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あれは異邦人との接触の話

今年日本で人気があったテレビドラマが最近 ニュージーランドの Netflix で配信になった。

昭和の時代に生きている熱血体育教師が、令和にタイムスリップをするという設定だ。ニュージーランドの Netflix ではまだ全話配信されていないけれど、日本では全て放送が終わったようだ。

まだ全て見ていない段階で、感じたことを少しだけ書いてみようと思う。

どんなドラマや映画もいろんな見方ができると思う。あのドラマを、昭和を懐かしむドラマだという人もいれば、時代の移り変わりを描いたドラマだという人もいる。スポンサーが提供するテレビドラマだから、視聴率を稼げる内容にはなっているだろうし、今そのドラマをその時間に見るであろう年齢層に訴求するように、その人達が楽しめる内容をふんだんに盛り込んでいることは間違いない。

でも少し変わった方向から見てみると、あのドラマは、異邦人との接触のドラマとも言える。

ここ何年かで、ポリティカル・コレクトネスとか、ハラスメントとか、環境とか、衛生とか、そんなことが以前よりも過大に注目され、それらの基準を丁寧に守ることがあたりまえとなった。

人々の意識が昭和とは大きく変わり、価値観も、考え方も、そしてそれぞれの人自身も変わった。

昭和の時代にあたりまえのようにやっていたことを、それをやっていた人自身が、「あれは間違いだった」と考えるようになった。

だから、令和の人達から見ると、昭和の時代に生きている人の意識、価値観、考え方は、全く理解できない。違う世代の人はもちろん、昭和に生きていた人自身も、過去の自分たちに違和感を感じる。

そしてその時代の人と今、直接話をしたら、それはもう異邦人と会ったのと同じことだ。それはまるで、江戸時代の日本人がアメリカから来た人と会ったときのように、地球人が宇宙人と会ったときのように、全く異なる人との未知との遭遇だ。

そんな未知との遭遇が、昭和と令和というカテゴリーで出会ったとき、ショックが起き、火花が飛び、齟齬が生まれる。

でも、異邦人が異邦人としてブレずに振る舞うことで、受け入れる人々が徐々にそれに共感、共鳴するように変化する。

ましてや、まだ昭和の時代を生きていた人が令和にもたくさん存在するのだから、共感する部分は少なくないだろうし、忘れていた感情を呼び覚まされる人もいる。

そしてそれが、令和の私達はこれでいいのだろうか?異邦人からも学ぶことがあるのではないのか、という思考に変わっていく。

それは、江戸時代にアメリカから来た人に会った日本人も、映画の中で宇宙人に会った地球人も、同じ変化を起こす。

つまり、マイノリティの異邦人が、マジョリティの人々に強烈なインパクトを与え、多くの人を変えていく。

そんな物語なのだ。

そう考えると、留学にもよく似た構図がある。

ニュージーランドのマジョリティの人たちの中に、異邦人として留学生が入ってくる。そしてその異邦人が異邦人たるゆえに、マジョリティの人に影響を与え、共感を与え、多くの人の考え方や価値観を変えていく。

最初はあまりにも不適切だと思われていた行為も、異邦人が異邦人としてブレずに進んでいくと、共鳴や共感を生む。留学生の行動や考え方が、ニュージーランドの人たちに波及する。

そんなことも考えながら、留学生活を送ってみるのもいいのかもしれない。

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