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20年間心に居座った元彼の手放し方

「もう別れよう」
最愛の男は突然そう言った。

あれから20年。
私は恋愛がうまくできないままアラフォーになった。

20代の頃、私には大好きな彼氏がいた。
大学の同じサークルで、気付いた時にはもう好きだった。
色んな話をして、色んな表情をみて、どんどん好きになった。
彼のものの見方や考え方が好きだったし、単純に顔も身体も好きだった。
笑った顔が好き。声も好き。ほくろの位置も好き。全部好き。
「かわいい」「おもしろい」「好き」、言われるたびに嬉しくてこそばゆかった。
一緒に食べるご飯は何でも美味しくて、世界がキラキラしてみえた。
この頃の写真の私は、幸せそうで文句なしにとっても可愛い。

でも、幸せな日々は続かない・・・

付き合って3年目の夏、その頃には一緒に住んでいた彼から突然別れ話が出た。
前兆はなかった、と思う。

前日の夜、初めて作った里芋のオイスターソース炒めが超絶美味しくて、明日も作ろう!って約束した。
夜ご飯の後、渡辺謙主演の『明日の記憶』を見て、感想を言い合いながら寝てしまった。
いつもの日常。

翌日の朝はお互いばたばたと家を出て、夜帰ってきた時に急に振られたのだ。
意味が解らなかった。冗談かと思った。
理由を聞いたけど、「ずっと一緒にはいられない、だったら今別れた方がいい」とだけ。
納得できるわけもなく「嫌だ」と言い続けたけど、彼が自分で決めたことを絶対曲げないってことはわかっていた。
そういうとこも好きだったんだけどな。

そして彼は、部屋を出て行った。

私は泣いたりしなかった。
飽和した悲しみの中でぼんやり日々を過ごした。
この頃の記憶はあんまりない。
覚えているのは、オイスターソースの匂いを嗅ぐと吐きそうになったことくらい。

別に、よくある失恋の話だ。
私は彼に夢中になり過ぎて、知らず知らずにメンヘラになって、執着とかもするようになって、彼も冷めてしまったんだろう。
頭で理屈をこねくり回して理由を付けて、私はこの恋を封印した。
一通り友達に慰めてもらったし、半年後には新しい彼氏もできた。
私にすぐ彼氏ができて、元彼が少なからずショックを受けているのを風の噂で聞き、ちょっとすっきりしたりもした。

でも、それでも。私の心の中にはいつも彼がいた。
いつまでたっても彼の夢をたくさん見た。
楽しくて幸せな夢から覚める度に現実に絶望した。
それでもなぜか涙は出なかった。
涙は結晶化して私の中に深く根を下ろしてしまったみたいだ。

それから20年。
え!!20年って笑えるほど長くない!?
これだけ経てば、さすがにもう絶望はしない。
復縁を望んでるわけでもない。
そしてこの間、私はいくつもの恋を逃し続けたけど、それはまた別の話。

ここまでくるともはや元彼の呪いだ。
もう人を好きになることなんてできないんだろうな・・・と恋愛も結婚も諦めていた私に、転機が訪れた。

ひょんなことから受講することにした小田桐あさぎさんの魅力覚醒講座。
色々な変化があったが、この元彼への捉え方も大きく変わり、私は彼の亡霊とさよならすることができたのだ。

あさぎさんとの出会いと魅力覚醒講座についての詳細はこちら。


どうやって私が元彼への気持ちを手放したのか?

1.元彼とのあれこれを「Gift」にリフレーミング


講座では、日々自分の気持ちをアウトプットすることが推奨される。
私は、元彼の誕生日にこんな投稿をした。


今日は忘れもしない元カレの誕生日。
語呂合わせで覚えちゃったからどうしても思い出してしまう🤮
さすがにもう忘れられない・・・とかじゃないんだけど、これまで一番好きになった人だからなんとなくノスタルジーな気分。

そしたら、講座の同期たちからこんなコメントがついた。

「昔好きだった人、私は今となっては全員フツーの人。その切ない気持ちが羨ましくもある☺️」
「今も誕生日を忘れないくらい好きだった人がいることが羨ましい😍 私の思い出には、そこまでの人っていないんだよねー😢」
「無理に忘れなくていいと思うし、その気持ちをそのまま受け入れてあげて🥺💗 好きだったならそう思うの当然だよ」

ここまでメンヘラ気質を隠して生きていたので、「重いかな」とか「引かれるかな」って思って不安だったんだけど、みんな優しくて泣きそうになった・・・
感謝。受けとめてくれてありがとう。

そして気付いたこと。
こんなに20年も心に残るくらいの人に出会えたのって実はものすごいことなのかも?!
自分が執念深いだけかと思ってたけど、それにしたって20年て!
大切な過去があること、忘れられないほど好きだった人がいること、誇りにして生きていってもいいのかなって思えた。

そうしたら、元彼の「呪い」が一気に私だけの「Gift」になった。
出会えたことに感謝。
こんな想いを経験させてくれたことに感謝。


2.愛情の「受け取りエラー」を正す

元彼をこんなに引きずったのは、おそらく一方的に別れを告げられたせい。
「なんで振られたんだろう?」という答えのない問いを考え続けていうるちに、「そもそも私のことなんて初めから好きじゃなかったのでは?」みたいなことまで考えが及んでやられてしまったんだと思う。

講座の中では色々なワークをやるんだけど、以下のテーマの時に元彼のことを思い出した。

【1. これまで人にされて嫌だったこと、悲しかったことはなんですか?】
【2. 相手の立場に立ち、愛情や優しさだと捉え直してみると?】

私が書いた答えはこんな感じ。


1.  元彼に一方的に振られてとても悲しかった。
私はまだ好きだったのに。

2.  ずるずる自然消滅を狙うこともできたけど、ちゃんと幕引きをしようって決心して言ってくれたのかもしれない。
もしかしたら致命的な理由があったけど、私が傷つかないように何も言わなかったのかもしれない。

そういえば、「別れよう」って言った後も私の気が済むまで一緒にいてくれた。
私のこと、好きじゃなくなったかもしれないけど、私の「好き」って気持ちはちゃんと最後まで受け止めてくれた。見届けてくれた。
かもしれない。

・・・あれ?
もしかして、私、ちゃんと大切にされてた?
恋愛感情は確かになくなったのかもしれない。
でも、蔑ろにされたわけじゃない。
ちゃんと最後まで私のことを大切に想ってくれてたんじゃないかな?

なんだか、それで充分な気がした。

本当のことはもうわからない。
でも、どうせわからないなら自分の信じたい方を信じようって決めた。


こうして私は、20年私の心にいた元彼から解放された。
逆かな、心の中に閉じ込めていた元彼の残像を解放した。

この先、また好きな人はできるのかな。
恋愛してる自分のこと、好きになれるのかな。
もうアラフォーだけど結婚とかできるかな。
幸せに、なれるかな。

わからないけど、でもきっと大丈夫。
私はとても人を大切に想ったことがあって、その人にも大切にされていたんだから。


ありがとう。
大好きだったよ。
どうかどこかで笑っていてね。

ばいばい。

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