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愛を持って「いる」を見る

『観察力の鍛え方』

いい観察は、ある主体が、物事に対して仮説をもちながら、客観的に物事を観て、仮説とその物事の状態のズレに気づき、仮説の更新を促す。

最近心掛けている読書にも通じることだと思っていて、その本を読む前に自分の仮説を持っておくことで本の内容をよく観察できるし、自分で持っていた仮説の更新も促されていく。

なんとなく読みたいなぁの読書は、結局なにも観察できない。

読書だけでなく、学生のこと、研究のことに対して「いい観察」をするためには、仮説を持ち、物事をみる姿勢がまず大事だなと感じています。


「わかる」から遠ざかろうとして、世の中を観察すると、違う世界が見えてくる。
あいまいな状態、わからない状態で、どう思考し、行動するのかの価値が、相対的に上がってきている。

正解を求めることや「わかる」の価値は相対的に下がっている。「わかる」を重視しないと、あいまいな世界に向かう。あいまいはつらいが、正解・わかるではなく、納得解を求めようとして、どう思考し、行動するかを考えることで観察力が磨かれる。


わからないと向き合うとは、目的を手放すことである。

自分の知識を前提として観察しても世界の見え方は変わらない。正解のある目的に向かうのではなく、アンラーンし、あいまいな世界に身を置き、愛を持った観察をすることで仮説が更新される。

あいまいはつらいけど、相手の「する」を見て評価・アドバイスしたいけど、「いる」を見ることが良い観察。そこには対象への「愛」がなくては成立しないというのも納得。
娘の観察はよくできるものなぁ。思考がぶれる良き本と出会いました!

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