結構簡単に達成できそうですね。

不安/ストレス関連障害の改善

ストレス関連障害とは、急性あるいは慢性の心理社会的ストレスが主な要因となって生じる精神障害で、急性ストレス反応、外傷後ストレス障害、適応障害等が含まれまして、かくいうわたしも職場の上司と折りが合わず、適応障害になったこともあります。
キングス・カレッジ・ロンドンなどが行ったメタ分析[3]では、「運動は不安/ストレス関連障害の改善に運動が効果的である」ことが判明しています。不安やストレス解消としてやはり運動は必須といっても過言ではないですね。

NEAT(Non-Exercise-Activity Thermogenesis)

*NEAT(Non-Exercise-Activity Thermogenesis)とは、運動以外の身体活動で消費されるエネルギーのことです。NEATを意識することで、消費エネルギーが多くなり、自然で無理のない体重減少が期待できまして、NEATを増やすには、座っている時間を短くする、立つ、歩く、姿勢を伸ばすといったことを意識する必要があります。(*日本語では非運動性(活動)熱産生。)

NEATが減少した現代人

当たり前の話ではありますが、現代人特に先進国では運動以外のNEATのような活動がかなり減っています。理由としては、物の利便性が向上しどんどん機械化が進んでいる点でしょう。元々NEATによって私たちの体重などが調整されていた可能性もあり[4]、現代のように活動しなくても様々なものが手に入ることがなかったことも考えると、体にとって現代のライフスタイルは異常事態って感じなんですかね。そう考えると原始人や自然界の動物に肥満がないのも納得。

NEATを増やす方法

具体的にNEATを増やす方法として、

  • テレビは立ってみる。

  • 近場は車を使わず自転車。

  • エレベーターは使わず階段。

といった感じで取り入れていくと良いですね。
わたしの場合は、スポーツをしていて癖ついてるということもありますが、

  • 階段はダッシュ。

  • 基本自転車で移動。

  • スマホなど見る時はスクワット。 など

といった感じでNEATしています。知らない人にはニートしてますって感じに聞こえるので、紛らわしいのが難点(笑)

まとめ

運動するとなると、まとまった時間を取ろうと考えがちですが、一回短時間の運動を増やしていくことで、まとまった運動時間を確保しなくてもそれに匹敵する効果が期待できるというのが驚きでした。また、このガイドラインの内容をNEATに適用していくことで、より具体的に考えられ日常生活に取り入れやすいなと思いました。まぁ要するに「活動量を増やせ!!動け!!」ってことですね。

参考文献
[1]
https://iris.who.int/handle/10665/336656

[2]Piercy KL, Troiano RP, Ballard RM, Carlson SA, Fulton JE, Galuska DA, George SM, Olson RD. The Physical Activity Guidelines for Americans. JAMA. 2018 Nov 20;320(19):2020-2028. doi: 10.1001/jama.2018.14854. PMID: 30418471; PMCID: PMC9582631.

[3]
Stubbs B, Vancampfort D, Rosenbaum S, Firth J, Cosco T, Veronese N, Salum GA, Schuch FB. An examination of the anxiolytic effects of exercise for people with anxiety and stress-related disorders: A meta-analysis. Psychiatry Res. 2017 Mar;249:102-108. doi: 10.1016/j.psychres.2016.12.020. Epub 2017 Jan 6. PMID: 28088704.

[4]Levine JA. Non-exercise activity thermogenesis (NEAT). Best Pract Res Clin Endocrinol Metab. 2002 Dec;16(4):679-702. doi: 10.1053/beem.2002.0227. PMID: 12468415.

免責事項:以上一部を参考に筆者の趣向と偏見と科学的根拠に基づいた記事なので、元の研究とは内容が異なることもあります。文献が基本的に英語なので、読み間違えや理解不足の点も多々あると思うので、自己責任でご覧ください。記事にはAmazonアフィリエイトなども含んでたりします。

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