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SNS指標でわかるサッカークラブの方向性 -Global brand or Local powers-

こんにちは。Kid.iAです。

普段めったに料理をしない私ですが、今日お昼ご飯に炒飯を作ってみたところかなり良い感じに仕上がりました。

とても些細なことではあるのですがこんな日は一日気分良く過ごせたりします(単純な性格は得ですね)。

さて、前回投稿では欧州サッカーを12個の観点から俯瞰してみれる「Club Licensing Benchmarking Report」を取り上げました。

毎回情報を軸とした問いを立て考えたことを書いている本note「Toi Box」ですが、今回はそのレポート内容の中から3章「Supporters (サポーター)」にフォーカスします。

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その上で、「SNS指標でわかるサッカークラブの方向性」というテーマを以下のような構成で書いていきたいと思います。

1.クラブが見る「サポーター関連の指標」とは?

プロサッカークラブ運営を行う上で重要な指標はそれこそ沢山あると思うのですが、レポートの3章においてUEFAはサポーター関連に絞った指標を用いてクラブの分析を行っています。

それが「スタジアム観戦者数」と「Social Media(SNS)指標」の二つです。

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スタジアム観戦者数」は収入の観点からみてもそうですが、プロサッカークラブの分析をする上でとても代表的かつ重要な指標の一つです。

レポートでは、ロシア・ギリシャ・トルコ等のリーグ(クラブ)が牽引しヨーロッパ全体で前年比増加、主にスタジアム移転・改修、リーグ・大会での好成績が主な要因となっています。また計15クラブが年間観戦者数100万人を達成していることがわかります。

もう片方の「Social Media指標」に関しても、デジタルマーケティングが以前に増して重要視されてきている現代において前者と同様に大切な指標だと感じます。

それぞれの分析の詳細に関しては前回投稿のレポートリンクからご覧頂きたいのですが、今回は個人的に特に興味をそそられた2.の「Social Media指標」について書いていきたいと思います。

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2.Social Mediaの主要指標とは?

「Social Media指標」といっても世間一般的には多くの指標がありますが、当該レポートからは最も基本的な二つの指標に絞っているのがわかります。

その二つが「フォロワー数」と「インタラクション数」です。

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つまり、フォロワー数はクラブへの関心の高さを示すとともにSocial Media上におけるファンへのアプローチの土台となり、またそのフォロワー1人当たりのインタラクション数をみることでクラブに対するファンのエンゲージメントを測ることが可能になるということです。

例えば、レポート詳細では主要Social Mediaの合計フォロワー数が1,000万人以上のクラブが20クラブ(🇬🇧6, 🇮🇹4, 🇪🇸3, 🇹🇷3, 🇫🇷2, 🇩🇪2)あること等も書かれています。

3.主要指標からみる「二つの大きな方向性」

二つのSocial Mediaにおける主要指標がわかりましたが、それを踏まえた上で私がレポート内容のうち特に面白い・興味深いと感じた「二つの指標を軸にした分布図」について、自分なりに整理しまとめてたいと思います。

それぞれの主要指標を縦軸と横軸に置き、クラブをマッピングすることで以下のような大きな分類が可能となります。

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横軸フォロワーの人数が増えれば増えるほど、各クラブのホームタウン、カントリーを超えてグローバルにファンベースを広げていく「Global brands(図の赤枠)」という分類が一つ。

一方で、フォロワーは増やさずとも、縦軸一人あたりのインタラクション数を増やしていくことでクラブに対するエンゲージメントを上げていく「Local powers(図の黄枠)」という分類が一つ。

ある意味で理想な状態である「Mix(図のグレー枠)」も含め、どちらの「方向性」をクラブが求める(求めている)のかが一目でわかる図です。

よりイメージを持っていただくために、レポート内容を私なりに簡素化、新たに一部のクラブ名情報を追加したものを以下に作成しました。

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フォロワー数は1,000万人以上いるものの、一人当たりのインタラクション数は比較的少ない(10回未満)「Global brands」クラブ(レアル、バルサなど計15クラブ)を赤色でマッピング。

逆にフォロワー数は1,000万人届かないものの、一人当たりのインタラクション数が比較的多い「Local powers」クラブ(ギリシャのAEKやPAOK、南ヨーロッパのクラブを中心とした15クラブ)を黄色でマッピング。

2軸ともに数値が高い「Mix」クラブ(トルコの3ビッグクラブ、リヴァプールとユベントス)をグレーでマッピングしました。

いかがでしょうか?

Mixを高い次元で目指すことはかなり難しいことは事前に想像できるものの、どのクラブもかなり極端に「どちらかの分類に偏っている」印象を持ちませんか?

まとめ

世界的に有名な「Global brands」クラブは、一人あたりのインタラクション数が仮に少なかったとしても、その膨大なフォロワー数がそれを補いファンへの接点・エンゲージメントを増やしています。

逆にグローバル拡大が難しい(またはあえて狙っていない)「Local powers」クラブは、地域密着かつ既存ファンにフォーカスした戦略を打ち出しているように思えます。

以下、再度分類図を貼り付けておきます。

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例えば、Jリーグのクラブに当てはめた際にどのクラブがどのあたりにマッピングされるのか、自分の応援する世界の様々なクラブは現状はどこで、どのような位置を目指しているのか等、「クラブの方向性」を色々と妄想し議論してみるのも面白いかもしれません。

次回以降も「Club Licensing Benchmarking Report」シリーズが続きます。

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今後の創作の活力になります。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

(追記)他にも執筆したスポーツビジネス関連投稿を以下にまとめています。


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