『スピードスケートの男子新星が現れた。』

夜、家族でスポーツニュースを見ていると報道されていた。

そのニュースを聞いた妻が、いきなり反応。

「私さあ、絶対、スピードスケートの選手にはなれないと思う。」

と言った。

彼女は、すでに５０歳半ば。

『何をいきなり「トチ狂ったこと」を言っているのか？』

と思い、私は妻に、

「あなたはもう選手には成れないからそのことは、話さなくても良いんじゃない？」

と言うと、妻は、

「「どうして」って聞いて！！！」

といきなり叫んで来た。

「いや、だから。もう選手には成れないんだから言わなくても良いんじゃない。」

「会話だから！！。「どうして」って聞いて！！！」

するとその場でスマホを見ていた娘が、横から会話に参戦した。

「「どうして？」って聞いちゃダメだ！面倒くさくなるから。絶対聞いちゃダメだ！！」

妻は引かずに、

「どうして聞いてくれないの。「どうして」って聞いて！！！」

と、絶対引かない様子。すでに面倒くさくなっている。仕方がないので、聞くなと叫ぶ娘を無視して聞いてあげた。。

「どうして？」

「私さぁ、最近、涙が出てくるんだよね。だから、こんなスピードスケートの速さだと涙で前が見えないと思うんだよね。」

『いや、そもそも、もうなれないから！！』

と心の中で、妻に突っ込んだ。