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月なみをはじく

今の世代の人には馴染みがないかもしれないけど、僕が小さい頃は「キリンは努力して高い枝の葉を食べたから大きくなったんだ」と教えられたもんだ。その影響もあってか、 何人かの大人に「背伸びをして生きなさい。いつの間にか成長しているよ。」なんていう風に言われて、かなりええかっこして生きてきた気がする。

僕は生物学には疎いので、進化論なんてのはあれこれ言えないんですけどね、やっぱ背伸びなんかせず、等身大のまま、今できることをちゃんとしているのが1番ですよ。

こんなことを言うと、お前がそんなもの言えた口かと、ものを書くなんて真逆なことをしているじゃないかと言われるともうお手上げだし、実際自分が実行できているかと思うと怪しいもんなんですけど、そのぐらい難しくて、有意義で、それ故僕の理想の話だったりします。

昔、吉本隆明さんの講演で「普通に生きること」についてお話をされている録音を聞いたんですけど、吉本さんは「普通に生きる」ことに点数を付けるならカール・マルクスは0点だと仰っていたんです。あのレーニンが「幾世紀にわたって世界最大の思想家であった」なんて言ったような偉大な哲学者を0点です。たしかに「普通に生きること」の真逆を行っていたと思うんですよね。そう思えばマルクスは0点かもしれない。

じゃあそれを僕も流用させてもらおう。
では100点は誰にしようかと考えた結果僕はキリンさんに担ってもらうことにした訳です。これは別に猫でも犬でも良い。僕なんてキリンみたいに大きくもないからネ。ねずみでも良いかもしれない。

考えて見ればキリンさん銘々も大して背伸びなんかしていないと思うし、絶対にええかっこして生きたりもしていないはずです。如何にも普通に生きていて満点そのものな訳だ。

虚勢を張らないってのはほんとうに大事だぞ。
大人になればなるほど難しくなっていく。
別に百点満点の普通じゃなくたっていいんだ。
自分が仮に50点なら50点であることを恥ずかしがらないこと。堂々と50点であると言えることが大事だ。
どうせ百点満点なんていないんだからネ。

ただもうひとつ大事なこと。
50点なら20点だなんて言わないこと。
僕もよく虚勢を張らないことと、謙虚であることを勘違いしてしまいます。ほんとうは50点なのに如何にも努力していませんなんて装うようなズルはしちゃいけないネ。

後はそんな丸裸の状態で、今できることをちゃんとする。
そうしたら思わず知らず、いつの間にやら成長しているものだよ。
吉本隆明さんは僕の知っている「普通に生きること」に関して最高点を叩き出していたと思う。

今週も読んでくれてありがとうございます。
またこんな話かと思ったでしょう。
気がつくとすぐ成長とか変化の話をしてしまう僕はやっぱりキリンさんにはなれないなア。




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