長期の留学をするかどうかは、人生の大きな決断だ。

決断をするときには、２つの大きな基準がある。

ひとつは、留学生活そのもの。もう一つは、留学後の生活だ。

多くの人は、留学をする前は、留学生活のことを考える。学校、ステイ先、毎日の生活、取得できる資格、そしてもちろんそれにかかる費用など、どんな留学生活を送ることができて、それは日本で生活を続けた場合とどんな違いがあるのかを考える。

それはとても大切な基準で、この部分の情報をしっかりと集めて、考えて、決断をくだす必要がある。

もう一つは、留学後、そのままその国で暮らし続けるのか、日本に戻るのか、ということだ。10年ほど前までは、日本に戻って日本で仕事や学校を続ける人も多かったけれど、最近は留学した国に留まる人も増えてきた。

言いかえると、どの国で暮らすかを選ぶということだ。もっと言えば、どの年齢でどの期間日本で暮らすかを選ぶ、ということだ。

いろんな留学生たちと話をするけれど、以前は、結婚するころには日本です、という人も多かった。けれど最近は、特に日本に限らなくてもかまわないという人もいる。

どの国で暮らすのかを考える時、自分の希望や状況だけではなくて、選択肢に入ってくる国が今後どんな状況になっていくのかもとても大切だ。

たとえばニュージーランドの人たちは、ニュージーランドのその時の状況を見て、オーストラリアをはじめ、いろんな国に移住する人も多い。そしてまたニュージーランドが暮らしやすいと考えたら戻って来る。

もちろんその人の年齢や家族の状況も考えて決める。

そして最近は、日本の若い人たちも同じように考えるひとが増えてきたように感じる。

必ず日本で暮らし続けたいというのではなく、その時の自分や国の状況を見て、どこで暮らすのかを決める。

そして、自分が暮らすことができる選択肢を増やすためにも、若いうちに留学をする。

逆に言えば、留学を決めるときには、日本で暮らし続ける人生を選ぶのか、もう一つの選択肢を増やすのか、ということが留学をするかどうかの基準になる。

もうそんな時代になってきたのだ。

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