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Jリーグの観戦客数はコロナ前後でどう変わった?

こんにちは。Kid.iAです。

10月末からnoteを始めて今日でちょうど60回目の投稿です。読んで下さる方々のおかげで楽しく書き続けることができています。

本当にありがとうございます🙏

この一年を振り返ると、コロナの影響で世の中全体が大変な状態になってしまいましたが、その中でも個人的に気になっていたのがスポーツ業界、特に自分も関わったことのあるサッカー業界への影響がありました。

知り合いは勿論のこと、noteクリエイターの中にも沢山のサッカー関係者スポーツビジネス関係者の方々がいらっしゃると思いますが、誰も経験したことのない危機に対しチャレンジを続けられているその姿には本当に頭が下がります。

毎回情報を軸とした問いを立て考えたことを書いている本note「Toi Box」ですが、今回の問いは「Jリーグの観戦客数はコロナ前後でどう変わった?」です。

ある程度の感覚として、観戦者が大幅に減っていることはわかっているつもりなのですが、実際の数字を見てみないことには「正確な現状認識」には到底至りません。

Jリーグ年度別入場者数推移が更新されていたので、そのデータを元に分析し今回私なりに以下の構成で書いていきたいと思います。

⬇️ Jリーグ年度別入場者数推移

1.Jリーグクラブの収入構造(2019)

以前の投稿でプロサッカークラブの収入源について書いたことがあるのですが、欧州トップ20クラブにおいては観客動員関連つまり「マッチデー収入」の割合は相対的に低い結果(2割以下)でした。


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ですが「観客動員数」というものはマッチデー収入に限らず「中長期にその他の収入源にも影響を与えるもの」です。

例えば観客動員数が減れば広告としての価値は下がり、スポンサー収入も下がります。(このご時世、Jリーグクラブと同様にスポンサー企業の経営も苦しい状態だと思います)

果たしてJクラブは欧州クラブと同じ収入構造なのか。

まずは2019年のデータを調べました。

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入場料収入が全体に占める割合は3つのカテゴリーTotalで約16%でした。J1の19%を含め上述の欧州トップクラブと比較しても割合の違いはありません。

次にその「金額の規模感」についてがコチラです。

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3カテゴリーの入場料収入総額は約216億円です。

その内J1のクラブだけで全体の77%を占めること、カテゴリーが一つ下がる毎に1クラブ平均収入額が約5分の1になることもわかります。

ここまでがコロナ以前の状態です。

2.コロナ前後の観客動員数比較(2019 vs 2020)

続いてコロナ以降の2020年実績を、J1からJ3の各カテゴリー毎に2019年と比較したデータを見てみます。

まず重要な前提として、どのクラブもガイドラインによる「入場制限」下での運営であったことが挙げられます。

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これは人々の命・健康が何よりも優先されるべきなので当たり前の制限です。

一方で、以下に書いていく分析した数字をみてみると凄い規模の入場者数の減少なのが理解でき、実際に経営・運営を行う関係者の方々の大変さが伝わってきます。

まずJ1クラブの比較です。
(※ 数字はホームゲームの1試合平均観客動員数)

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軒並み6割〜8割の減少です。

当たり前の話ですが、浦和FC東京など元々動員数の多かったクラブほど影響を受ける形となっているのが見て取れます。

次にJ2クラブの比較です。

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こちらもJ1同様どのクラブも大幅な減少です。

新潟が唯一平均5,000人超えと健闘している一方で、3,000人を割るクラブも多くあります。

続いてJ3クラブの比較です。

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元々の規模が小さいということもありますが、1,000人を割ってしまうクラブが半分以上出てきてしまってます。

その中でも個人的に目を引いたのがAC長野パルセイロ。前年比での減少をJ全体で唯一2割以内に抑えています。

以下のシーズン中の動員数推移でも取り上げますが、シーズン序盤・中盤の下げ幅を抑えつつも後半の巻き返しが奏功しているのが見て取れます。

3.シーズン中の動員数推移(J1-3から3クラブ)

最後に、各カテゴリーから一つずつ計3つのクラブを取り上げシーズン中のトレンドを調べました。

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入場制限の規制もありどのクラブも終盤まではとても低調なトレンドで推移しているのがわかります。

しかし、規制緩和後の10月末以降は徐々にベースを上げていっていることも見て取れます。

特に元々動員数が多い特徴を持つJ1の浦和レッズと、先でも述べたJ3のAC長野パルセイロは後半完全に回復トレンドに乗っています。

先日経営危機に直面していることがニュースになっていた東京ヴェルディも回復基調ではあるものの、絶対金額なども考慮すると観戦者数・入場料収入減以上に広告関連・他収入の減少が今回の資金ショートに大きく影響しているのではないかと個人的には推測します。

まとめ

上述の3クラブ以外のクラブも規制緩和後はシーズン最終節に向かって回復トレンドできています。

しかし、ここにきてのコロナ感染者数の増加もあり来季も苦しい闘いを強いられる可能性は大です。

Jリーグも無担保での融資や融資に伴う制裁の免除、Jリーグクラブライセンス制度におけるライセンス取り消しも条件付きで免除するなど支援体制を構築しています。

そして、何より本当にどのクラブも踏ん張っています

Jリーグ、各クラブのスタッフや選手、他プロスポーツビジネスも含めた関係者の方々の努力、サポーターの方々の支援が今後に向けて実って欲しいと切に願う大晦日です。


もし記事に少しでも共感頂けたなら「スキ」や「フォロー」をしていただけると嬉しいです‼️今後の創作の活力になります。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

どうぞ、よいお年をお迎えください。

(追記)他にも執筆したスポーツビジネス関連投稿を以下にまとめています。



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