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この頃はまだ私のツノはツノ隠しの中に

「何だかおかしいかな?」などと思う余裕もなく・・・

というのも、父と母の結婚生活をずっとみてきたので
「恋愛は楽しむものだけど結婚は現実だ。苦しいものなんだ」
と私はずっと思いこんでいたのだと思います。

ですから、多少疑問に思うことがあっても
「まあ、どうにかしていけばいいかな」くらいに考えていました。

新婚旅行の行き先も決めておらず、
宿泊代まで自分のお祝儀で払ったというのは前回記しましたが
もう一つ他人が聞いたら驚くようなことがありましたよ。

それは
結婚式当日に私の左手に結婚指輪がないことに気がついた義母が
「キヨミさん、結婚指輪は?」と聞いてきたのです。

「え?ないですけど・・・」と答えると
「栄一(夫)に結婚指輪を買うようにお金を渡してあるから買ってあるはずだ」
というのです。

そこで義母が夫に問いただすと
ふっと左側にそっぽをむいて
「ああ、あの金か。昨日全部飲んだったよ」と答えたのです。

どうやら独身最後の夜ということで
従兄弟と朝まで飲み明かしたという話。

それを聞いた義母がどんな反応だったのか、どう決着したのかはもう忘れましたが
結局結婚指輪ももらえないままで終わりました。

後に自分で月賦でシルバーの指輪を一つ買って
体裁を整えるためにはめておりました。

あの指輪、今はどこにあるのかなあ?
探してみましょうかね。

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