見出し画像

氷属性の悲哀。

ご存知ないと思うんだけど、私は北海道に住んでいる。北海道の札幌市。これを書いているいまの季節はご存知、冬。ウィンターだ。

北海道の冬はとにかく寒い。

と、いうか私は北海道の冬しかきちんと知らない。きのう福岡にいったときはそれはもう驚きで。夏の終わりまたは秋の入口かと思った。

気候が私の自律神経をバグらせようとしてるのではないかと腹がたった。心底ムカついた。こんなところでぬくぬくしてる福岡県民をどついたろかと思ったもので。


ここでさらに思ったのは、我が北海道が背負うハンデについてである。いつだったかも書いたような気がするが、北海道はハンデ祭りだ。ハンデ、ハンデ、ハンデ。だって雪が降って寒くって、愛しくって恋の街。それが札幌。ふざけてる。


だっておかしい。

外が寒くて家の中も寒くて、冬の外はたいてい曇っていて、なんなら雪がどこんと降って「あぁ、今日は暖かいな」と思ったら雪が溶けてでっかい水たまりができて。もうムリ。

しかもこの雪解け水でできる水たまりはそんじょそこらの水たまりとは違って、とてつもない量の雪が一気に溶けるから、もうプチ琵琶湖。かと思ったら翌日にはまた氷点下になってプチ琵琶湖が凍るんだ。


暖かかった日の翌日に気温が冷えるときってのは非常に厄介だ。特に車の運転でやっかいだ。どういうことかというと、暖かい日は雪が一気に溶けていく。と、思ったら翌日にまた低気圧がやってきて外気が冷える。そのとき雪がどうなるかというと「サラサラ」になる。

このサラサラの雪が車にとっては天敵で。雪が溶けると雪で覆い尽くされた地面の一部が溶ける。すると道がデコボコとへこみ、とにかく道路がガタつく。その上にどさっと雪が積もる。氷点下だとサラサラの雪。

気温が氷点下の場合、サラサラの雪とデコボコの地面ってのはもうフルコンボみたいなもんで、要するに雪の砂漠のようになるのである。雪砂漠。そのとき車はどうなるか。


埋まるのだ。

これは困る。



しつこいが冬の北海道は寒い。ヘルシンキとかストックホルムとかニューヨークだって「負けてねーよ?」と言うかもしれないが、いやいや、こっちは世界の北海道。

日本国内ならば日本海側に位置する都道府県、特に北陸地方は雪がよく積もるから「なんなら北海道よりも降るっすよ」って言ってくる人もいるんだけど、少し黙ってください。こっちは北海道です。都道府県の名前に「北」と「海」なんです。論点のすり替え。

ここにはスーパーパウダースノーを求めて世界中から観光客が訪れる。長野の軽井沢? ここにはスキー場があって? そうなんですね。


観光客にとっての「雪」ってのは一過性の、たまにしか見ない、親戚のおじにとってのいとこの子どもみたいなレアさだから、その存在は心底どうでもよくて人生を左右しない。

親戚の子どもってのはむしろ、たまにしか会えないわけだから「おぉ、何歳になったんだ?」と訳知り顔で言うもんだけど、この雪が恒常的にある私たちからするととんでもない。

子育ては毎日が戦争だと聞く。

雪はこれと似た構図がある。



雪ってのは誰かにとっては非日常で美しいものかもしれないけれど、それがあたりまえの人から見ると、はっきり言って迷惑以外の何者でもない。白いゴキブリだ。大丈夫、雪には感情がないからなんとでも言える。

同じように、小さな子どもってのは、誰かにとっては可愛らしく非日常的な存在かもしれないけれど、毎日向き合わねばならない親からすると、悩みのタネになりうる。雪と子どもが違うのは遺伝子と愛の存在か。ほんとうにかわいいから、なんとでも言えない。


そんな状態の街で働き、家族を養い、車を運転して事業活動をやって、その合間にnoteを書いて、それも毎日。


って、もしかして私って結構頑張ってるんじゃないの? と思ったりする2月の冬、話があっちこっち行きすぎたのに最後まで読んでくれたのなら、うれしいです。


〈あとがき〉
おかしいな。最初は漫画に出てくる「氷属性キャラ」がどの作品でもかませ犬になるよね、ってことを書きたかったんですが、書くうちに北海道への文句みたいになりました。札幌は雪まつりで人がごった返しています。来てはいけません。風邪を引きますから。今日も最後までありがとうございました。

【関連】私は腐っても北海道民なんです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?