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エゾシカの肉をいただいた話1

「シカが獲れました」

7月のある朝、旭川からのお知らせ。

春にお願いしてからずっと待っていた、シカ革がやっと手に入る。私はすぐにスマホを開き、染め色等の確認連絡のためメッセージアプリを立ち上げる。

「革は購入したいです。肉もお送りください。」その場で返信。

自治体によって期間や規模は違うだろうけれど、旭川では3月末に狩猟期間が終わると、6月には有害鳥獣駆除の許可が出るらしい。以前から、次にシカが獲れたときは、そのときに冷凍にしている肉や骨を食べてみないか、と言ってもらっていた。

「その方が僕も助かるし、シカも浮かばれます。」

シカ肉を猟師さんが直接販売する事は難しい。獣肉の販売には、衛生上の観点や、品質維持のため、特別な環境を用意して許可を得る必要がある。コストも手間もかかりすぎてしまうので、駆除された多くの有害指定を受けた動物は、シカやイノシシ等でも、捨てられてしまう。

駆除とか猟とか名前が変わっても、命を取ることに変わりはない。猟師さんは、自分で消費できない量の肉を一手に引き受ける訳にもいかず、かと言って、廃棄するのも心が痛む。簡単な事ではないのだ。

簡単な事ではないのだ、そう、シカ革を使ったカバンを作ってはや数年、少しずつ勉強してきたし、肉を食べさせていただいた事もある。知識としては、知っているつもりだった。

(2に続く、後半には、料理中の様子を載せます)

ミンチにしたシカ肉を

玉ねぎなどの野菜と炒めて

こちらも炒めて香りを出したスパイスを

加えます

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