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#1【インタビュー】Uターンして畜産業(牛)を営むことって!?~ 永井直美さん~

 インタビュー記事を通じて、喜界島の農業をあなたにお届けしたい!!
 そんな想いで始めた、このnote。

 今回、第1弾として、永井直美ながい なおみさんのインタビューをお届けします!

< この記事は約8分で読むことができます >

 永井直美さん
 高校まで喜界島。島を離れてからは美容関係のお仕事をしつつ、漠然と喜界島に帰りたいという想いも。
 そもそも子どもの頃から動物好き!
 父親の体調不良をきっかけにUターン。結果的に父親の畜産業を継ぐ形で現在、約30頭の牛さんを育てています。

聞き手:たくと、ひろむ、キース、ナオ
インタビュー日:2023.10.31

ーー喜界島の畜産農家、55戸の中でインタビューを受けてくれてありがとうございます!早速ですが畜産業を始めて何年目でしたっけ?!

インタビューに答えてくれている永井さん

(永井)
 こちらこそよろしくお願いします。
 父親の畜産業を継いで約1年半になります。
 ただ、「父親の畜産業を継ぐぞ!」という決意でUターンしたわけではなく、先ずはお手伝いから始めようと思っていました。

ーーお手伝いから畜産業を継ぐ!という決断できたのは?

(永井)
 子どもの頃から動物が好きで、お手伝いをしていると、どんどん牛さんに愛着が沸いてきて、より畜産業というものに興味も沸いてきたって感じです。

ーー実際、畜産業に挑戦してみてどうでしたか?


永井さんの動物好き、伝わります!?

(永井)
 喜界島の畜産って、お肉として成牛を出荷するところではなく母牛と子牛を育てるってところを担っているんです。
 子牛の成長や出荷までの過程が楽しく感じてきたし、大切に育てると「出荷時の価格」という数字として見えることにやりがいを感じています。

ーー牛さんという生き物を扱うことに不安はありませんでしたか?

(永井)
 同じ畜産を営んでいる者同士、仲良くさせてもらっている先輩農家さんからアドバイスやサポートをいただけています。
 まだ2年目ですが、こうした環境のおかげで不安も少なく楽しく仕事ができている感じです!

ーー大変だなぁ~と思う瞬間もあるのでは!?

母牛さんへの餌やり

(永井)
 喜界島は南国ということもあって台風が押し寄せることもありますよね。
 そんな時でも「餌やり」は、1日2回を欠かすことができないので、暴風雨に負けずに牛舎へ向かうときは大変だなぁと思います。

ーー子牛さんが産まれる時も大変そうだなぁというイメージがあります。

(永井)
 もちろん命を預かっているので気を配りますが、ずっと母牛さんに付きっ切りというわけではないんですよ。
 出産が近いなぁ~となったら、夕方に一旦帰って夜中、次は朝と数時間置きに確認しています。母牛さんが初産~3産目までのお産は見守ることを心掛けていて、必要であれば介助しています。
 何度も牛舎へ行くことになるので、今後は分娩観察カメラなどを導入したいなぁと思っています。

ーー畜産業を営んでいる中で永井さん流ってあります?

母牛さんと子牛さん

(永井)
 そんな特別なことをしている意識はないんですが、あえて挙げるとしたらこの3つです。

①1頭1頭、名前を自分で決めて、1日1回は話しかけています。
→ 話しかけながら観察することで、小さな異常などに気付くことができるのでは!?と思っているので。

②掃除などを自分なりにしっかり行っています。
→ サトウキビの搾りかす(バカス)を使っていて、牛さんには地べたに横になってリラックスして過ごして欲しいんです。

③アニマルウェルフェアを意識しています。

アニマルウェルフェアについては、家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として、生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながることから、農林水産省としては、アニマルウェルフェアの考え方を踏まえた家畜の飼養管理の普及に努めています。

出典:農林水産省HP

 具体的には、生まれた子牛も 1 週間は母牛と同じ区画で過ごさせて、母乳が飲める場合はミルクよりも母乳を飲ませることを優先しています。
 母乳の場合、下痢になることがありますが、人間と同じで母親と一緒に過ごすほうがストレスも少なく子牛にとっても嬉しいと思うので。

 生後1週間を目途に子牛用のスペースに移しつつ、1日1回は母牛と同じスペースで過ごす時間を作ってあげています。
 1日1回、話しかけるのもアニマルウェルフェアを意識しているからかもしれないですね。

ーー畜産は年中無休というイメージですが息抜きの瞬間は!?

大きくなってきた子牛さんにはミルクを

(永井)
 仕事とプライベートのメリハリが大切だと思っています。
 呑みにも行くし、夜は居酒屋でアルバイトもしているんですよ。
 アルバイトの時に人と会って話すことや、作業中のちょっとした買い物時間などが息抜きになっています♬

 メリハリを大切にしているので日曜日は休日と考えて、餌やりなど最低限の作業を行うようにして自分の時間も確保してます。

 前職が美容関係ということもあって、休日はネイルをしたり。
 お仕事のモチベーションが高まるのも、前職の経験があったからだと思っています!

ーー最後に今後、新規就農するかもしれない人へのアドバイスはありますか?

牛さんの餌づくりなど、頼めるところはお願いしています!

(永井)
 ゼロスタートの人は、最初から「牛舎だ!大型機械だ!」と設備投資をするのではなく、先輩農家さんに間借りして飼育を開始するなどして、小規模からスタートするのが良いのではないでしょうか

 この牛舎も今はこの規模だけど、元々は両親が少し離れたところの小さな 小屋を使って数頭飼育をすることからスタートして、徐々に頭数を増やした過程を子どもの頃から間近で見てきたので。

ーーお忙しい中、畜産業のことだけでなく、プライベートなことまでお話しいただきありがとうございました!

インタビューを終えた聞き手の感想

 インタビューの場所は永井さんの牛舎。
 牛さんの「モォ~」、穏やかに流れる音楽の雰囲気に包まれた中でのインタビューは、心地よい時間になりました。
 牛さんやワンちゃんを見つめる姿から、永井さんの優しさが読者の方へ伝わると嬉しいです!
 なお、新たに畜産業を始めてみたい方には、喜界町のほうで研修先を紹介してくれるようなので相談してみては!?

2023.10.31

 次回、「喜界の農家に触れる機会」第2弾となるインタビューは、『#2 果樹・園芸だけでなく商品開発にも挑戦する方』を2部構成でお届け予定です。

 最後までご覧いただき、ありがとうございました!
 次回もお楽しみに♬

 (※インタビュー記事作成の背景については、こちら ↓ です)


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