写真_H29-11-12_4_31_17

【カミングアウト】今まで隠していたこと。私が困っていること、誤解を解きたいこと

この機会に、カミングアウトさせてください。

2018年、あけましておめでとうございます。
今年もカジヤマを宜しくお願いいたします。

といっても、このnote、約2年放置しておりました。

2018年、ようやく再開(というよりも、ほぼまっさらなまま再始動)しようと決めた理由を、このページでお伝えします。
1月5日、カジヤマが25歳になったのを機に、です。

放置していた2年のあいだ、私が強く望んだ世界を作るために、noteを活用していきます、という報告です。
その報告に必要不可欠なカミングアウトからさせてください。


私は、障害者です。


これだけでは誤解を招くことは確実ですし、カミングアウトの本質までは伝わらないでしょう。少しずつ言葉を足します。

2016年3月末で民放番組のADを辞職し、約3か月の検査を経て、2016年7月末に注意欠陥障害(ADD)と診断されました。薬による治療も、それと同時に始めました。まずは診断を受けるきっかけから今に至るまで、超ざっくり説明します。

2016年10月 障がいを隠して再就職。ばれたらクビというストレス、薬の副作用も重なって、ダイエットしていないにもかかわらず1年で10キロ減。以前の仕事よりも難しくなく、残業のない職場でもADDによるトラブルをよく起こしていた。
職場での雑談や人間関係の構築ができなかった。上司たちがみんなよそよそしくなり、陰口を言われていた。

2017年9月末 人手不足が解消されたことがきっかけで契約解除(事実上のクビ)。副業でやっていたはずが、本当にフリー(ライ)ターになり、今に至る。

診断を受けたあとから副業ライターを1年以上続けているので、なんとか収入ゼロの状態は免れました。しかし食べていけない…という状況が今ですね。

超ざっくりですが、診断を受けるまでにもいろいろあったし、正直これ以外にもいろんなことがありました。別の機会に、必要があると思えば言及します。

まずADDは、発達障害のひとつであると定義されています。

最近まで障がいとして表面化していませんでしたが、社会が効率ばかりを求め、複雑化していくことによって、発達障害で悩む・苦しむ人が増えました。私もです。

ここでは、障がいについて詳しく説明しません。

研究者・当事者による書籍も増えていますし、今回のカミングアウトの目的ではないからです。

もし、この障がいについて知りたいと思うなら、同じようにカミングアウトされたモデル/タレントの栗原類さんの自叙伝をおすすめします。ひとつ忠告しておくと、障がいを持つすべての人が彼と同じことで困っている・悩んでいるとは思わないでください。人間一人一人がみんな違うのと同じです。

勘違いされやすいこと。そして感じているであろう「違和感」について

次に、障がいについて今まで誤解されやすかったことや、おそらくみなさんが「違和感」を感じていることについて、この場を借りて説明させてください。

まず「発達障害者=役立たず」という公式は間違いです。正確には、得意と不得意のギャップが大きすぎて「みんなができて当たり前」ができない(苦手)ことが多いからです。よって、日本特有の「みんな同じでみんないい」という雰囲気に適応するのが難しいのです。

私の場合は、文章を書くのは得意です。検査では、人よりも優れた語彙力があるとの結果が出ました。小論文だけで進学校の推薦入試に合格したことや、中学3年生で漢字検定2級に合格したことでも証明できています。ですがコミュニケーションは苦手なので、同じ文章でもメールやチャットは苦手です。また、数字・図形で間違い探し問題やパズル、穴埋め問題を出されると、答えることができません。

発達障害者は、得意・不得意の差が顕著である場合が多いといわれています。しかしその得意・不得意はみんな一緒ではなく、全く違うのです。だから一概に「発達障害者=役立たず」などと誹謗中傷するのはやめていただきたいのです。

得意なことがひとつでもある人は、決して役立たずではありません。私は優れた人間ではないですが、文章を書くお仕事をいただけていることから「役立たず」という見方が正しくないこと、証明できていると思います。本当に役立たずだったら、ライターとしての実績は作れません。

また、コミュニケーションは苦手ですが、現在Twitterでお付き合いしている方、ライターとしてお付き合いしている方に、ADDが原因でご迷惑をかけることはないと思います。

直接会話してお仕事することがなければ、ほぼ困った事が起きないから。今でもADDにうまく対処できてないので、日常生活で困ることはあります。ですが文章を書くことが得意なので、ライターのお仕事ではほとんど困った事は起きません。むしろ好きなことをとことんやれるのでうれしいです。

現在、とくに仕事に支障が出ていないにもかかわらず「障害者とは一緒に仕事したくない」「障害があるなら仕事は頼まない」と判断してほしくないのです。それが、発達障害者に対する偏見であることは明らかです。

実は仕事先の人と雑談するのも苦手です。私と誰かのふたりで仕事を担当することや、大勢でコミュニケーションをとるのも苦手です。同年代の人しかいない場所も苦手です。

そのため、遠ざけていることもあります。例えば、いつもお世話になっている「たびねす」のミーティングは一度も参加したことがありません。大勢でワイワイする雰囲気は、ADDが原因の「困った」が起きやすいからです。人脈づくりやスキルアップのために参加したいと思っていますが、対処法がわからないので避け続けているのです。仲良くしたいのに適切な行動がとれないのがADDです。

