見出し画像

【Vol.22】失敗から学んだ組織変革のポイント(上)

2020年12月末をもって、マーケティング・リサーチ会社を退職することになり、先日最終出社を迎えました。5年8ヶ月の間お世話になりました。

2015年4月、株式非上場後、業績が厳しい状況の最中に入社し、ファンドの介入による影響や、マネジメント体制の変更、組織整備と強化、再上場に向けたガバナンスの変化、再上場、激しい株価の変動などなど、思えば創業15年目から20年目までの激動を目の当たりにしてきたな〜という感じ。

この会社に入って、マーケティングとリサーチというビジネスにおける大きな武器を身につけたことや、営業に対しての考え方が変わったことは先日書いた内容の通りなんですが・・・

もう1つ、この激動の6年間、メンバーから課長職、そして部長職へとポジションを変え、経営陣とも密にさせていただいた中で、比較的経営に近い立場で組織を見て、様々な施策を実践してきた中で学んだことは、組織を変えることの難しさ。そして、組織変革を起こすために、どんなことを考えて何をしなければならないのか?ということ。

じゃあ、自分が描いていた理想の状態になったのか?組織は、会社はうまく回るようになったのか?と言われれば、もちろん理想の状態にはほど遠い。

ただ、入社当初に、自分自身が感じていた課題感、変えなければ・変わらなければと思っていたことに関して、一定の変化は起こせた。

少なくとも、自組織においては、過去のそれとは全く違う価値提供体制を創り上げた自負はあるし、周囲にも一定の影響を与えることができた。

大前提として、1人の力では全くもって無理で、周りの協力や、巻き込まれてくれた(巻き添えをくらった?)人達がいたからというのはあるものの、自分が約6年間、何を目指し、何を考え、どう動いてきたのか?について上・中・下の3回ぐらいに分けて整理してみたい。

6年前、何が起こっていたのか?

端的に言うと、過去の成功パターンがうまく行かなくなった中で、どうすればよいのか?に悩んでいる状態。結果として、様々なActionはするものの、結果が出ない、頑張っているのに結果が出ないから組織としては暗くなる。という状況。

失敗の本質や、V字回復の経営など、様々な書籍で語られている通り、やはり一度成功体験を持つとそこから抜けられないのは人間の真理なのだということを痛感した。

なぜそうなるのか?それはきっと、微妙なズレに、中にいる人間は気づかないということなんだろう。1日1mmずつずれていたとしても、恐らく気づかない。でも、毎日1mmのズレも1年間経てば3.65mという大きなズレになっている。それは中にいたら分からない。外から見ないと分からない。

だからこそ、外部からの人材招聘が必要になる。血液の循環を良くしないといけない訳ですよね。そして、そこに外部からの意見に耳を傾ける内部の人の柔軟性も合わさらないといけない。

元々存在していた調査という市場に、ネットリサーチという新たなカテゴリを確立させ、「ネットリサーチといえば。」というポジショニングと、営業というロールを持ち込んだことによって、足で面を押さえる(=アポ数)ことで顕在化しているニーズをいち早くキャッチすることで、売上を伸ばしてきた。

市場浸透率を上げることが、マーケットを抑えて行く中では重要。さらには、Frequencyが浸透率に比例するというダブル・ジョパティの法則上、この戦略は極めて正しかったし、功を奏していた。

これは、創業メンバーや事業拡大を支えたメンバーの力量。事業を創りながら広げていくことを、極めてストイックにやり切れたことには感服する。

ただし、カテゴリ自体がコモディティ化した中で起こるのは、価格競争。調査という性質上、顕在ニーズを刈り取っていくだけなら、安く済む方に流れる。結局、優位性がスピードと柔軟性になり、労働時間の上限を外しながら、人が無理をすることで対応量を上げていく。

ここに限界が来ていた。

とにかく、目の前の予算(=売上目標)達成だけを追いかけて、ゴリゴリ進んでいくもんだから、お客様に対するスタンスもよくない。お客様のことを知らない状態で、ただ来たものを捌く。過去は、それでもニーズの増加が昨年を超えていたため、売上があがっていく状態ができていた。ただし、前述の通り、顕在化しているニーズは一定レベルで高止まる。そこに、価格競争による単価下落が起こる。売上は下がって当たり前だった。

リサーチという商材は極めて属人的かつ、人が介在することによって、価値が大きく上下する商材。そして、同じ金額を出したとしても、担当によって価値が大きく異なるという商材。

そんな中でも、自身が描いていたのは、

”再現性の高い成果をいかに創り出すか。”
”人材輩出組織を構築すること”。

極めて属人的な仕事の中で、高い成果をいかに再現性高く出し続けるか。ってことをひたすらに意識してやっていた。

結局何をやっていたかというと、

”自分たちの存在意義を双方(お客様も、自分達も)に感じてもらいながら、必然性を見出していくということ。我々がいて当たり前。いないと回らない状況をどのように創り出すか。”

先日も出しましたが、これですね。

スライド56

まぁ、ただそう簡単には進まん訳です。それは、自分自身の至らなさもあったし、組織的な話もあるし、じゃあ何がポイントになってくるのか?

その辺りは、(中)に記載しました。


講演でも勉強会の講師でも、営業・マーケティングに関することならお気軽にご相談ください!喜んでお受けします!