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収穫を得るには、種をまかなければならない【人間は~8】

 自分にとって一番楽しいことをやりなさい。それが、社会に最も奉仕することになり、ひいては増収のためにもなる。

 種のまき方で、収穫は決まるのである。この偉大な真理について深く理解していただきたい。この真理は、学校、会社、政府機関などの掲示板ばかりでなく、テレビ、ラジオなどでも大いに宣伝してもらいたいものだ。自分たちのまいた種の質と量を検査したいのなら、簡単な収穫一覧表を作成すればよい。

 人生で手に入れた収穫物はすべて、社会にまいた種の質と量の結果だからである。家族、心の安息、友人の数、同僚との仲、住環境、所有物、そしてもちろん収入や富、社会的地位も何もかもまいた種が生育したものなのである。人生のどの時点で獲得したものも、その例外ではない。

 行動を起こせば、必ず反応があるものなのだ。この法則は普遍的なものである。例外があるのでは、と心配する必要はないのだ。

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 あなたは現在幸福だろうか?
 不幸だろうか?
 それとも可もなく不可もなくといったところだろうか?
 今、あなたの感じていること、また、ひいては人間としての成功・不成功は、今までの行動の結果以外の何ものでもないのだ。人生のいずれの時期にも、あなたがまいたとおりの収穫があったのだ。愛の種をまけば、愛の果実が手に入る。周囲の人々の役に立ち利益となる種をまけば、畑も大豊作となる。しかし、この法則を生かすも殺すもあなた次第なのである。

 他人のまいた種を頼りにしているだけならうまい汁を吸うことができる場合もあるが、途中で二進も三進もいかなくなる場合も出てくる。

 この事実を説明するために、私はよく“まきストーブ”を例に出す。もし部屋を暖かくしたいなら、ストーブにまきを入れ、マッチをすらなくてはならない。何もしないで、ストーブの前に座っていても、部屋は寒々としたままだ。
「私は何をすればよいのか」「職が欲しい」「仕事がしたい」と叫んでいても、部屋は暖かくならないのだ。むしろ、「この地域の人々の役に立ちたい。人々に最も喜ばれ、こちらも張り切ってやれる仕事は何か」と考えよう。少なくとも、このように考える人には、まきをストーブに入れ、マッチをすろうという意欲がある。未来へ向けての意欲があるのだ。

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『人間は自分が考えているような人間になる』
きこ書房

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