いじめられていたことが心の傷になっているので、誰かが傷つくのは見たくありません。できれば仲良くなりたいと思っています。なかなか理解されない障がいだからこそ、知ろうとしてくれる人、差別をせずにお付き合いしてくれる人は大切にしたいですし、幸せになってほしいと思います。

ここまで、ADDの診断から現在までと、誤解されやすいことについて説明しました。

今まで私に対して何らかの「違和感」を感じていた人もいたと思いますが、おそらくその原因は障がいです。勘違いされることが多かったので、カミングアウトするうえでどうしても説明したかったのです。少しでも知ってほしかったのです。
違和感があった人は、おそらくすっきりしたんじゃないでしょうか?

カジヤマはなぜカミングアウトをしたのか

次は、なぜカミングアウトしたのかという本題について。

それは「職業:ライター」と名乗りたいから。もっと文章を書くお仕事をいただきたいからです。

そのためにはもっと人とかかわらないといけないし、勉強する必要があります。経験上、人と関われば関わるほど、ADD特有の「困った」場面に出会いやすいです。同時にまわりも困らせるかもしれない。そのとき、私の障がいについて少しでも伝えていれば、取返しのつかないトラブルを回避できると思うからです。

思い起こせば会社勤めで起こしたトラブルも、障がいを伝えていれば回避できたものばかりです。どんな場面でトラブルを起こすか分かっていれば、できることは増えます。「困っている」というSOSも出しやすいし、私にとってもストレスがありません。トラブルやストレスがなければもっと質の高い仕事ができます。WIN―WINの関係ができれば、障がいはデメリットではありませんよね?

それと、つらいのを我慢すること、黙っていることが、差別を助長するのではないかと感じたからです。つらいのを我慢するのって絶対によくないことです。
発達障害者が声を挙げなければ、困っていることを知ってもらえません。日本における当事者たちの現状や問題も知ってもらえません。支援方法や法律制定も検討されないでしょう。そして、すべての人が障がいに関係なく社会に貢献できるような未来は、訪れません。

この国には障害者差別がまかり通っています。私がADD当事者なので発達障害を軸に話していますが、障がいの程度・内容に関係なく、障害者差別は存在します。国が「障害者差別解消法」という法律をつくったにもかかわらず、国民のほとんどに認知されていないことからもお分かりでしょうか。

人々が「見て見ぬフリ」するのなら、当事者が声を挙げなければ、何も変わりません。

ちょうど私がADDと診断を受けたころ、日本で20人近くの障がい者が無差別に殺されました。あなたは覚えていますか?

今からでいいので、忘れないでほしいのです。この事件の容疑者は「障害者は人に迷惑をかけるから安楽死させるべきだ」と供述しています。このような言葉に日々おびえて生活していたり、外に出るのが怖くなったりした人がいると聞いています。私も、このような言葉には耐えられません。私はこのような身勝手な差別を、絶対に許しません。

だから声を挙げます。

発達障害をカミングアウトすること

日本では、ADDをカミングアウトした人は多くありません。

私がカミングアウトを考え始めたのは、冒頭でも述べた栗原類さんがきっかけです。もっとカミングアウトする人が増えれば、世の中も変わるのではないでしょうか。

私は障がいを理由に夢をあきらめたくないですし、人権が認められないのも許せません。障がいがあってもやれると証明して、差別をなくしたいのです。それこそが本当の意味で「障害をなくす」ことだと思います。今後もライターとしての仕事のクオリティを上げていきますし、実績をふやすことができれば「障がい者=役立たず」ではないと証明できるはずです。

職や地位を失えば生活できなくなるから、発達障害を隠している人もいると思います。確かに生活は大切です。発達障害が広く知られることで、周囲にばれるのを恐れている人もいるかもしれません。
しかし隠さないと生活できない社会は異常です。そんな世界は楽しくないですし、私も隠して生きることがつらかった。発達障害が原因で生きづらさを感じているのはひとりだけではありません。

障がいのある人みんなに、隠す権利も隠さない権利もあります。それでも私は、障がいを隠さなくても幸せに、安心して暮らせるような世界を望んでいます。

また、障がいには基本的に治るという概念がありません。

ですが「周囲の理解」「環境」「当事者」次第で障害をなくすことはできそうだと思いませんか?この3つのうち1つでもかけていたら難しいと思います。つまり当事者と周囲、双方の歩み寄りが必要です。

どうか、障がいについて知っていただけないでしょうか。まずは「知る」ところからでかまいません。そこから、私の望む未来がはじまるのです。

カミングアウトしただけでは、世界は変わりません。しかし私には文章があります。文章を通して発信し、世界を変えていくことが、私にできることです。

よってnoteを活用して、障害者差別のまかり通った世界を変えていきたいと思います。次のnoteでどのように活用していくか、なぜnoteなのか、お話しします。

この窓口を通じて受け取った支援は、#発達障害の私とヨーロッパ旅 に使います。詳しくはカジヤマの無料noteをご覧下さい。金額は問いません。なお、noteを購読することでも支援ができます。