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中学3年「三年目の『ごめんね』」【自主、自律、自由と責任】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は
中学3年「三年目の『ごめんね』」【自主、自律、自由と責任】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

Aの視点「自主、自律、自由と責任」です。

な、長い・・・。
そして難しそう・・・。

大丈夫です。
この項目は、3つに分けると
理解が早いです。
①自主
②自律
③自由と責任

この3つのうち、
どれかに必ず重点が置かれます。

今回の教材の重点はなにか、
それが決まれば、
8割は授業計画ができたも同然です!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。


1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「自主、自律、自由と責任」
目標・・・・自律の精神を重んじ,自主的に考え,判断し,誠 実に実行してその結果に責任をもつこと。

中学3年「三年目の『ごめんね』」(光村図書)

あらすじ

小6だった私は、修学旅行の部屋分けのことを覚えている。
クラスでいつも一人だった伊藤さんと同じ部屋になったからだ。
当日も、やはり伊藤さんは一人で、みんなの後からついてくるだけだった。

私は勇気を出して、伊藤さんに声をかけた。
伊藤さんは驚いた表情で、「いいの?ありがとう。」と言った。

私はそのことを同じ部屋の班長であるみゆきちゃんに伝えると、
みゆきちゃんは「う…ん。」という反応。

伊藤さんとしゃべるどころか、私とも話さなくなっていった。
私は伊藤さんを誘うのをやめてしまい、みゆきちゃんたちと再び行動することになった。

中学校になり、私、みゆきちゃん、伊藤さんはみんなテニス部に入った。
みゆきちゃんは普通に伊藤さんと話している。
私は、修学旅行以来、伊藤さんと話していない。
また、みゆきちゃんと気まずくなりたくないという思いがあった。

中学3年の最後の試合の前日、私のラケットのガットが切れた。
最後の練習で泣きそうになっていると、伊藤さんがラケットを貸してくれた。
私は、「あのときはごめんね」と、とっさに言葉にした。

伊藤さんは言った。
「ううん。あのときはうれしかった。ありがとう。」


2 内容項目と教材

「自由と責任」に重きを置く

この教材は、内容項目にある
①自主
②自律
③自由と責任
のうち、③自由と責任に重きを置いて考えましょう。

主題に「自由と責任」とあるので、わかりやすいですね。

内容項目にによっては、このように重きを置いて考えることで、
授業の組み立てがしやすくなり、ブレなくなります。

・「自主、自律、自由と責任」
・「希望と勇気、克己と強い意志」
・「公正、公平、社会正義」
これらの内容項目は、何に重きを置くかを考えて授業を組み立てるかを、
まずは考えましょう!

人のことを考えない自由は、「自分勝手」

まゆみは、「私」の】申し出をある意味では無視して、
伊藤さんと関わらないという選択をします。
確かに、「自由」なのだからまゆみの言動も間違っているとは言えません。

実際、人はまゆみみたいな行動をとることもあるでしょう。

しかし、なんだかまゆみの行動に違和感があります。
「この行動は、本当にそれでいいのか」と。

自由は自由でも、相手のことを考えない自由は「自分勝手」と言います。

・「自由帳」というノートだから、人の自由帳に「バカ」と書く。
・何をしても自由なのだから、夜中に外で大声を出す。
・自由なのだから、列に横入りをする。
どうでしょうか。
これらは全て、「自由だから」を理由に行動していますが、
どれもダメなことですよね。


なぜか。それは、自由に行動はしているけど、
ルールを破ったり、人に迷惑をかけたりしているからです。


上の例では、自由に行動していますが、
「自分のこと」しか考えていません。
・自分がよければいい。
・自分が楽しければいい。
こういった思いが感じられます。
相手の迷惑なんてどうでもいい、と思っていそうですね。

本当の自由とは?

では、「本当の自由」とは、なんでしょうか。

シンプルに、「人・未来のことを考えた行動」が自由です。
もっというと、先を予想して、何が起きても自分で責任をとれること。
これが本当の自由なのです。

まゆみは、「仲のいい人で修学旅行を過ごしたい」という思いがあるのでしょうが、
当事者の伊藤さんと「私」はどう思うか、ということまでは考えていません。

対して、「いいのかな。」と立ち止まった私は、
伊藤さんの存在や一人でいる様子が気になって
「これでいいのかな。」と立ち止まって考えたのです。

問題は解決せずそのまま中学校3年生になります。
放置されたまま、自然消滅やウヤムヤになっている問題は、
子どもたちは結構抱えていることでしょう。
ここから、次のようなことが考えられます。

・まゆみは、修学旅行のことを気にしているのだろうか。
・伊藤さんは、修学旅行の出来事をどう思っているのだろうか。
・伊藤さんは、今でも根に持っているのだろうか。

教材は、「私」主眼で書かれていますが、
立場を変えて考えてみると、多くの気付きが得られそうですね!

本当の自由とは、相手や未来のことを考えること。
このことをポイントとして押さえる授業をしましょう!

3 導入

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