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未来予想図を現実にした彼女。

ドリカムの未来予想図・未来予想図Ⅱという歌は一度は耳にした事があるのではないでしょうか。
私は特に世代的にもど真ん中で、友達でファンの子は多く、ドリカムワンダーランドに行ったなんていう人も結構います。
そんなドリカムファンの彼女のお話です。

彼女、と初めて出会ったのは高校受験の時でした。
たまたま同じ教室で試験を受けていて、私が鉛筆を落としてしまい拾おうとした時に拾ってくれたのが彼女でした。
こんなドラマ的な展開だった事もありますが、彼女は華があってキレイで他の中学の人だったのに強く印象に残りました。
試験が終わって帰る時に、あの子凄い美人さんだったねーなんて友達と話しながら帰ったほどです。

無事に高校に合格し私は彼女と同じクラスになりました。
私のクラスには私と同じ中学出身の人がいなかったので心細かったのですが、クラスの女の子は自然とみんな仲良くなるようないい雰囲気のクラスだったので、私も溶け込む事が出来ました。

驚く事に私のクラスは他のクラスの人(特に男の子)が良く見に来る状態で「可愛い子がいる」と話題になっていたそうです。
私は当然、彼女を見に来ているのだと思ったら、お目当ては他の子で、しかも出席番号が私の一つ前だったのでなんか微妙に見られているような嫌な気配を感じ、席替えをするまではよく席を離れていた記憶があります。

『あー世間では私が一目惚れした彼女より目の前の席に座っているこの子の方が大衆受けするんだぁ』なんて思っていましたが、彼女が異性の目に留まらない訳はなく、私のクラスは女子のレベルが高いと認識されるようになっていきました。

そんなちょっと憧れを抱いている彼女とは1年の頃はそこまで親しくはなく、放課後みんなで遊んだりとかするレベルで、1番親しい訳ではないけどそれなりに…という感じで過ぎていきます。

彼女とは1・2年が同じクラスで3年は隣のクラスでした。

2年から文系理系に分かれ、私と彼女は理系だったのでクラスに女の子は10人もいませんでした。
そんな状態なのでクラスの女の子みんな仲が良かったのですが、私は彼女を含む4人組で親しい関係になっていきました。
なので3年で私だけクラスが変わっても休憩時間の度に彼女達がいる隣のクラスに入り浸っており、隣のクラスの人たちにもクラスメートと勘違いされる程で…。

そんな彼女は男子バレー部のマネージャーもしており、男の子が放っておくはずもなく
かなりの人数に告白されていました。でもみんな玉砕…。
学年でも目立つ女の子は次々と彼氏が出来ていくのに彼女は彼氏をなかなか作りませんでした。「なかなか人を好きにならない」とは言っていたので、彼女が好きになる人はどんな人だろうと思っていました。

そんな彼女に初めて彼氏が出来ます。相手は一つ上のバレー部の先輩で、好きになった事、告白する事は相談を受けていたのでOKを貰えたと知った時は物凄く嬉しかったのを覚えています。
私は水泳部に所属していましたが幽霊部員で殆ど参加しておらずたまに顔を出す程度…。なので先輩と交流するような機会が少なかった私には、年上と付き合う彼女は大人に見えました。
放課後、先輩の彼氏が迎えに来てくれたり教室で一緒にテスト勉強をしていたり。美男美女のカップルで憧れの的でした。
でも、この恋はすぐに終わりを迎えました。先輩は受験生なのでやはり勉強に集中したいという事でお別れする事にしたそうです。
別れたと報告を受けた時はそんなのズルいよ!言い訳だよとか色々腹が立ちましたが、彼女が受け入れている以上慰めたり見守るしかなく…。
弱いところを見せない彼女は別れた直後は親しい私たちの前ではショックを受けた様子でしたが、クラスメートの前では気丈に振る舞っていました。女の私から見ても彼女は凄く魅力的な人だと改めて感じました。

私達も3年生になり、いざ自分たちが受験生になると勉強に集中したいと言ったあの先輩の言葉もなんとなく理解できるようにもなりました。

仲のいい4人組のうち、私だけが東京の大学へ進学。2人は地元の国立大学。1人は臨床検査技師の学部のある県立の大学に進みました。

その間も彼女はモテていましたが全部お断りしていました。結局、卒業するまで新しい彼氏は作りませんでした。
「高校時代に一体何人の人に告白されたの?」と聞いた事がありますが、「なんか高校時代がピークやったと思う」と言った感じで、「ひょっとして数えられないほど?」なんてみんなで話はしても何人と教えてくれた事はありませんでしたね…。
私が知っている(噂や仲が良かったから相談されたりする)だけでも結構います。はっきり人数を言わないところも又、彼女らしいなぁなんて思っていました。

大学生になり、私はこの4人の関係は一生涯の親友だと信じていたので、長期休みになったら地元へ行って一日は必ず集まるようにしていました。普段はメールで近況報告。
彼女から彼氏が出来ましたと報告してくれたのは大学2年の時。お相手は年齢は一つ上で同じ大学同じ学部の同じ学年の人。大阪出身とのことでした。。。他の子は地元にいるので紹介して貰ったりしており、メールで凄くカッコいい素敵な彼氏と聞いていました。

私が長期休みで地元へ行くと、毎回4人でご飯を食べた後などは必ず彼氏さんが彼女をバイクで迎えに来てくれました。その姿を3人で見送っていいなーなんていうのが恒例になりました。

