見出し画像

あくるひの午後


たべすぎて頭がぼーっとするような

うたた寝をしたいのになんだか眠れない時のような

けっしておざなりにしてるわけではないのに

けっして諦めているわけではないのに

ちょっと休みたくなるような午後

木漏れ日の音を聴きながら

ひんやり冷たいフローリングにほっぺをくっつける

私は猫のように丸まって

陽のあたるところで目をつむる

耳の中で誰かが喋っている

機械のように冷たく話すクライアント

パソコンの中からこっちを見つめているようで

なんとなく目が開けられない


どうにもこうにも逃げられないことはある

どうしようもないことも

だけど飲み込めなくて喉につっかえているものも

だけど、いまは、いまだけは

少し眠りたいなぁ

消えないことはわかってる

だけどちょっとだけ休ませて


夢の中で私は猫を抱いていた

柔らかくて少し木のにおいがするその猫を抱きしめた

腕にぎゅっと力を入れたら、ふっと消えた

あたたかいものがなくなって

腕の中に冷たい風が吹き込んだ


はっと目が覚めた

目を開けたらフローリングが見えた

日は落ちて、グレーの光が差し込んでいた

冷たくなったパソコンを立ち上げる

私の痕跡が残る画面に文字を打ち込んだ


ただいま。

一人だけど、一人じゃない世界。


#小説 #創作 #詩 #コラム #エッセイ #猫 #毎日投稿




言葉を綴ることで生きていきたいと思っています。 サポートしていただいた分は、お出かけしたり本を読んで感性を広げるのに使います。 私の言葉が誰かに届きますように。