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第71回 マンション防災を考えよう

マンション防災の基本的考え方 在宅避難のためには何が必要?なぜ必要?

皆様こんにちは。マンション防災研究所の城戸です。
このマンション防災を考えようのシリーズでは、マンションという集合住宅では戸建てとは違ったさまざまな設備や管理運営の仕組みがあることから、一般的な地域防災とは別の考え方が必要になる内容も多いため、「マンション防災」としての考え方をいろいろと考えています。

前回までに考えてきた、マンションの防災活動の前提条件、そしてマンション防災として(全体では)何をしなければならないのかに続いて、今回はマンションの在宅避難では何が必要なのか、なぜ必要なのかを考えていきます。

マンションの在宅避難の場合、その前提として考えなければならないのはライフラインが停止することです。停電で電気が止まる、そのせいでエレベータが止まる、水が出なくなる、ガスは使わない、配水もしない、固定電話も使えない。このような状況を生き抜くことが必要です。

さて最初に考えるのは備蓄食料などですが、ちょっと待ってください。
特に大地震が来た際のことを想定すると、まずは「命を守ること」を考えましょう。自宅内で命を守り安全に地震をやり過ごすための準備をしましょう。
家具や家電の転倒防止策、窓ガラスや食器棚などのガラスの破損対策、書棚やその他からの中身の散乱対策、寝具の位置、家具の位置対策、廊下などの避難通路確保、照明や履物などの就寝時の準備、その他自宅で考えられる危険、リスクに対する安全対策を考えましょう。

次に、避難生活に関する準備です。備蓄関係では、このシリーズで何度かお話ししていますが、管理組合などマンション全体での備蓄品と考え方が変わります。住戸ごとでは、ご家族で消費するものは住戸で準備しましょう。
最初に、これだけは絶対に用意してほしいものです。私は備蓄の3種の神器と言っています。最低1週間分、できれば2週間分が必要です。
神器1 水(大人一人一日3リットル)、食料(一人一日3食)
神器2 災害用トイレ(一人一日5回分)、トイレットペーパーやウエットティッシュなど
神器3 カセットコンロとガスボンベ(1日4時間ガスボンベ2本×日数分)
その他、照明、電池や蓄電池、医薬品、ラップ、軍手など、ラジオ、いろいろ考えられます。これも家族構成や人数、要配慮などの条件で変わってきますので、考えてみましょう。
意外と盲点なのが、長期的な避難生活になった際の水などの運搬用具です。給水車で配給された重い水や、配給食料を避難所やその他の場所から運搬するために、単にバケツを持って行っても不衛生であると同時に運搬中にこぼれてしまいますし、タンクを手にぶら下げて移動するのも大変です。ましてやエレベータが停止しているとすると・・・。例えば、厚手のビニールなどの素材の袋を2重にしてリュックに入れ、背負って運べるようにするなど、少しでも負担がかからず便利なものを考えるか購入しましょう。

そして、家族や親せき間での連絡方法、集合場所、避難経路などの申し合わせ事項です。
家族が一緒にいるときに被災する可能性の方が低いです。家族との連絡方法、それもスマホなどが使えなくなったらどうするとか、学校からの帰り道で発災した場合や、いつもの道が陥没するなどs通行できなくなった場合の迂回路など、様々な条件で考えておきましょう。

もちろん避難所の場所や(避難所に行くのではなく情報を仕入れたり、給水車が来たりなどの拠点として)、近隣の拠点病院、給水拠点その他の施設の設定場所、ハザードマップなどの情報関連の確認の必要です。

まだまだいろいろありますが、各家庭で考えてみてください。
この項だけの特集なども今後は組んでいきたいと思います。

今回はここまでです。
次回は、少し火山について考えてみようかと思います。

マンション防災研究所 所長
防災士 福祉住環境コーディネーター
城戸 学

マンションに限らず防災関連のセミナーや講演、コンサルティングなどのご依頼をお待ちしております。よろしくお願い申し上げます。

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