【いっしょに〝記紀〟を旅しよう!】
はじめに
今年の大河ドラマ「光る君へ」で脚光をあびる紫式部ですが、「源氏物語」を書いた時、人びとは、式部は「日本紀」(日本書紀)をよく読み取られたと感心してほめたそうです。
ご存知のように【記紀】とは「古事記」「日本書紀」をあわせた総称で、「古事記」は712年、「日本書紀」は720年に奏上された歴史書。特に「日本書紀」は六国史の第一にあたる我が国最古の正史です。
私は歴史が好きで、特に国の成り立ちに興味があります。きっかけは古墳です。文字も無かったと言われる時代に「よくぞ残してくれた!」と思いますね(もっとも、後世に残すことを目的に造られたものではありませんが)。
大阪府堺市にある仁徳天皇陵(大仙陵古墳)。ゼネコンの大林組が1985年に試算したものによると、完成まで約15年8ヶ月。ピーク時には作業員2000人/日、専門技術者や指導者含めると総勢3000人。そしてその人達に食事を支給する後備え要員まで考えると、その倍の6000人/日もの人が関わったと考えられるそうです。
この一基をとってみてもすごいことですが、大仙古墳が5世紀前期-中期頃の築造とされるのに対し、奈良県桜井市の纏向周辺には3世紀前期から前方後円墳が築かれ始めます。そして3〜8世紀の間に全国で20万基以上の古墳が築かれたと言われています。
「日本(やまととも読む)」という国号を定め(大宝公式令701年)それから1300余年、現在まで続く世界最古の国とも言われる日本。もちろん誰かが突然やってきて建国したわけではなく、それまで中国の史書には「倭」と記され、国内では「倭」「大和」などと呼ばれ、前述のように3世紀頃から独自の前方後円墳を全国各地に築く(ことを指導した)強大な勢力があって、やがて律令国家として成立していく。国家としての定義がどうとか、最古かどうかより私はこの国ができる過程に興味があります。
学校の歴史の授業では「記紀」に記される時代はほとんど触れられないでしょうし、本屋の古代史コーナーには「◯◯の真実!」とか「◯◯は◯◯だった!」など刺激的なタイトルの本が並んでいて、ネット上でもまぁいろいろすごいことが書かれてあったりします。元の「記紀」を読まずにそうした(トンデモ)説を信じてしまう人がいるかも知れないなと思うと悲しくなってきてね。
この旅の目的は、自説を展開したり特定の思想に誘導するものではありません。〝記紀〟の編纂者をリスペクトし、記される地をできるだけ忠実に訪れて、その土地にまつわる伝承や考古資料などを紹介していこうと思います。一人でも多くの人に日本の国の成り立ちに興味を持って頂けたら嬉しいです。
noteを始めたばかりで失礼があったらお許しください。
どうぞよろしくお願いします。
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