大学3年になると彼氏さんのお迎えはに変わりました。「ブレーキランプ5回踏んでもらった?」なんてふざけて話していたのを覚えています。車なので私達も乗せて貰ったこともあり、軽いドライブをしながら二人の仲睦まじい姿を羨ましく思っていました。

その後は私の体調が悪くなり、なかなか地元に行く事もなく、頑張って行った時に彼女たちから差別的発言を受けてしまいました。
それから私は何となく彼女たちを避けるようになり疎遠になっていったのです。
今思えば、心の病気なんて彼女たちもなんて言っていいのか分からなかったでしょう。
彼女達が知っている私の姿と病気になって学校に行けないという姿は結びつかなくて当然でした。
私も幼かったし、心の病気が世の中に受け入れられない現実を知らず、まだそれらを受け流すスキルもなかったのです。
次第に連絡は取らなくなりました。

それから数年後。

たまたま大学時代の友達と京都へ旅行した時、渡月橋で信号待ちをしていたら向こう側に彼女そっくりな人が立っていました。
私はまさかな…と思いながらも気になってしまいじーっと信号が変わっても見つめていたら、向こうも同じようにじーっと見つめてきて、すれ違う時にお互いが確信し「あー!」と大声を出しました。
一緒にいた友達には高校の友達と説明し、彼女と少し話をしました。彼女は急いでいる様子であまり時間はなかったようですが第一声が「元気?」だったのです。
私はそれが凄く嬉しくて嬉しくて。覚えていてくれたんだなと思いました。
久しぶりに会ったら最初に言う普通のセリフですが、諸々あったからこそのその言葉だった気がして。

「何しよんの?」と聞くと
「今うちのおかんと旦那のお母さんを京都案内しよるとこなんよ」と言われました。
「あ、そうなんや!結婚したんやね!」という私に
「そうなんよ。結婚したんよ」と言ってくれたので
「え?あの大学の時の人?」と聞くと
「そうそう。あの人と。で今は大阪におるんよ」と。

「そうなんや!良かったね。おめでとう」
「ありがとう。元気でやっとん?大丈夫?」と言われたので
「うん、何とかやっとるよ」と答え
「心配しとったんよ」と言われました。
「今時間ないから又メールするね」
「うん、私もするね。会えて嬉しかった」

そう話して別れました。こんな偶然があるんだなぁ。
まさか京都で再会するなんて。ドラマみたいです。
一緒にいた大学の友達もかなり驚いていました。

幸せそうな彼女の姿を見てドリカムの未来予想図が浮かびました。

夏はバイクで2人 街の風を揺らした
ヘルメット5回ぶつければそれは ア・イ・シ・テ・ル の言葉のかわり
時々心に描く 未来予想図には
あなたの手を握りしめてる 私がいる
きっと私これからも わがままばかりで困らせるけど
こうしてずっと あなたとよりそってゆきたい
〈未来予想図より抜粋〉


卒業してから もう3度目の春
あいかわらず そばにある 同じ笑顔
あの頃バイクで 飛ばした家までの道
今はルーフからの星を 見ながら走ってる 
私を降ろした後 角をまがるまで 見送ると
いつもブレーキランプ5回点滅
ア・イ・シ・テ・ル のサイン 
きっと何年たっても こうしてかわらぬ気持ちで
過ごしてゆけるのね あなたとだから
ずっと心に描く 未来予想図は
ほら 思ったとうりに かなえられてく 
ー 省略 ー
どれくらい同じ時間 2人でいたかしら
こんなふうにさりげなく 過ぎてく毎日も 
2人でバイクのメット5回ぶつけてたあの合図
サイン変わった今も 同じ気持ちで
素直に 愛してる 
きっと何年たっても こうしてかわらぬ思いを
持っていられるのも あなたとだから
ずっと心に描く 未来予想図は
ほら 思ったとうりに かなえられてく
〈未来予想図Ⅱより抜粋〉


大学からお付き合いをして結婚するカップルは沢山いると思いますし
彼女達が実際にヘルメットもブレーキランプもやっていたかは分かりません。
でも、ドリカムが大好きな彼女が辿った愛の道は私にはこの歌通りに感じました。
途中、お別れしそうな時もあったと聞いた事もあったし平坦ではなく色んな障害もあったでしょう。
でも人生を共に歩むことを決めて今も一緒にいる二人が私には眩しく見えます。
(お付き合いをするという事は色んな事があるしそれを乗り越えて皆さん続いていくというのは承知しておりますが、何故か彼女達にはこう思ってしまうのです)

今は連絡先は分かりますが昔と同じように長く連絡は取っていません。
私が体調が安定しなかったり住んでいる場所も環境も違えばなかなか交流する事も難しくなりました。
でも、LINEのアイコンには可愛らしいお子さんの写真が設定されているし
あの歌のようにきっと今も同じ時間を過ごしていてそれは続いていくんだろうなぁと勝手に想像しています。

疎遠になったからといって嫌いになった訳じゃない。
今でも彼女は私の憧れだし幸せでいて欲しいと心から思える相手です。


いつかもう少し年を重ねて
その頃私が元気になっていたら
4人で会いたいね。


私の大切な友達の素敵なラブストーリー❤️でした。





仮にサポートを頂けましたら大変貴重ですので大事に宝箱にしまいます。そして宝箱を見て自分頑張ってるねと褒めてあげます(〃ω〃) ♪