見出し画像

強烈!分からないからこそ面白い「未知との人間の遭遇」映画3選

映画を観るモチベーションの1つとして、「訳の分からない未知のものを観たい」というのがある。
訳の分からないものを観ることで、「何これー!全然意味わかんねー!」と思うと不思議と高揚してくる。(共感してくれる人いるよね?)

私は怪獣系、ヒーローものにあまり興味がないため必然的に「未知の人間」を観ることになる。

そんな未知との人間に遭遇をさせてくれる骨太映画を3つ紹介します。





車との子供を産みます。ジュリア・デュクルノー『TITANE』

https://hanbunorita.com/1/eiga/titane.html

あらすじ
幼い頃、交通事故により頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたアレクシア。
彼女はそれ以来<車>に対し異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。自らの犯した罪により行き場を失った彼女はある日、消防士のヴァンサンと出会う。10年前に息子が行方不明となり、今は孤独に生きる彼に引き取られ、ふたりは奇妙な共同生活を始める。だが、彼女は自らの体にある重大な秘密を抱えていた──

『TITANE』公式HP https://gaga.ne.jp/titane/about/

対物性愛の映画をもっと観たくなりましたね。私にとってはこれが初めての対物性愛を描いている映画だったので、ぶっ飛びました。
アガド・ルセル演じるアンドリアへの車への欲情が散りばめられていて本当に素敵だった。。。もちろんセックスシーンもめちゃくちゃ良かった。興奮しました。
アンドリアは暴力的なことをするし人もたくさん殺すんだけど、愛情に飢えていて純粋な方なんですよね。その描き方がめちゃくちゃ切ない。最後のアンドリアの出産シーンが美しすぎて、、、「愛」に性別も有機物も無機物も関係なくて、これが本物の愛じゃん、、、、と感動しました。
アンドリアの身体の使い方、艶めかしさ、野蛮さがとても魅力的な映画です。ぜひ。

猟奇的なアダムドライバーは好きですか?レオス・カラックス『アネット』



https://fansvoice.jp/2021/07/19/cannes74-annette-review/

あらすじ
ロサンゼルス。攻撃的なユーモアセンスをもったスタンダップコメディアンのヘンリーと、国際的に有名なオペラ歌手のアン。“美女と野人”とはやされる程にかけ離れた二人が恋に落ち、やがて世間から注目されるようになる。だが二人の間にミステリアスで非凡な才能をもったアネットが生まれたことで、彼らの人生は狂い始める。

https://ginzamag.com/categories/interview/278736

なんだったんだろうこの映画。。。とあっけに取られたのを覚えている。
映画のテイストも分類が難しい(ミュージカルなのだろうけど何だったのだろう?)し、伝えたいメッセージも初見ではかなり分かりづらいのではないだろうか。
面白いものを作るためなら子供だってなんだって利用していく芸能人夫婦のがめつさと加虐性に対する罪がテーマなのだけど、演出が突飛過ぎて本当に衝撃を受けた。
なんでこんなにユニークなんだろう?と思ったら、スパークスが原案、音楽、脚本に携わっていると知って、ああ、、、と少し納得するところがあった。
それでも、いやそれだからこそかなり魅力的である。私はこの映画を観てから1年以上時間が経過しているのだけど、生活のふとしたタイミングでこの映画のワンシーンを思い出す。


https://fansvoice.jp/2021/07/19/cannes74-annette-review/



まず冒頭でアダムドライバー率いるクルーのミュージカルパートのカリスマ性で一気に引き込まれる。そして彼は気性の荒おスタンダップコメディアンの役なんですよね。彼の繰り出す狂気じみだブラックコメディアンの様相が本当に素晴らしい。ミュージカルシーン、コメディアンシーンを観ていると映画を観ているというより舞台を鑑賞しているかのような充実感を得られた。
作り物と本物が交錯する演出がより我々を混乱させると同時に、芸能の世界のアンビバレントさを表しているような印象を受けた。
観た直後より、時間が経てば経つほど好きになる不思議な映画である。



めちゃくちゃ淡々としてるのにヤバい。ロビン・ハーディ『ウィッカーマン』

https://www.skyperfectv.co.jp/program/st/eiganosora/article/detail.php?k=wickerman

あらすじ
スコットランド警察に勤めるニールは、行方不明になった少女を捜すため、とある島を訪れる。そこで彼は島民がキリスト教普及以前のケルト的宗教生活を送っていることを知る。キリスト教徒のニールは島民の特異な風習に嫌悪感を抱きながらも捜査を続けるが…。

https://filmarks.com/movies/3263

アリ・アスター監督の『ミッドサマー』に影響を与えていると言われている『ウィッカーマン』。どんなもんだろうと観てみたらなかなかでした。
ミッドサマーはなんか起こるだろうという不穏な感じが冒頭からずっとあるけど、ウィッカーマンは最初、あれ、ヒューマンドラマはじまる?みたいなのどかな島風景から始まる。

そんでだんだんとおかしくなっていく。ヒューマンドラマきたこれと思ったら急に外で男女が性行為し始める。『ミッドサマー』はまだ複数人で村に足を踏み入れているので「ここやべえぞ」を他の皆と共有できるんだけど、『ウィッカーマン』の主人公はただ一人で島に降り立ってしまう。「これが正常です」と淡々と島の日常風景を見せられるなんとも言えない怖さがある。
サラッとしているのに摩訶不思議ですごく好きでしたね。


カルトで始まりカルトで終わってしまったな。他にも未知の人間が描かれている良い映画があったら教えてください。


おわり

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?