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駐妻のアイデンティティ喪失とロールモデル迷子

私は夫の海外赴任に伴い、ヨーロッパで暮らすアラサーニート引きこもり駐妻。

駐妻になってから丸一年。

都内で働くOLというアイデンティを喪失してからも一年。

悲しみに暮れる日々も段々と立ち直ってきて、今は冷静に振り返ることができているかもしれない。




都会に帰りたかった日々


東京の中心地で長年OLをやってきた。

ビルに囲まれた中を歩き、昼はお弁当が中心だけれど、たまに外に出ておいしいランチを食べる。

飲み会もおいしいお店やおしゃれなお店。

友達と有名なお店に行くことも。

一方私が越してきたのは、人より鳥が多く、
自然豊かでビルはほとんどないところ。

中心地に行ったとて、東京ほどの都会じゃない。

それがどうしてもどうしても耐えられなかった。

東京のにぎやかな下町に生まれ育ち、遊びや学校は中心地の方。

日本にいる時はそんなこと全く気にしたことがなかったのに、私は都会が好きだったらしい。

外国人が銀座に行く理由も良く分かる。

世界には、銀座がない国のほうが多いのだ。

あまりにも耐えきれなくて、二月に航空券を予約(一か月過ぎたころ)。

ゴールデンウィークには東京にいたのであった。

欲しいものがわからない!


OLの時は、浪費のために働いていると言っても過言ではなかった。

私服通勤でわりと恰好も自由だったので(誰も何も言えなかったのかもしれない

服、靴、カバン、アクセサリー。。。。
TPOをわきまえつつ、お気に入りのものに囲まれて仕事をするのが好きだった。

通勤時はSNSをチェックして、ボーナスで何を買うか考えて、駅ビルに寄って洋服を見たりコスメを見たり。

ヨーロッパ旅行が好きだったのも、買い物のため。
観光地なんてほとんど行ったことがなかった。

ヨーロッパに来た当初は、欲しいものがたくさんあるんだろうなぁ。
でも収入がないから我慢するのも悲しいなぁ。

なんて思っていた。

日本に逃げ帰った時は、何を着るか、どんな格好をしたいのか毎日すぐ決められたのに、

こちらの国にいると、何を着ても自信がない。
何をしていても浮いているような感じ。

お店に行っても、コレ!というものが見つからないのである。

そんなの、買い物好きの私には信じられない、生まれて初めての現象だった。

生活の自信がもたらした変化


一年が経とうとしている時、以下の通り集大成的なイベントがあって、

なんだか自信がついてきた。

コミュニケーション取れるんじゃん、わたし。

そう思えたらね、物欲がすごいんです。

それも収入のない中では困りごとなのですが。

物欲が湧いてきて、お店に行くと、コレ!ってものが前みたいにわかるようになってきた。

人の目を気にせずに、自分が良いと思えるものが分かってきた。

たぶん物欲がすごいのは、新しい自分になろうとしているからなのかな、と思う。


アイデンティティの喪失故に、ロールモデルも見失う


欲しいものがコレ!とわかるのって、
自分がどういう風になりたいかが明確にわかっているからなんじゃないかと最近思うのです。

私は一つの会社、同じ部署が長かったので、色んな先輩を見ることができた。

だいたい何年後こういう風になるんだろうな、とか

この先輩みたいになりたいから今はこれを頑張ろうとか

身近なお手本がたくさんいたので、ある程度未来に対しても予測を立てることができたし、安心もしていた。

(今になって、なんと素晴らしい環境だったのだと実感している。)

家庭と仕事を両立しながら、ほどほどに働いて好きなものを買って。
産休育休取って復帰して時短で働いて、育児が落ち着いたらフルタイムで、
いや、お給料だいぶ減るみたいだし親に協力してもらって早めに戻りたいな。
そして自分が大変でも人を助けられる余裕を持てるくらい、仕事ができるようになりたい!

なんてね、思ってたんです。

ところがどっこい、長期で休んで専業主婦になった。

産休育休とは違って、育児という大事な仕事もない。

接するのはほぼ夫のみ。

全く同じ経験をしている人はほぼいない。

未来が全く見えない。

仕事はありがたいことに休職させてもらっているものの、当然同じ環境には戻れないし、そもそも休職可能期間に帯同が終わるのかもわからない。

日本に戻ったら転職活動してほかの会社で働くかもしれないし、働ける状況にないかもしれない。

自分の人生どこを目標に歩いたらいいのかすら、わからなくなってしまった。

今のわたしの憧れの人


ほんの少し自信がついて、物欲が湧いてきた私。

最近好きなyoutubeチャンネル

パリのストリートスナップや、外国で働くおしゃれな女性のインタビューが見ることができる。

こちらで浮かない服装チェックのために見始めたのだけれど、すごく素敵な女性がたくさん出てくる。

中でも惹かれたのは、


石井庸子さん。

すごくおしゃれなのはもちろん、立ち居振る舞いや喋り方、こんな風に歳を重ねたい!と思えた。

お家の中もとっても素敵で、こだわりの物に囲まれて生活していらっしゃる。
ブランド品で固めるのではなくて、使いこなして自分になじんだヴィンテージを身に着けるのもかっこいい。

そうしてyoutubeのお勧めに上がってきたのが、

井筒麻三子さんのチャンネル。

旦那さんと蚤の市に行く様子もとても楽しいし、マルシェで買ってきたものを料理して、可愛いお皿で食事を楽しんでいるのがとても素敵。

本もkindleで購入したのだけれど、紙で手元に置いておきたいので一時帰国の時購入するつもり。


どういう私に向かっていくか


お二人とも、パリという異国の地に馴染んで、自分らしく心地よく生活されている。

マルシェに行ってもフランス語でコミュニケーションをとる姿も、かっこよくて素敵。

やっぱり言葉は大事だ。

まずは英語をもう少し頑張って、4月から語学学校に通うつもりだ。
今年は現地の言葉を頑張って、来年はフランス語の勉強を始めたいと思っている。

場所がどこであっても、自分らしく歳を重ねていきたい。

こだわりに囲まれて、でも考え方は柔軟で、おしゃれなおばあちゃんに私はなりたい。

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