本読みの履歴書 3

忘れた頃に書かれる本読みの履歴書。長くてごめんなさい。しかも画像もない。前回はこれ。ああ3ヶ月にいっぺんのペースになってますね。もう少し上げよう。

<創元社の世界少年少女文学全集 第一期分30冊 その1>

岩波だと思っていたのですが、創元社でした。

昭和28年刊。紙のハードケースに1冊ずつ入った分厚い本で、自分のではなく、叔父のお下がりでした。どうしても何の本だったか知りたくて大変な思いをして検索しました。ネットでは創元社と言うことまではわかりましたが、それ以上わかりません。最後に、まったく偶然に、たまたま国会図書館の児童書目録を見つけ、そこでついに発見したのです。思わず小さな声で「やったー!」と叫んでしまいましたよ(笑)。

んで、目録のコピーを見ながら、書きました。

この全集は、私の読書歴をからだ全身にたとえるなら、つま先からへその上くらいまで占めている、まさに基盤とも言うべき部分。ヒマさえあれば、ひっくり返ってこれを読んでいる子どもでした。そして小学生にはヒマがいっぱいあったのです。

11.第1巻(古代編) 「ギリシャ神話」
訳者はのってるけど著者は不明。大人になってから、ブルフィンチ(野上弥生子(訳))のを読みましたが、いろいろ子ども用に省略してある部分があったような? 多くの物語の原型がここにありました。

12.第10巻(アメリカ編2) オルコット 「若草物語」
オルコットは好きで、やはり学校の図書館で見つけて「昔気質の一少女」「八人のいとこ」「花ざかりのローズ」なんか読んでました。若草物語自体は第4部まであって、一般に「若草物語」と言われてるのは、第1部なんですけど。だけど改めて読み直すと非常にキリスト教の教訓臭が強くて、おおっと思う部分もあります。

なんにせよ、わたしの原点ですね。これと次の2編、それから「赤毛のアン」シリーズと「あしながおじさん」あたりが原点になると思います。
なんと正しい少女でしょう(笑)!

13.第9巻(アメリカ編3) バーネット 「小公女」
14.第9巻(アメリカ編3) バーネット 「小公子」
この2冊は、川端康成・野上彰(訳)だって! 
なめるように何度も何度も読んだ本。セドリック・エロル・フォントルロイを演じてほしい子役がいたんですが、そう思っているうちに俳優さんはすっかり大人になってしまいました。西洋人は子どもの頃どうしてあんなに愛くるしいのでしょう。いや、子どもは何人でもみんな愛くるしいのだけれど。

それから「小公女」でセーラが苦しい思いをしていた時、雇い主に言われて屋根裏部屋に忍び込むインドの水兵さんときたら! その場面が大好きで何度も何度も読み返したのを覚えています。ミンチン先生に叱られるところはとばして(笑)。

15.第15巻(ドイツ編2) ザッペル 「一年生時代」
アグネス・ザッペル(ザッパーとも表記)は、19~20世紀にかけてのドイツの作家。「愛の一家」という物語の方で有名なようですが、大好きだったのは自分と似たような少女が主人公のこちら。主人公のグレートヘンは確か6歳。親の仕事の都合で田舎から大都会のベルリンに出てきて、それまで家で暮らしていたのに学校に通うようになります。環境の激変、母の病気、学校への適応と難題がいくつも重なるのを果敢に乗り越えていくんです。

そうだ、続編「グレートヘン・ラインワルト最後の学年」もありました。6年生になった時の話です。こちらはこの創元社の全集には入ってなくて小学校の図書館でハードカバーを発見。こんな割にマイナーな本を入れていたわたしの小学校、ぐっじょぶ!

16.第14巻(ドイツ編1) グリム童話集
この全集には「童話集」と名付けられたものがたくさんあり、グリムもその一つ。だいたいそういった短編はみな好きでしたね。上の15巻に入っていたルター寓話集、レッシング寓話集、ヘーベル童話集。フランス編に入っていたラ・フォンテーヌやペロー等。

17.第11巻(フランス編1) オーノワ夫人 「青い鳥」
愛の神キューピット(アモール)とプシュケーの神話が骨組みになっているようなお姫さま話。とにかく王子が冒険して姫を手に入れるより、姫が苦労を重ねて王子に会いに行く方が好きでした。王子は自力でゲットだぜ!

18.第11巻(フランス編1) ボーモン夫人「美女と野獣」
ディズニーの有名なアレの原作。原作というか、お話の方が好きです。エマ・ワトソンが黄色いドレスを着て出てきた実写映画は未見。あれは見てみたいなあ。ストーリーがやや原作と違っているらしいので。

19.第11巻(フランス編1) ラブレー 「ガルガンチュワとパンダグリュエルの物語」
下ネタ満載。ガチョウでう○こを拭いたらガチョウが気の毒でしょとかツッコミ入れながら読んでた小学生。下ネタOKの素質はここでみがかれたのでしょうか? 


・・・この項、続く。

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