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英語&翻訳解説【Jamming】


まず曲を理解する

前曲Exodusで暗闇から脱出した我々はこのダンスナンバーで光の世界に足を踏み入れます。

曲のテーマはパーティです。

全能の神によって生かされていること、そのこと自体を祝うパーティです。

参加資格はひとつだけ。それは神に感謝し、神を賛美し、神の方を向こうとする心を持つことです。

あとは音楽のある所に集い、踊り、歌い、喜び、リラックスしてパーティを楽しめばいい。それがこの曲のメッセージです。

軽めのサウンドとややテンポアップしたリズムが心を高揚させ、身体を揺らすポジティブでハッピーなナンバーです。

英語表現と訳し方

We’re jamming
動詞jamは「ジャムセッションする」です。

ジャムセッションとは自由に即興で音楽を演奏することです。

でもこの言葉は、もっと広く「楽しむ」、「パーティをする」、「踊る」という意味で使われます。

Bob and friends in a party mood

繰り返すパートは「ジャムセッション中」、他の箇所は「パーティをする」、「踊る」と訳し分けて意味を補っておきました。

Ain’t no rules, ain’t no vow
Ain’tはare not、is not、am notの代わりに使われるスラングです。

主語thereが省かれています。全部書くとThere are no rules, there is no vowとなります。

Vowは「誓い」です。神に誓ってする約束のことです。

We exchanged marriage vowsと言えば、「結婚の誓いを交わした」という意味になります。

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See ~ through
「最後まで~を見届ける」、「最後まで~の面倒を見る」という意味の慣用表現です。

Pay the price

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「代償を払う」、「料金を支払う」、「ツケを払う」、「落とし前をつける」といった意味でいろんな場面で使われるフレーズです。

ここでは毎日代償を払っていると歌っています。代償とは神に捧げている自分たちの命のことです。

Living sacrifice 

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Sacrificeは「いけにえ」、livingは「生きている」です。

日本語版聖書では、living sacrifineは「生きた供え物」と訳されています。

キリスト教の知識がないリスナーにも分かるように「神にすべてを捧げる」と意訳しました。

A thing of the past
「過去のもの」、「過去の遺物」という定型表現です。

We are working to make racism a thing of the pastと言えば「我々は人種差別を過去のものにしようと努力している」です。

Last
動詞として使われる場合、lastは「続く」、「持続する」という意味です。

派生語にlastingというのがあります。

「永続する」、「永久の」という形容詞です。

Lasting memoryと言えば、「消えない記憶」です。

I hopeという言葉が願望を表しているので少しアレンジして「永遠になる」と訳しました。

Beg

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「施しを請う」、「許しを請う」です。

英会話テキストの定番フレーズI beg your pardonのbegです。

Bow
「頭を下げる」という動詞です。

英語圏には頭を下げてお辞儀する習慣はありません。

Bowは深い尊敬や絶対的な服従を示す動作です。

Jah Jah
ルーツレゲエにおける定番表現です。

Jahとはアブラハムの民が信じる唯一神のことです。

二回繰り返すことに意味はありません。

リズムをとって歌いやすくするために繰り返すんだと思います。

Gold
「金」や「黄金」のことですが、「金貨」という意味もあります。

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転じて「富」、「金銭」、「財宝」を指すようになった言葉です。

ここでは「命」との比較なので「お金」と訳しました。

In the name of the Lord
「Lord(神)の名前において」という定型表現です。

神に祈る時に必ず使う言葉です。

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日本のクリスチャンの間では「主の御名(みな)によって」という言い方が一般的です。

誰でも意味が理解できるように「救い主(救世主)の名によって」と訳しました。

Right straight from yard
Straight fromで「from以下から直接」です。

Rightは意味を強めるために加えてある添え言葉です。

Yardはジャマイカのスラングで「家」や「出身地」を指します。

Yardieという言葉もあります。

Yard出身者、つまりジャマイカ人やジャマイカ系の人たちのことです。

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Holy Mount Zion
Holyは「神聖な」、「聖なる」という形容詞です。

Holy Cityと言えばエルサレム(Jerusalem)のことです。

Jerusalem at sunset

Mount Zionは一般的にはエルサレム旧市街東南の丘のことですが、ラスタにとっては別の場所を指します。

アフリカやエチオピアの特定の山のことではありません。アブラハムの神がいる場所、つまり天国のことです。

Sitteth
古い形の英語です。現代英語に直すとsitsとなります。

単に「座っている」のではなく、創造主(the Creator)として「王座(throne)についている」という意味です。

All creation

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「あらゆる創造物」、つまり「万物」です。

Creation of Godと言い換えることができます。

Watcha-wah-wah-wah
音遊び的フレーズですが、ジャマイカ人が言うwatchaにはlook hereという意味があります。

ジャマイカ式の注意を促す呼びかけです。

Jamdung

これもジャマイカのスラングです。

ジャマイカのことを指します。

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Blah blah with you
Blah blahは擬声語です。

言うべきでないことを言う代わりに使います。

「何がしたい」か具体的に言わない方がいいと判断してボブが即興的に発した言葉です。

Blah, blah, blahと三つ重ねると「何とかかんとか」という意味になります。

韻を踏んでいる箇所

この曲はすごく多いです。9か所で韻を踏んでいます。

Ain’t no rules, ain’t no vow, we can do it anyhow

’Cause every day we pay the price
We’re the living sacrifice

To think that jamming was a thing of the past
We’re jamming
And I hope this jam is gonna last

No bullet can stop us now
We neither beg nor we won’t bow

We all defend the right
Jah Jah children must unite

And we’re jamming in the name of the Lord
We’re jamming
(Jamming, jamming, jamming)
We’re jamming right straight from yard

Jah sitteth in Mount Zion
And rules all creation

Jah knows how much I’ve tried
Truth I cannot hide
To keep you satisfied

True love I know exists is the love I can’t resist

翻訳する上で難しかった点

Jammingの訳し方が難しかったです。「ジャムる」という言葉がまずアタマに浮かびましたが、意味が演奏に限定されるので避けました。ジャムセッションという名の音楽を伴う「パーティ」が現在進行中なんだという形で訳しました。

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