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読書紹介49「自己肯定感の教科書」

(表紙裏の言葉より)
 本書には「自己肯定感」についてのすべてが書かれています。
 なぜ、名の人は根拠なき自信を持っているのか?
 打たれ強い人はいったい何が違うのか?
 それには自己肯定感が深くかかわっています。
 自己肯定感は人生を切り開く力になります。そして、自己肯定感は誰でも、いつからでも高めることができる技術です。本書はその技術をわかりやすく解説するは初めての本です。

感想

「自己肯定感」に関するあれこれをとても丁寧に分かりやすくまとめている本。まさにタイトル通りの「教科書」的な内容でした。
それまでは、何となく「気分」的なものかと思っていました。だから、無理にポジティブ思考で行こうとか、心の中ではかなり無理しているのに、笑顔を作ろうとか、誰かのネガティブな気持ちまで背負い込んで、「自己犠牲」的な行動をとったり、けっこう、自己肯定感を上げているつもりで、ちぐはぐな行動をばかりでした。

自己肯定感に関するポイントは次の通りでした。

<ポイント>
・自己肯定感とは、自分が自分であるに満足し、価値ある存在として受け入れられること。いわざ、人生の軸となるエネルギー。
・自己肯定感が高い状態にあると、物事を前向きに解釈することが出来、気持ちが安定し、積極的に行動することができる。

●自己肯定感は揺れ動く。
●自己肯定感の高め方は「一瞬で高まる」「少しずつ高まる」の2通りある。
●無理に高めとうとしなくていい

・過去の失敗や他人との比較に囚われると、自己肯定感を下げることになる。
・「誰かに認めてもらいたい!」と言う気持ちが強い時は、自己肯定感が下がってる時。自分の努力と成果を自分で評価することで、無理せずとも自然自己肯定感は高まっていく。

今回、そもそも、自己肯定感とは何か、そして、その土台になる6つの「感」があることがとても参考になりました。

<自己肯定感を支える6の感> 要約
1 自尊感情  自分に価値があると思える感覚 木でいうと根っこの部分 土台の部分
2 自己受容感 ありのままの自分を認める感覚さ 木でいう幹の部分 しなやかさが必要
3 自己効力感 自分にはできると思える感覚 木でいう枝の部分 広がっていく部分 
4 自己信頼感 自分を信じられる感覚 木でいう葉の部分 輝いていくもと
5 自己決定感 自分で決定できるという感覚 木でいう花の部分 決めることで花開く
6 自己有用感 自分は何かの役に立っているという感覚 木でいう実の部分 それ自体がご褒美

 一口に自己肯定感と言っても、6つの中身によって、意味も対処方法も違ってくることが良く分かりました。私は、土台となる自尊感情が満たされていないのに、いきなり「果実」の部分にあたる自己有用感~誰かの役に立っている~という部分を高めようとして、かえって、「認めてもらいたい」気持ちが大きくなって、自己犠牲的な行動になってしまっていました
 あるいは、自己信頼感を上げよう、自信をつけるために、いろいろためして、チャレンジしても、その前の段階である「自己受容感~ありのままの自分を認める」が満たされていなくては、自分を追い込んでしまうだけになりました。
 
何かができようとできなかろうと、生産性があるか、かないかとは関係なく、まず、自分は存在していい、存在自体に価値があるということが土台にないと、簡単に自信も自己肯定感も揺らいでしまいます

その上で日常生活でできる、簡単なワーク、ちょっとした行動の工夫も紹介されていました。

<一瞬で高める方法> 抜粋

・「やった~!」のポーズをとる
・太陽の光を浴びる
・鏡の中の自分にポジティブな言葉をかける
・少しだけ歩いてみる
・仮眠をとる
・おやつを食べる
・十分な睡眠をとる
・仕事のデスクの上に、好きな小物を置く
・5分だけ掃除する
・夕暮れ時は明るい所へいく

<じわじわ高める方法> 抜粋

・ライフチャートを書いて、自分の現在地を把握する
・アドラー心理学でいう「課題の分離(最終的な責任は誰にあるのかをはっきりさせて行くテクニック)」を書き出し、問題を切り分けてすっきりさせる
・未来の自分から見て、「今、自分は何をすべきか」を把握する
・リフレーミングを使ってネガティブな言葉をポジティブな言葉に変える
・日記で、今日あったよかったことを3つ書きだす。それを続ける

 アドラーなどを含めた心理学の理論も入っているようですが、「睡眠」「太陽の光を浴びる」「ちょっと歩いてみる」など、心と体はつながっているからこそ、心ばかりを考えずに、まずはしっかり寝て、美味しいものを食べて、毎日の生活の中で、体を大切にした生活習慣を作っていくことが大切なのだと改めて思いました。
 疲れたなあ、気分が沈むなあと言う時、ひょっとして、仕事のストレスというより、たんに睡眠時間やビタミンなどの栄養素が足りないだけの時もあるかもしれません。体の健康と共に自己肯定感も上がりそうです。

著書情報
・「自己肯定感の教科書」 中島 輝
・発行所   SBクリエイティブ
・発行年月日 2019年2月27日

皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです




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